ブロンズ新社から刊行されている絵本おすすめ5選!

更新:2021.12.2

子どもだけじゃない、大人が読んでも面白いブロンズ新社の絵本。キラリとセンスが光る5冊を紹介していきたいと思います。

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ブロンズ新社から出版された、ヨシタケシンスケの絵本デビュー作!

ある日、男の子が学校から帰ってくるとテーブルの上にりんごが1つ……。なんの変哲もない、ただのりんご。でも、本当にこれはりんごなのかな?

一度疑いだすと、男の子の想像はどんどん膨らんでいきます。もしかしたらさくらんぼの一部かもしれない!ひょっとして赤い魚かもしれない!実は何かのタマゴかもしれない!そもそもりんごはどこからきたのか……。

さあ、果たしてこれは本当にりんごなのでしょうか?男の子と一緒にりんごについて考えてみましょう!

著者
ヨシタケシンスケ
出版日
2013-04-17

ユニークな作品を多数描いているヨシタケシンスケのデビュー作。この絵本は、子どもだけではなく大人からも大人気!りんご1つでよくここまでいろいろ考えるな〜と、思わず感心してしまいます。

1つの物事に対して様々な方向から見る力、想像力などが養われる絵本です。読み進めるうちに、ちょっと哲学的なところも。絵本ですが、中学生ぐらいのお子さんにもおすすめです。

こちらの絵本が気に入った人は、『ぼくのニセモノをつくるには』『このあと どうしちゃおう』の発想シリーズ第2弾、第3弾もおすすめ!ヨシタケシンスケの世界を存分に楽しんでみてください。

赤ちゃんの笑顔が見たいときはこれ!

『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』のだるまさんシリーズ3冊は、小さい子どもから楽しめる絵本として大人気の作品です。

だるまさんがゆらゆら揺れて転んだり、つぶれたり、伸びたり……。だるまさんのコミカルな動きに、子どもはきっと夢中になるはずです。

赤ちゃんへのおすすめ絵本として、必ずといっていいほど紹介されます。

著者
かがくい ひろし
出版日

機嫌が悪くて泣いていた赤ちゃんも、このだるまさんを見ればたちまち笑顔になれるでしょう。

コミカルなのにシンプルな絵と短い文章は赤ちゃんへのファーストブックにぴったりなので、出産祝いに迷ったときはぜひ、この絵本を贈り物として選んでみてください。

「だ〜る〜ま〜さ〜ん〜が〜」と読みながら子どもを膝に乗せて一緒にゆらゆらすれば、きっと我が子のかわいい笑顔を見ることができますよ!親子で楽しいスキンシップの時間を過ごせるはずです。

ブロンズ新社が出版する、tupera tuperaのユニーク絵本

しろくまさんはとても困っています。なぜなら大切なパンツがなくなってしまったから……。しかも、どんなパンツを履いていたのかも思い出せないからさあ大変!

おしゃれなしましまパンツかな?おかしがいっぱいおいしそうなパンツ?それとも花柄のかわいいパンツ?

親切なねずみさんと一緒に、あなたもしろくまさんのパンツを探してあげてください。

著者
tupera tupera
出版日

『やさいさん』『かおノート』などで有名な、tupera tuperaの作品です。

ちょっととぼけたしろくまさんと、親切なねずみさんのコンビがとっても可愛らしく描かれています。

各ページの一部が切り抜かれていて、ページをめくると誰のパンツかわかる仕掛け。次々と登場するのは、いろいろな動物たちの個性的なパンツです。思わずクスッと笑いがこぼれるでしょう。

そして、絵本の帯がなんと真っ赤なパンツ!「パンツをぬがしてからおよみください」と書いてあるところがなんともユニークです。

ラストも「何それ〜!」と、思わず笑ってしまいます。しろくまさんのパンツが無事に見つかったのか、ぜひ絵本で確認してみてくださいね。

小さなネズミが教えてくれる大切なこと

ある日、本好きのネズミが図書館から家に戻ると、仲間のネズミたちがどこにもいないのです。原因は人間が発明した、ばね式ネズミとり。あれが怖くて、みんなどこかへ逃げ出してしまった様子。でも、一体どこへ?

