マキヒロチおすすめ漫画ランキングベスト5!ドラマ化「いつティファ」作者!

更新:2021.12.16

マキヒロチという人物をご存知でしょうか? 『いつかティファニーで朝食を』をはじめとする人気作を生み出してきた女性漫画家です。実体験を基にしたリアルで共感できる作品が多いのが特徴のひとつ。今回はそんなマキヒロチのおすすめ漫画を紹介します。

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マキヒロチとは?

マキヒロチは、1980年生まれの女性漫画家です。第46回小学館新人コミック大賞に入選し、『ビッグコミックスピリッツ』で漫画家デビューを果たしました。青年誌から女性誌まで幅広く連載を持ち、女心のリアルな描写や男女間のあるあるネタが人気となっています。

コミカルで笑いを交えたエッセー漫画や少し切ない恋愛ものなど、ジャンルを問わず描き分ける手腕の持ち主であるマキヒロチ。キャラクターの服装や登場する店なども時代に沿っていてファッショナブルな作品が多く、主に女性読者からの支持が高い漫画家です。どこか親近感の湧く登場人物たちには、誰もが共感できるのではないでしょうか。

代表作には『いつかティファニーで朝食を』『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』などがあります。

5位: マキヒロチが描く「境界線」を超えた人々

普段生活をしている中でモテと非モテ、結婚できる女とできない女、といったあらゆる境界線を感じることはありませんか? 本作『ルックルック境界線』は、作者が実際に出会った境界線の向こう側にいる人物をコメディータッチで描いた1巻完結のエッセー漫画です。「女たちの境界線」「自然体の境界線」「アウトローの境界線」などの章があり、それぞれでちょっと変わった「アウト」な人たちが紹介されています。

著者
マキヒロチ
出版日
2014-12-09

例えば、男性側がTPOをわきまえずに告白してくるためにモテることは大変だと言う、ある女性。

「なんで男って『この日に告白しよう』って決めたら絶対その日にしてくるのかなぁ」
「こっちの都合も考えずにその日にすることで逆にダメにしてるってわかんないのかなぁー」
(『ルックルック境界線』より引用)

普通は告白されるというだけで嬉しいですよね。しかし彼女にとって、告白されることは大きなことではないのでしょう。こういった境界線の向こう側にいる人物の、ちょっと理解しがたいエピソードに思わずツッコミを入れたくなること間違いなしです。

他にもオーガニックにこだわりすぎるあまり、虫がついたサラダをそのまま食べてしまう人など、トンデモ人物が盛りだくさん。日常に潜むおかしな人のおかしな話にクスッと笑える『ルックルック境界線』。読後は本作のエピソードを、きっと誰かに話したくなるのではないでしょうか。

4位: 日常に寄り添う缶コーヒー

『旅する缶コーヒー』は人々の日常を描いたオムニバス短編集です。それぞれの物語で東京、ロンドン、京都など全11都市を舞台として物語が進み、全ての作品に実際に存在する缶コーヒーがキーアイテムとして登場します。

著者
マキ ヒロチ
出版日
2014-01-09

最初の「広島・尾長」では、グラビアアイドルとして活躍していたマリカが仕事を辞めて地元の広島に帰るという話。彼女は年を重ね、太ったことで仕事がなくなってしまいました。地元で思い出の場所を巡っていると、マリカだと気付いたファンから缶コーヒーをもらいます。それは昔初恋の人と初めて飲んだジョージアでした。マリカはふと初恋の人を思い出し、ジョージアの味が当時の気持ちをよみがえらせるのです。

この短編集では、日々を戦う人々に缶コーヒーが優しく寄り添い、安心感や癒しを与えるというエピソードが収録されています。缶コーヒーという身近な存在に少なからず救われる登場人物たちを見ていると、切なく、しかしどこかほっとするような気持ちになれます。

白黒はっきりさせるというよりはふわっとした終わり方なので、もう少し続きが読みたくなる作品です。しかしぼかされた結末がまた、心の切なくも温かい余韻を残してくれます。『旅する缶コーヒー』を読めばきっと、普段何気なく飲んでいる缶コーヒーが特別なものに見えるのではないでしょうか。

3位: 吉祥寺ブランドからの脱却

東京・吉祥寺で不動産屋を営む双子の重田姉妹。二人は吉祥寺が住みたい街ランキング1位であることに疑問を抱いていました。そのため吉祥寺で物件を探しているという来客に、吉祥寺以外の物件を紹介していくのです。

