水上悟志おすすめ漫画ランキングベスト5!SFからファンタジーまで楽しめる

更新:2021.11.27

SFからファンタジーまで、幅広いジャンルで読者を楽しませてくれる漫画家水上悟志。彼の魅力が詰まったおすすめ漫画ランキングベスト5をご紹介します!

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シリアスな作品も楽しく読ませる、漫画家水上悟志

1980年生まれ、大阪出身の水上悟志。非日常的なストーリーや題材を多く起用し、SFからファンタジーまで、幅広いジャンルの作品を執筆しています。シリアスで真面目な設定や展開の中にも間の抜けた少し肩の力が抜けるシーンを挟み、一部の作品間で世界観を共有するような作風が特徴です。

カエル、お酒、妖怪といったモチーフが好みで、たびたび作中にも登場。自画像もカエルやカエルの面をかぶったものだったりします。自分の絵が下手であると言ったり、過去の自分にもっと絵を勉強しろと言ったり、自らの画力をネタにすることも。

水上悟志が漫画家になりたいと初めて思ったのは小学2年生の頃で、実際に描き始めたのは中学生になってから。シャーペンで思いつくまま大学ノートに書き続け、その数は20~30冊にも上るそうです。

デビューは専門学校時代に課題で描いた作品。その後読み切りが載り続けることになり、専門学校在学中に連載デビューも果たします。漫画家としての才を感じるエピソードですが、水上悟志自身は、デビューには運が1番大事だと考えているとインタビューで語っていました。

5位:妖狐と人間が繰り広げる戦国冒険ファンタジー!

第5位は『戦国妖狐』。妖狐のたまと、仙道の迅火の義姉弟が協力しあい、戦国時代の世にはびこる悪を討つ戦国冒険ファンタジー作品です。

著者
水上 悟志
出版日
2008-08-09

人が好きだからという理由で世直しに貢献している妖狐のたまと、人嫌いでたまに付き合わされているあまりやる気を感じない仙道の迅火。この2人が、闇(かたわら)と呼ばれる魍魎や亡霊、変化といった人外を総称するものと人間が共存できる世を目指して戦う、特に妖怪ものが好きな方におすすめの作品です。戦国時代という時代背景と妖怪がマッチして違和感のない世界観となっているので、初めて妖怪ものに挑戦する方でも楽しく読めるでしょう。

妖怪、バトルといった漫画の世界では王道とも言えるストーリーですが、2部構成となっており、様々な敵やキャラクターが登場して物語に飽きさせない変化や新しさも取り入れられ、最後まで楽しく読めるよう水上悟志によって工夫が凝らされています。

ラストではキャラクターが読者に語り掛けるような、メッセージを向けるという演出がされる『戦国妖狐』。そういった作品は徐々に少なくなってきましたが、懐かしさを感じるこの作品の魅力の1つでもあります。ぜひ、楽しんでみてください。

『戦国妖狐』については<『戦国妖狐』が面白い!キャラの魅力を2部までネタバレ紹介!>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

4位:超能力者×宇宙人!水上悟志のSF作品!

第4位は『サイコスタッフ』。超能力者であることを隠して生きている高校生男子、柊光一は、突如現れた桜木梅子と名乗る宇宙人の少女から惑星ルルイエの宇宙軍超能力部隊にスカウトされますが、興味なしと断ってしまいます。しかしあることがきっかけで、スカウトを断りつづける光一につきまとう梅子との関係にも変化が生まれ……。

著者
水上 悟志
出版日
2007-10-27

172の言語を操り、努力を重ねてスカウトの仕事をしている梅子と、力を持ちながらその価値も知らず全く自身の能力に興味のない光一。2人は最初お互い嫌いなタイプだといがみ合っています。才ある者、持たざる者。持っている力をどうとらえるのか、それは人それぞれで、『サイコスタッフ』は水上悟志らしい力の表現がおもしろい作品です。

ちょっとしたコメディタッチも織り交ぜ全1巻で完結するため、SF作品ですが気楽にサクッと読める点も魅力。SFでありながら、甘酸っぱい青春ストーリーとしても楽しめるので、幅広い読者におすすめです。

梅子の可愛いビジュアルにも注目。しかもテーマは1話1パンチラ。でも決していやらしくなく、むしろ爽やかな読了感が待っていること間違いなしなので、そういった点も含めて女性にも楽しんでほしい作品です。
 

3位:新感覚!ご近所バトルストーリー!

