影の支配者たち!知らない世界に飛び込める本

影の支配者たち!知らない世界に飛び込める本

更新:2021.12.20

モノブライト・松下省伍さんによる連載書評コラム。今回は石川博友『穀物メジャー 』、パコ・アンダーヒル『なぜこの店で買ってしまうのか』、ディック・レイア『ブラック・スキャンダル 』、バルダザール・グラシアン『賢人の知恵』を取り上げます。

2006年、桃野陽介(Vo / Gt)を中心に、松下省伍(Gt)、出口博之(Ba)の北海道・札幌の専門学校時代の同級生でバンド結成。2007年、「未完成ライオット」でメジャーデビュー。2009年、2ndアルバム『monobright two』をリリースし、10月には大阪・なんばHatch、東京・日比谷野外音楽堂でのワンマンライブ『BRIGHTEST HOPE』を開催。ギターロックの表現の幅を広げるべく、様々なサウンドメイキングに意欲的に挑戦。その集大成として3rd アルバム『ADVENTURE』を2010年10月にリリース。2012年にはデビュー5周年を迎えてのワンマンツアー『LIVE-RALLY』を全国7カ所にて実施。2013年にはキャリア初となるベストアルバム『Remain in MONOBRIGHT』もリリース。。翌年、2014年3月にはZepp Tokyoでのワンマンライブも開催された。2015年6月にデビュー当時からのメンバーでもあったドラムの瀧谷翼が脱退。夏に、メンバーのソロ活動を経て、同年10月に新体制で新境地を目指す。2016年4月20日には、2年半ぶりとなるオリジナルアルバム『Bright Ground Music』をリリースした。また、現在4:52からフジテレビにてオンエア中の新作アニメーション『ぼのぼの』の主題歌に、モノブライトの書き下ろし楽曲「bonobonoする」が使用されている。6月には地元・北海道を含むワンマンツアー『Bright Ground Music ~B.G.M~ Tour』を開催した。10月にはデビュー10周年を記念した初のセルフカバー・アルバム『VerSus』がリリースされた。2017年11月より全国ツアー モノブライトTOUR2017「monobright × MONOBRIGHT × モノブライト 2007-2017」を開催。ツアー終了後、無期限の活動休止に入る。 http://www.monobright.jp/
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こんにちはモノブライト ギターの松下です。ミュージシャンになってよく聞かれることの一つに「毎日どんな生活送ってるの?」という質問があります。自分にはなんともない毎日のことですから、いやいやオニイサンよ某そんなたいそうなもんじゃありやしませんよ、とその時ばかりは茶色いクラシックなダブルのジャケットに草履を履いてフーテンの寅さんばりに答えつつもやはり他の世界の方から見れば特殊なモノに写っているのだなと改めて思う次第。

そんな風に外から見れば異世界に感じることが実は自分のすぐ隣にひしめいていたりする。そして支配・誘導を外の世界に気づかれないように平然とやってのけている。しかもその図式自体はきっと昔から変わらないのだと思います。

派手に世に出てきらびやかな光を放つわけではなく、暗躍という形を生業にする異世界。しかもそれには歴史がある。

当たり前のことなのでしょうが、当たり前を現実に感じたときのある意味でのショックをご紹介いたします。

食料戦略の裏側

著者
石川 博友
出版日
1981-10-20
世界の食料戦略について書かれています。驚くべきは1981年に書かれていることが今のリアルにつながっていること。輸入・輸出の間と各国のめまぐるしく動く法改正、為替や外交の緊張状態などの背景の隙間その一瞬で莫大な利益とシステムまで作ってしまうアメリカや現ロシアの要人たちの豪腕っぷりを見ると、なんだか俺ってちっちぇなぁと思った次第。

禁断の経営学

著者
パコ・アンダーヒル
出版日
2014-03-06
これは本当に科学本だと思います。ヒトという生物の習性を利用した経営学が敷き詰められています。膨大なデータから作られ、来たお客さんが全員必ず物を買っていく店の作り方などなかなかすごい世界です。

ボストン裏社会のドラマ

著者
["ディック・レイア", "ジェラード・オニール"]
出版日
2015-12-25
ノンフィクションです。アメリカはボストンの裏社会に君臨し続けたギャングとそれを追うFBI捜査官の密約は支配がまた支配を呼び、私利私欲がまた他の私利私欲を呼ぶ連鎖反応を起こし続けていく。ついにはFBI全体を巻き込むスキャンダルへ。

己の内面

著者
バルタザール・グラシアン
出版日
2006-12-20
最後はちょっと趣向を変えて。外に見えるのが自分の行動だけだとしたら、暗躍(あえてこう書きますが)してるのは内面だ。

目立たないがイメージのいい人や、肝がすわっていて平気でサクッと何かを成し遂げてしまう人。そんな人が実は一番思慮深くフラットに場を見えていたりするのではないでしょうか。派手さとは時に無意味なことかもしれない。周りからはそう見えても実は当人は丁寧な作業を繰り返している賜物の一角なのでしょうね。1600年代から賢人が見た本質は今も普遍的だなと思う。

今月の一枚

今月の一枚
最近ホームパーティで調理役で呼ばれます。

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  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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