『21世紀の資本』から学ぶ経済格差の実態を紐解く

更新:2021.12.7

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンが「今年、そしておそらくこの10年間で最も重要な経済書」と絶賛した『21世紀の資本』。日本でも13万部を突破し、異例のベストセラーになりました。今回は本書の全貌を紹介します。 また、本作は「flier」で無料で概要を読むこともできます。さまざまなビジネス書、教養書を10分で読めるスマホアプリなので、時間がない方、ご自身で概要を知りたい方はまずはそちらで読んでみてはいかがでしょうか?

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『21世紀の資本』とは

著者
トマ・ピケティ
出版日
2014-12-09

近年、世界的に経済格差は拡大していると問題になっています。「一億総中流」と言われた日本も例外ではありません。では、なぜ経済格差は拡大し続けるのでしょうか。そもそも経済格差って難しくて分かりませんよね。

『21世紀の資本』は、そんな疑問を解決してくる一冊となっています。経済格差の実態を紐解き、経済格差を埋めるためにはどうすればいいのか、具体的な施策を提案しています。自分の富や社会を見直すきっかけとなる一冊です。

本書では、経済格差を、「資本所得の格差」だと定義。ここでは資本とは、不動産や金融資産、工場や機会といった専門資産のことをさします。資本所得は、資本所有者に配給される利潤や配当のことをいいます。この資本所得の差が拡大していることを経済格差だとしているのです。

そんな経済格差の拡大が止まらない中、唯一、長い歴史の中でも、格差が縮小した時期がありました。その時期はなんと第一次世界大戦時。戦争で格差が縮小するのは不思議で気になりますね。もちろん本書ではその理由も述べられています。

21世紀にて、経済格差の拡大に歯止めをかけるため、本書では、世界的な累進課税を設けることを提案。そのためには国や地域を超えた国際協力が必要だと述べています。

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『21世紀の資本』の大きな功績

本書には特に大きな功績が二点あります。

一点目はちゃんとした経済のデータを記録していなかった頃からのデータを集めて、統計的に分析し、歴史と照らし合わせ裏付けしたことです。今までデータが不十分と言われていた「格差論」で、1800年代から、20カ国以上の、税金やGDPなどのデータを採取した本書はまさに革命的な一冊となりました。

二点目は、経済格差の仕組みをr>gという簡単な式で表したことです。本書では、資本収益率(r)と経済成長率(g)の関係性から経済格差の構造を紐解きました。r>gというシンプルな式で格差の原因を表したことで、本書は異例のベストセラーとなりました。

また本書は、グラフや分かりやすい統計情報を使って解説をしているので、案外すらすらと読めちゃいます。普段何をいっているのか分からないと感じる経済学書でも、この本なら簡単に読めちゃうのも、大きな魅力です。

まずは『21世紀の資本』の要約を読みたいかたへ

本書は、700ページ以上もある大書なので、全部読み切るのは難しいかもしれません。またr>gの式は難しくよくわからない。そう思われる方も多いでしょう。

そんなときにおすすめしたいのが、10分程度で読める要約を提供する「flier(フライヤー)」です。このサービスでは現在(2017年5月時点)、『21世紀の資本』の要約(+レビュー)を無料で楽しむことできます。r>gの式の要約をたいへん分かりやすく書いてあるので、おすすめです。

「flier(フライヤー)」は、不朽の名作からビジネス書まで、さまざまな本の要約を提供する月額制サービスですが、本書のほかにも20数冊の要約は、なんと「無料」でチェックすることができます。またこれらの要約は「各分野の専門家」によって作成されたものなので、「質」も保証されている点が特徴的です。

ぜひこの機会にアプリをダウンロードして、読んでみてください。

著者
トマ・ピケティ
出版日
2014-12-09
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