第3位は『惑星のさみだれ』。ごく普通の大学生だった雨宮夕日は、突如現れたしゃべるトカゲから地球の危機を救ってほしいと依頼され、拒否する間もなく指輪と能力を与えられてしまいます。すぐさま敵に襲われた夕日を助けてくれたのは、なんとお隣に住む少女のさみだれでした。夕日の平凡だったはずの世界が、突如現れたトカゲによって不思議な世界と交錯し始めます。

著者
水上 悟志
出版日
2006-01-27

地球を破壊せんと企む魔法使いから地球を守るために戦うという、ストーリーの主軸はシリアスな『惑星のさみだれ』。しかしここでも水上悟志らしい、ちょっと間抜けな笑えるシーンを随所に挟むことで、真面目になりすぎず楽しみやすい作品となっています。

主人公を含めた子どもたちが活躍し、大人たちにあまり重点が置かれていない作品も多い中、この『惑星のさみだれ』には、かっこいい大人たちが登場し、いい味になっています。子どもたちが大人になっていく道を示してくれる大切な役割を持ったキャラクターの活躍にも注目してみてください。

バトルものとしても、特殊な念動力のような技を駆使して戦うドキドキの展開を楽しめます。日常とファンタジー要素が織り交ざった新感覚のご近所ストーリーです。
 

2位:父、娘、巨大なひよこが織り成すハートフルコメディ

第2位は『ぴよぴよー水上悟志短編集』から「ぴよぴよ」。ある日7歳の娘、すずめがお祭りの露店でにわとりにならないひよこを買ってきます。源八郎と名付けられ、ひよこはすくすく育ったようで、場面はいきなり3年後の朝の食卓。そこには人間ほどの大きさにまで成長した源八郎の姿が!

笑えてほっこり、穏やかでハートフルな日常コメディです。

著者
水上 悟志
出版日
2007-01-26

温かくて、ほのぼのと穏やかで、ジーンとくる感動のシーンもある。それでいてニヤニヤと笑いが込み上げてくるギャグ要素も満載の「ぴよぴよ」は、水上悟志短編集の中でもかなり高い評価を得ています。

短いストーリーの中でも3部構成となっていて、源八郎を連れてきたすずめが10歳、17歳、25歳と成長していくという特徴も。そんなすずめの成長とともに、すずめ、お父さん、源八郎のハートフルで笑える日常を楽しめます。

源八郎がとにかく大きすぎる、不条理ともとれる設定ですが、そんなことは気にならないキャラクターの個性とストーリー構成で、最後まで楽しい作品です。肩の力を抜いて、笑えて心温まる家族の物語を楽しんでみてください。
 

1位:壮大な輪廻転生の物語

第1位は『スピリットサークル』。霊が見える中学2年生の桶屋風太は、クラスにやってきた転入生の美少女、石神鉱子にイーストという背後霊がついていることに気が付きます。気味悪がられないように、イーストの存在は無視していた風太ですが、思わずイーストの言葉に返事をしてしまった瞬間、平凡だったはずの生活が一変することに!

風太と鉱子、2人を取りまく壮大な輪廻転生の物語です。

著者
水上 悟志
出版日
2012-12-10

初対面のはずなのに、なぜか自分を憎む鉱子。風太は自分の過去生、前世を辿って追体験していくことで、2人の間に一体なにがあったのか、どうして憎まれているのかを知っていくことになります。輪廻転生を繰り返し、何代にも亘って続いてきた愛と憎しみの物語を知った風太と鉱子の関係や、ちりばめられた謎、続きが気になること必至のストーリーです。

タイトルとなっているスピリットサークルは、風太が前世で特殊な能力を駆使して作り出した前世を視る、追体験することのできるアイテム。このアイテムの誕生した経緯もストーリーの大切なポイントとなってきます。

7つの前世でそれぞれ全く違う世界、そして設定なのも、読者を飽きさせない魅力です。壮大な輪廻転生、そして愛や憎しみの連鎖を描きながら、全6巻で完結させるコンパクトさ。ちりばめられた謎や伏線がラストに向けて収束していくところも見所です。
 

水上悟志のおすすめ漫画をランキング形式で5作品ご紹介しました。どれも水上作品の魅力が詰まったものばかりですので、ぜひランキングも参考に楽しんでいただければ幸いです。

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