著者
マキヒロチ
出版日
2015-11-09

この作品を読んでいると、東京の街の魅力を知ることができます。出てくるお店や景色も実際に存在するので、気になったら足を運ぶことができるのです。引越しの前に読んでおくと、物件探しの参考になるかもしれません。

双子が客の条件や引越しの事情を聞いてまず発する言葉があります。

「じゃ、吉祥寺やめよっか」
(『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』より引用)

本人たちは無自覚ですが、双子のゆるく自由な接客は、客の本音を引き出すテクニックです。タメ口で友達のように接するので営業という感じがなく、二人が紹介する街の魅力がダイレクトに伝わってきます。そのため最初は吉祥寺という条件だった客でも、新しい街を気に入って家を決めてしまうのです。

確かに吉祥寺などの人気上位の街は魅力的ですが、何もそこにこだわることはありません。世間の声に惑わされて、本当に自分に合う街を見落としがちではないでしょうか。『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』は、そういった先入観をなくし、ほかの地域に目を向けるきっかけになるのではないでしょうか。

2位: マキヒロチが届ける「別れ」

恋人や友人との関係における「サヨナラ」を描いた短編集です。「サヨナラフラグ」「あなたがかえるまえに」「えだまめパテ」「忘れな傘」など計7作が収録されており、どれも少し切なく、でも教訓になるような作品です。感情的に激しくぶつかり合うというよりは、落ち着きのある大人向けのストーリーになっています。

著者
マキヒロチ
出版日
2014-01-08

表題作「サヨナラフラグ」は、失恋から立ち直れずにいた主人公の小夜が、過去に付き合っていたタローとお互いの直すべきだと思うところを指摘し合い、次の恋は失敗しないようにと奮闘する物語。別れてからは普通の友達として接していたタローですが、実は彼も失恋をしており、それを教訓として二人で前に進もうとする姿が描かれています。

短い話の中にしっかりとキャラクターの感情が読み取れる、内容の濃い1冊です。言いたいことが言えずに失敗してしまった、という経験をしたことはありませんか? この短編集を読むとそういったモヤモヤした気持ちもスカッとして、不思議と前向きな気持ちになれます。

別れは男女間のみではありません。女同士の友情にもありますよね。『サヨナラフラグ』ではそんな人々のあらゆる「サヨナラ」がリアルに描かれており、女性は特に共感できる点が多いのではないでしょうか。女心を学べるという意味では男性にもおすすめしたい作品です。

1位: 朝食とともに日々を生きる等身大の女性

恋愛や仕事で悩みながらも、朝食を通して豊かさを補充していくという物語。グルメ漫画であり、恋愛漫画であり、女性の生き方を描いた成長物語でもあります。本作は2015年10月にドラマ化されており、1期と2期合わせて2016年3月まで放送されていました。

著者
マキ ヒロチ
出版日
2012-09-07

主人公の佐藤麻里子は7年間同棲した彼氏と別れ、友人である阿久津典子、新井里沙、那須栞をカフェの朝食に誘いました。そこで朝食の大切さを思い出し、これまでの暮らしを見直すことになります。一日の始まりである朝食を楽しみながら、恋に仕事に奮闘する女性の姿が描かれています。

朝食が題材になっていることもあり、あらゆるお店の朝食メニューが登場します。おしゃれなカフェやビュッフェばかりかと思いきや、うどんやお粥、築地の定食など庶民派でガッツリ系の朝食も出てくるのです。また食べ物の絵がキレイで食欲をそそられます。それをキャラクターたちが美味しそうに食べ、味の解説もしてくれるので、空腹時に読むのはちょっと危険かもしれません。

こちらの作品も実在するお店が出てきており、場所などの詳細が後ろに紹介されているので、気になったメニューがあれば同じものを食べに行くことができます。東京だけではなく名古屋や大阪のお店も登場しているので、グルメ雑誌のような感覚でも楽しめる作品になっています。

マキヒロチの漫画は実際に身の回りにいる人をモデルにしており、リアルで感情移入しやすい点が特徴のひとつです。キャラクターと一緒に悩むことができるので、同時に自分の生き方や進むべき道も見つめ直すきっかけになるはず。人間の残念な部分も包み隠さず描かれており、痛いところを突いてくるマキヒロチ作品。読めばきっと人として学ぶべきものが見えてくるのではないでしょうか。

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