いたずらっ子が大暴れ!愉快な物語の絵本おすすめ5選!

更新:2021.12.20

いたずらすると大人に怒られてしまうのは当然ですが、子どもはちょっと叱られたくらいではめげないもの。こんないたずらっ子が近くにいたら大変と思うけど、絵本の中だとなぜか許せてしまう。そんないたずらっ子がたくさん登場する面白い絵本を紹介します。

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いたずらっ子は世界共通『だめよ、デイビッド』

表紙の絵からして、お母さんが悲鳴を上げそうなシーンですね。主人公のデイビッドはやんちゃ盛りの男の子で、お母さんを困らせてばかりです。

部屋の壁に落書きをしたり、泥まみれのまま部屋にあがったり、お風呂ではお湯を流しっぱなしでじゃぶじゃぶ遊んだり……。お風呂のデイビッドを叱ると、なんと裸のまま走り出してしまいます。絵に描いたようなやんちゃ坊主ですね。

著者
デイビッド シャノン
出版日

いたずらっ子の一日を描いたこの絵本は、挿絵の美しさも魅力です。デイビッドの顔はツヤツヤでふっくらとしていて、本物の子どものようにとても健康的に描かれています。リビングの花瓶のそばで野球をしようとたくらむデイビッドの表情や、花瓶を割ってしまって落ち込んでいるデイビッドの表情がとても愛らしく、同じようにいたずらっ子を育てる親たちは自分の子どもと重ねるかもしれません。

一日中お母さんに怒られっぱなしのデイビッドですが、最後にはお母さんが優しく声をかけ、ぎゅっと抱きしめられる姿で物語が終わっています。叱られっぱなしで終わりではなく、お母さんは子どもを愛しているから叱るのだという大切なことを子どもたちに伝えられる素敵なラストシーンですね。

『いたずらこねこ』かめと遊ぶキュートなこねこ

小さな子猫は、庭に入り、生まれて初めて亀と出会いました。亀がどういう生き物なのか知っている人間からしてみたら、子猫と亀がどんなやりとりをするのか想像が膨らむものです。子猫は好奇心旺盛ですが、とっても臆病なので一歩一歩慎重に亀に近づきます。亀の歩みもまた、とても遅いものなので、両者が鼻を突き合わせるほど近づくにはとても時間がかかるのです。

亀の頭と子猫の頭がくっつくほど近くに来ると、子猫は亀を手で叩いてみます。するとどうでしょう、それまで外に出ていた亀の頭が甲羅の中に隠れてしまうではありませんか!

著者
バーナディン・クック
出版日
1964-11-01

亀が甲羅の中に頭や手足を隠せることを知らない子猫はとても驚きます。その驚いた様子が目に浮かぶようです。猫を飼ったことのある人にとってはおなじみの光景ですね。子猫は自分から亀にいたずらを仕掛けたのに、亀が首を隠したり足を隠したりするたび、びっくり仰天して一歩、また一歩後ずさっていきます。

シンプルな絵と広い余白に、小さな亀と子猫と池がメインに描かれたこの絵本。絵はとってもシンプルなのに、子猫の心の変化と亀の動きがユーモアたっぷりに描かれていて、ところどころで笑いを誘います。

『つんつくせんせいといたずらぶんぶん』いたずら妖精が先生の口に!

いたずらをしそうな人物というのは、小さな男の子や女の子を連想しがちですね。でも、この物語では、いたずらぶんぶんに操られて、つんつくせんせいがいたずらばかりする先生に豹変してしまいます。

普通の先生なら言わなそうなことを言い出す先生に、子どもたちは大笑いすること請け合いです。お片づけをしなくてはいけないと思った先生ですが、その口からは「あ、くまだわ!しんだふりをしてください!」という言葉が飛び出します。

著者
たかどの ほうこ
出版日

つんつくせんせいを取り囲む子どもたちは、ぶんぶんが先生の口からいなくなってしまうと残念そう。可愛らしい妖精ぶんぶんは子どもたちにとても愛されています。

本当にぶんぶんがいたらどうなるだろう……そんな風に想像を膨らませながら読むと面白いですね。絵本の中には面白おかしい呪文も登場するので、絵本を読みながら子どもと一緒に声をそろえて呪文を唱えて遊んでみてはいかがでしょうか。

『ああ、たいくつだ! 』退屈な双子が作り出したものとは?

退屈でしかたない双子の兄弟。子どもたちが退屈を持てあます様子は、どこにでもあるほほえましい光景ですね。忙しく働くお母さんに背中を押された二人は飛行機を作ることに。飛行機と言っても折り紙で紙飛行機を作るわけではなく、本を読み漁って本格的な空飛ぶ飛行機を作るのです。

子どもが二人で空飛ぶ飛行機など作れるわけがない…‥と思いきやこの絵本の双子は、見事に空飛ぶ飛行機を完成させ、空に飛ばすことに成功するのです。

著者
ピーター スピアー
出版日

家にあるものだけで本物の飛行機が作り出されることも驚きですが、子ども特有の「自分にできないわけがない」という根拠のない自信はとても清々しく見えます。

お父さんとお母さんに怒られ、結局飛行機は分解することになってしまいますが、いっぱい叱られた後に両親の愛に包まれるシーンは心温まるものです。読んだ後には、子どもは自分の可能性を信じて見たくなる、大人はいつもより広い心で子どもに接してあげたくなる、そんな絵本です。

『あくたれラルフ』大暴れのラルフが大変なことに……

セイラと両親と一緒に暮らすあくたれラルフ。あくたれとは、人に嫌がらせをしたり悪口を言ったりするという意味です。ラルフは飼い主のセイラが優しいのをいいことに、セイラのパーティを台無しにしたり、パパのパイプでシャボン玉遊びをしたり、ママの大事な鳥たちを追いかけまわしたり、やりたい放題いたずらします。

家族みんながラルフのいたずらに振り回されていたある日の事、家族と一緒にサーカスに行ったラルフは、隣でうるさく吠えていた犬にゴム風船をくくりつけてライオンの檻の上に飛ばしてしまいます。それからラルフはサーカス団員たちにもいたずらをして、ついにセイラ達に愛想をつかされサーカスに置き去りにされてしまうのです。

著者
ジャック ガントス
出版日

あくたれラルフは、サーカスに取り残された後大変な目にあいます。観客が残したポップコーンをすべて一人でかたづけさせられたり、ナイフ投げの的にされそうになったり、腐りかけのリンゴとしめったポップコーンしか食べさせてもらえなかったり……。

ラルフはこれまでのいたずらをすべて許してあげたくなるほどかわいそうな目に合い続け、とても痩せて風邪を引いてしまいます。ほうぼうを探し回っていたセイラがラルフを見つけると、ごみで汚れたラルフを抱きしめるのです。

いたずらをして家族に叱られて、でも最後にはぎゅっと抱きしめてもらえる。家族のありがたみを感じられる物語です。

大暴れするいたずらっ子や、ちょっとしたいたずらがやめられないカワイイ猫や、いたずらっ子の妖精が口に乗り移った先生のお話などなど、いたずらっ子が見せてくれる楽しい世界を思う存分楽しめる絵本ばかりでした。

現実世界ではこんないたずら許されないかもしれない、と思うような内容も、絵本の中だとすんなりと物語に入り込めるから不思議です。いたずらの内容が破天荒過ぎて大笑いしてしまうようなものもありますね。主人公がわが子のようだと思う絵本があったら、ぜひ子どもに読み聞かせてあげて下さい。

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