『夜と霧』のあらすじを紹介!人生の意味を考えさせる世界的名著

更新:2021.12.21

『夜と霧』には、著者ヴィクトール・フランクルのナチスの強制収容所での体験がつづられています。多くの人に読み継がれてきた本書のあらすじとともに、作者の魅力をご紹介していきます。 また、本作は「flier」で無料で概要を読むこともできます。さまざまなビジネス書、教養書を10分で読めるスマホアプリなので、時間がない方、ご自身で概要を知りたい方はまずはそちらで読んでみてはいかがでしょうか?

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『夜と霧』のあらすじ

著者
ヴィクトール・E・フランクル
出版日
2002-11-06

著者ヴィクトール・フランクルは、第二次世界大戦中の強制収容所での過酷な体験を速記の記号を使い、小さな紙に書き残していました。終戦後の1947年、この記録は『夜と霧』として刊行されます(原題は『強制収容所における一心理学者の体験』)。

かくしてフランクルは本書で、アウシュビッツに到着してから解放されるまでの6ヶ月間をまとめ上げたのです。

本書には、過酷な状況を生きる人々の姿が冷静な眼で記録されています。あまりにも悲惨な出来事には、思わず目を逸らしたくなるかもしれません。しかし絶望のふちに立たされてもなお、人間性や希望を失わなかった人たちがいました。それは、なぜでしょうか。

一つには、美しさやユーモアなどで内面性を豊かに保ち続けたことがありました。また未来に対して諦めずに目的を持ち続け、行動したことも精神的な破綻を防ぐことになったといいます。

本書は、日本を含め600万人もの読者に読まれ続けてきた1冊です。初めての邦訳は、ホロコーストや強制収容についてまだ認知度が低かった1956年に刊行されました。フランクルによる1977年の大幅改訂を踏まえた日本語訳も、2002年に発表されています。

悲惨な現実を伝えるだけではなく、社会や歴史、そして人間について問いかける不朽の名作を、この機会にぜひ手に取ってみてください。

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ヴィクトール・フランクルとは

精神分析学者であるヴィクトール・E・フランクルは、1905年にオーストリアの首都ウィーンで産声を上げます。フロイトやアドラーに師事し、精神医学を学びました。

第二次世界大戦時中、ユダヤ人であったフランクルは、テレージエンシュタット収容所(チェコ北部)やアウシュビッツ強制収容所(ポーランド南部)、ダッハウ強制収容所(ドイツ南部)へ送られます。アウシュビッツ強制収容所については、3泊したのちに移送されたといいます。このような収容所での暮らしは、のべ2年半にも及んだのです。

それでは、フランクルも移送されたアウシュビッツ強制収容所とは、どのようなものだったのでしょうか。

最大規模の強制収容所「アウシュビッツ」

「負の遺産」として世界遺産登録もされているアウシュビッツ強制収容所は、1940年に開設しました。当初はポーランド人のための収容所でしたが、後にユダヤ人を収容するようになります。

強制収容所は3つありました。犠牲者は100万人以上。その多くがユダヤ人でしたが、ロマ族(ジプシー)や反ナチス勢力、ロシア人捕虜、同性愛者などの人々も虐殺されたのです。

またアウシュビッツの囚人たちは、劣悪な環境下に置かれていました。たとえば宿舎には暖房などはなく、毛布も3人に1枚、浴室もなく、バケツ1個があるのみです。

そのうえ人々は、空腹にも襲われました。十分な量の食べ物が提供されないだけではなく、たとえば、水のようなスープには腐った肉や野菜が使わていたといいます。このようななかで、健康状態が悪くなった人々は伝染病に感染し、命を落としました。

さらにアウシュビッツでは、ドイツ軍の兵士やパイロットのための治療法の改善、ナチスが「劣等種」と判断した人々の不妊方法の「向上」を目的として、非道な人体実験が行われました。この実験でも、子どもから大人まで多くの人々が犠牲になったのです。

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『夜と霧』の要約

『夜と霧』の要約

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ここまで『夜と霧』を紹介してきましたが、「タイトルは知っているけど、実際にはまだ読んだことがない……」という方や「興味はあるけど、読む時間がとれない……」という方も少なくないかもしれません。

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著者
ヴィクトール・E・フランクル
出版日
2002-11-06
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第二世界大戦後間もなく刊行されたフランクルの『夜と霧』。過酷な環境下で生きる人々の姿から、学べることは何なのでしょうか。生きる意味を問いかけたことのあるすべての人に、おすすめしたい1冊です。 

とはいえ、読書時間などがとれない場合もあるでしょう。そんなときには、ぜひ「flier(フライヤー)」で、本書の無料要約(2017年6月時点)をチェックしてみてください。

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