パパとママには内緒の本四冊

パパとママには内緒の本四冊

更新:2021.12.13

みなさんどうもこんにちわ! ビーサンこと北里です。春になったんでなんだかムラムラしてきました! 今回紹介するのはちょっと官能的で背徳的、電車の中とかだと人目を気にして読みづらいかもしれない本たちです。でも怖がることはないよ……みんなの心の奥底、魂の叫びに耳をすませてみれば、それは決して汚れた感情なんかじゃないんだ……。さあ心を開いて、あなたの中のまだ見ぬアマゾンの奥地に踏み込んでみようよ! そこにはきっと、とてもきれいな孔雀が飛んでいるよ! パパとママには内緒にするんだぞ!!!!

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手で育てられた少年

手で育てられた少年

1980年10月01日
ブライアン・W・オールディス
サンリオSF文庫
『地球の長い午後』などで有名なSF作家、オールディスの半自伝的異色作。〈手淫の子〉ホレイショ・スタブズが五歳で性に目覚め、家族や友人、様々な女性との関わりの中でだんだんと少年から大人になっていく、その成長譚がざっくばらんな性描写を通じて語られている。

家族との関係に悩みながら手淫に励む前半のばかばかしさが、後半の真剣な恋物語ではだいぶ薄れて、むしろけっこうダルくてまどろっこしくてグジャグジャな感じになる。「〈お百姓さんと牛くん〉という素敵なゲームを考えだした」(p.33)とか言ってたころは平和だった。

ホレイショの少年期の終わりは、第二次世界大戦の戦火近づく社会の不穏さと並列ものとして描かれる。〈お百姓さんと牛くん〉とか……「ハーパー・ジュニアのチンボコは学校中で有名だった」(p.88)とか…あんな事細かにしょうもないことあれこれ書いてたのに戦争とか究極の現実。でもそれもある種真実なのかも。性欲の高まりと戦争の始まり。

男がずっとムラムラしてる話なので女性の描き方は軽いし、ホレイショが入れ込むバージニアも何が魅力なのかあんまりよく伝わらないのだが、戦争が背後に気配として控えてると思うと、なんか……リアルっすね……。だいぶ元も子もなくて妙ちきりんな小説に感じるけど、青(性)春の終わりについてだけでなく、セックスと暴力についても深い示唆をしているような気がしないでもない(気のせいかも)。

ロリア侯爵夫人の失踪

著者
ホセ・ドノソ
出版日
2015-07-01
若く美しい侯爵未亡人ブランカが、亡き夫との間で成し遂げられなかった愛への復讐かのように快楽追求の官能生活を送る話。歪んでて幻想的、虚無感も漂わせながらどこかドタバタで滑稽でもある。すげー面白い……!

エロ写真発掘帳

著者
出版日
市井のエロ写真コレクター、佐久間猛氏のコレクションの中から選りすぐって集めた一冊。19世紀末から20世紀初頭にかけての日本、中国、ヨーロッパの写真が収められている。

写真機が発明され、その黎明期に撮られたヌード写真たち。ここに入っている写真は、アートなヌードともえげつない性欲のはけ口ともちょっと違い、ほんのり妖しいおもむきと共にムーディーに佇んでおり、確かに「エロ写真」という言葉でないとうまいこと言いあらわせない。なんというか、いい塩梅の雰囲気をまとっている。それは佐久間さんの言葉で言えばどこか「人間的」ということなのでしょう。卑猥さよりも味わい深さを感じます。

痴人の愛

著者
谷崎 潤一郎
出版日
1947-11-12
男が奔放な若い女にドープに惚れ込んで、心身ともにめっちゃ振り回される話。クラシック。
谷崎潤一郎にとっての芸術や美というのは、呪いだったり悪っぽい頽廃と切り離せないものだったということだと思う。自分はデカダンな感じや露悪的な感じを出されるのはねちっこくてあんまり好きじゃないですが、爽やかで心地よいだけのものなんて表現に求めてないし(それならスポーツした方がよっぽどよい)、確かに色っぽさや妖しさは陰影を作る重要なものだなと思います。

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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