「そうか、みんなはあのおそろしいネズミとりがこわくて、逃げ出したんだ。でも、どこに?もしかしてアメリカ?」(『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』から引用)

小さなネズミは、仲間を追いかけてアメリカに行くことを決意します。

まずは、船に乗ってアメリカを目指そうと考えた小ネズミ。しかし、そこには恐ろしいネコたちが船を見張っていました。

船に乗ることをあきらめた小ネズミは、目の前を飛んで行くコウモリを見て空を飛ぶことを思いつきます。

はたしてネズミは飛行機を完成させて、無事にアメリカへたどり着くことができるのでしょうか?

著者
トーベン クールマン
出版日
2015-04-15

約20カ国で翻訳出版された、世界中で話題の絵本です。

美しく雰囲気のある絵が、小さなネズミの冒険物語を盛り上げてくれます。リアルに、生き生きと描かれている動物たちがとても魅力的!

そして何より、失敗しても決して諦めずに前へ進み続ける小ネズミからたくさんの勇気をもらえます。

最初は木ぎれと新聞紙で作った大きな翼。それだけでは空を飛べないということに気がつくと、次は蒸気機関車からヒントを得て蒸気エンジンの取り付け……人間の道具や部品をこっそり失敬してコツコツ飛行機を作るなんて、かなり賢いネズミです。

苦労して苦労してアメリカにたどり着き、仲間のネズミたちに再会する場面は圧巻です。頑張り屋の小ネズミが、あきらめないことの大切さを私たちに教えてくれます。

最後に、「空飛ぶネズミ」として有名になったネズミのポスターを熱心に見つめる少年が出てきます。彼は誰もが知っているあの有名人……一体誰なのか、気になる方は絵本をチェック!

ブロンズ新社から刊行、酒井駒子が描く海外の名作絵本

クリスマスの日、ぼうやの家へ贈り物としてやってきたおもちゃのうさぎ。うさぎはビロードでできていて、とても立派でした。

しかし、子ども部屋にいる他の高価なおもちゃたちはビロードのうさぎのことを「本物じゃない、ただのきれでできている」と言ってバカにします。

みんなにバカにされて落ち込んでいたビロードのうさぎ。しかし、たった一人だけ優しくしてくれる馬のおもちゃは言います。

「ほんものというのはね、ながいあいだに子どものほんとうのともだちになったおもちゃがなるものなのだ。」(『ビロードのうさぎ』から引用)

心から大切にされたおもちゃこそ、「本物」になれると言うのです。そして馬のおもちゃが言ったとおり、ビロードのうさぎはぼうやの大切な友だちになりました。それからは、ぼうやと過ごす楽しい日々。

しかし、ある日ぼうやが病気になってしまい、そんな楽しい時間は終わりを迎えます。一体、ビロードのうさぎはどうなってしまうのでしょうか?

著者
マージェリィ・W. ビアンコ
出版日

美しく印象的な絵を描いているのは、『よるくま』『ロンパーちゃんとふうせん』などで有名な酒井駒子。静かな雰囲気ですが、とても心惹かれる絵です。子どもより、大人の方が夢中になってしまうかもしれません。

こちらの絵本、原題は『The Velveteen Rabbit』。90年以上も前に海外で出版されたものを、酒井駒子が抄訳しています。元はもう少し長いお話のようです。

他の高価なおもちゃたちから「本物じゃない」とバカにされながらも、ぼうやの大切な友だちとなるうさぎ。しかし、幸せな日々の中、野うさぎたちからまたもや「本当のうさぎじゃない」と言われてしまいます。

「本物ってなんだろう?」「物の価値とはなんだろう?」と、私たちに考えさせてくれる絵本です。

そしてこのビロードのうさぎは、私たちが子どもの頃に大切にしていたおもちゃやぬいぐるみのことを思い出させてくれます。子どもの頃、寝るときは必ず抱きしめていたお気に入りのぬいぐるみ。あの大切にしていたぬいぐるみはどこへ行ってしまったのだろう……。そんな気持ちになるかもしれません。

この絵本のぼうやとうさぎも、ぼうやの病気をきっかけに別れの時が訪れます。とても悲しいけど、悲しいだけでは終わりません。最後はちゃんとうさぎが救われる、ハッピーエンドの物語なので安心して読んでみてください。

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