お前が犯人かっ!と突っ込みたくなる衝撃のどんでん返し小説

お前が犯人かっ!と突っ込みたくなる衝撃のどんでん返し小説

更新:2021.11.30

どうも、わちゅ〜さんです。 ホンシェルジュ連載がスタートしてから早一年。 本当にありがたいことでございます。 連載が始まるまでは、これでもかってほどにミステリーばかり読み漁っていた私ですが、今ではジャンル問わず幅広い作品を読むようになりました。 読書に対する熱も増していくばかりでございます。 そんな私ですが、つい先日。 前々から楽しみにとっておいた本を取り出し、いざ読み始めて思ったことがあります。 「やっぱミステリーっておもしれぇ……」

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なんだかんだ私はミステリーが好きなんですね。結局ミステリーに戻るんですね。
あれだけ「今ではジャンル問わず幅広い作品を読むようになりました」なんて調子込んだことぬかしてたクセに、結局コレですもんね。
いいんですいいんです。私ってそういう人間なんです。どうぞよろしくお願い致します。

ってことで今回は、やっぱり大好きだったミステリーの中でも、特に衝撃を受けた作品に絞って紹介していきまーす!
主に、どんでん返しが待ち受けている小説です。
以前「叙述トリック」をテーマに紹介したこともあったのですが、今回はトリック問わずごちゃ混ぜに選定。
どれを読んでもハズレなしよっ!(キラッ)

文庫版の解説も要チェック

著者
道尾 秀介
出版日
2012-01-28
第12回大藪春彦賞を受賞したサスペンスミステリー!
両親を亡くした2組の兄弟に訪れる、悲劇の物語です。
序盤から欝々とした雰囲気を漂わせまくっている今作ですが、中盤あたりで明かされる真実に驚愕すること間違いなし!
見事などんでん返しっぷりに、もはや爽快感すら覚えます。ミスリードの手法も秀逸。わたくし、まんまと騙されました。恐るべし。

特筆すべきは……と細かく書きたいところですが、今作はぜひとも予備知識なしで味わって頂きたい! 面白さは私のお墨付き!(あまり効力ないけど)

今作を購入される方は、ぜひ文庫版の解説までじっくり読んでみてください。本編の解釈に関する、かなり興味深いことが書かれています。読めばきっと、隠されたメッセージに感動するはず。お見逃しなく!

古典的かと思いきや……

著者
赤川 次郎
出版日
赤川次郎さんの最高傑作とも評される一冊!
主人公は、フランスへの留学経験を持つ上田修一。
恩師の紹介により、フランス語の家庭教師という働き口を得ます。
教える相手は、豪華な洋館で暮らしている裕福な美人姉妹。
三か月間住み込みで教えることになった修一は、ある日、地下の牢獄に幽閉された三女・雅子と出会います。
誤って人を殺したがために監禁されていると告げた雅子。そんな彼女を不憫に思った修一は、解放する計画を立てて実行に移します。
しかし、この行為が新たな連続殺人事件を生むきっかけとなり、事態はあらぬ展開を迎えることに……。

一見、古典的な設定のように思えますが、蓋を開けてみるとあらビックリ。実はかなりスケールのデカいお話なんです。
舞台は洋館だけにとどまらず、各地へと広がっていきます。ストーリー展開も早く、お約束のどんでん返しもバシッと決まっているという読みどころ満載の内容。うほほ!

著者・赤川次郎さんといえば、軽いタッチのコミカルな作風という印象があります。が、今作はちょっぴりシリアスめ。全体的にひんやりとしています。
発売から数十年経っても未だ色褪せることのない名作。ぜひ一読を!

衝撃の結末に驚愕

著者
荻原 浩
出版日
2006-02-28
衝撃のラストとはまさにこのこと!……と、早速いろいろ書きたくなるほどに面白かった作品。
ただ、こちらも予備知識のない状態で読んで頂きたいので、トリックに関してはあまり触れずに紹介しまーす!

“レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって”

香水の新ブランド・ミリエルを売り出すために考えられたこの噂。
口コミを利用して大ヒットを飛ばすが、やがて噂は現実のものとなり、足首のない少女の遺体が発見されます。
そして迎える衝撃の結末とは……。

警察小説でもある今作は、2人の刑事を中心に展開していきます。
主人公は、若者事情にめっぽう弱い中年刑事・小暮。その相方を務めるは、本庁からやってきた女性刑事・名島。
事件直後はお互いに様子見の状態ですが、捜査が進むにつれ息が合い始める2人。
読んでいて気持ちのいいコンビでございます。

とにかく面白い今作ですが、下調べは厳禁。何も知らない状態で読み始めることをおすすめしまーす! ちなみに、この作品は発売から10年以上経っているため、ちょいと時代を感じてしまうかもしれません。。
フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)が発売された頃の話のため……。ん?……もしや、……もしや、……今の若い子って、ガラケーのこと知らないのかしら……。ガタガタブルブル。

ホラーとミステリーの融合

著者
綾辻 行人
出版日
2011-04-23
ホラーとミステリーが融合した異色の短編集!
精神病院を舞台とする三編が収録されており、精神病患者が語り手となって進行していきます。
ズバリ、かなーり不気味な世界観でございます。
ホラーというよりサイコに近い印象。一般的な推理小説とはだいぶイメージが異なります。
著者・綾辻行人さんの作品の中でも、かなり異質な存在といえるかもしれません。

三編とも「なんてこった……」と呟いてしまいそうな結末を迎えます。恐らく、他の作品では感じられない異様な読後感を味わうことになるでしょう。
どんな結末かは読んでからのお楽しみ。ふっふふぅー!

犯人だけでなく被害者の正体すら分からない

著者
西澤 保彦
出版日
予想外の結末を迎える本格ミステリー!
厳格な家庭で育てられた箱入り娘・ハコちゃんこと浜口美緒は、両親の目を盗んで大学の仲間と飲み会へ。
早めに切り上げて帰宅すると、なんと彼女の部屋に見知らぬ女性の死体が……。
しかもタイミングの悪いことに、その日は両親に頼み込んでやっとこぎつけたアメリカ旅行の前夜。
このままでは旅行が中止になってしまう!と焦った彼女は、先ほど一緒に飲んでいたメンバーを招集。
死体をどこかへ捨ててきてと懇願します。しかし、この処置が後の大事件へと発展してしまい……。というお話。

今作の面白いところは、その設定にあります。
一般的なミステリーにおいて、犯人の正体が分からないというのはごく普通のこと。
しかし今作においては、犯人だけでなく被害者の正体すら分からないという不思議な状況。こりゃ珍しい。じゃ一体この死体は誰なのよ!ってのが今作のミソというわけでございます。

全体的にコミカルに描かれているため、ミステリーをあまり読まないって方にもおすすめの一冊。終盤のどんでん返しも読み応え抜群!
ちなみに今作はシリーズ物となっているので、気になった方はぜひ他の作品も読んでみてくださいまし。

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    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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