おすすめギャンブル漫画ランキングベスト5!色々なゲームを名言で読む

更新:2021.12.2

正義は美しく、人道は正しく歩むもの。清く正しく過ごすことは素晴らしいですが、人間たまにははめを外してみたくなります。それ即ちギャンブル。日常と乖離した、極限のスリルと緊張感を味わえるギャンブル漫画ベスト5をご紹介しましょう。

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5位:友達の皮を被った嘘つきは誰だ?

友達思いの片桐友一(かたぎりゆういち)、学年トップで秀才の美笠天智(みかさてんじ)、正義感の強い沢良宜志法(さわらぎしほ)、ムードメーカーの四部誠(しべまこと)、気弱なオタク系女子心木ゆとり(こころぎゆとり)。このクラスメイトの5人は仲の良い友達グループです。

ある日、クラスで集金していた修学旅行費200万円が紛失したことで物語は始まります。5人は拉致され、「トモダチゲーム」と称する謎のゲームに参加させられてしまいました。200万円はその参加費で、5人のうち誰かが2000万円もの借金を背負っており、その借金を帳消しにするためにゲームに参加している、と運営から説明されます。

5人の友情が本物なら、簡単にクリアしてしまえるトモダチゲームの開始です。

著者
佐藤 友生
出版日
2014-04-09

本作は2014年から「別冊少年マガジン」で連載中の山口ミコト原作、佐藤友生作画の作品です。

わけもわからず謎のゲームに参加せざるを得なくなった少年少女達。本当に固く友情で結ばれているのなら、難なく突破出来る問題ばかり、とゲームのルールが語られます。友人の莫大な借金のために、一致協力してクリアを目指す……。

しかし、そこでまず最初の疑問が出てきます。本当に友人だと思っているなら、何も告げずに、拉致を行うような連中のゲームに巻き込むものでしょうか? それを躊躇せずに行うのなら、それは友人と呼べるのでしょうか? 疑念が疑念を呼び、僅かな違和感が疑心暗鬼を生み、人間不信に陥っていきます。

「この中に“裏切り者”なんかいるわけない。俺はみんなを信じてる」(『トモダチゲーム』より引用)

誰かの借金、と運営は言いました。それに対して、借金を負っているのが誰か詮索すべきではない、と真っ先に言い出したのは志法。誰にも相談することも出来ず、しかし苦慮した結果がこうなのだろうと。けれど、こんな大事なことに、事情も聞かずにいるのが本当の友達というものでしょうか?

5人の友情を試すゲーム。簡単なはずだったそのゲームは、誰かの裏切りよってどんどん悪化していきます。泥沼にはまり込んでいく人間関係。各々が抱え込んだ心の闇が曝露される時、それでも友情を失わずにいられるでしょうか。

果たしてゲームの行方は? 借金2000万円はどうなるのでしょうか?


『トモダチゲーム』については<漫画『トモダチゲーム』の魅力を全巻ネタバレ紹介!【〜最新12巻】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

4位:金なし。頭脳なし。――運あり。

ナナオこと鴨次七男(かもつぐななお)は、ギャンブラー気取りでその日暮らしに近い生活を送るろくでなし。

ある日、偶然見付けた500円玉で買ったスクラッチくじが200万円もの大金に大化けし、ナナオは有頂天になっていました。その晩に出会った謎の女アゲハに導かれ、ナナオは巨額のギャンブルに挑むことになります。今日の運ならどんな大勝負でも勝てると踏んで。

ところがそれが運の尽き。幸運に目を付けられたナナオは、灰澤という男によって、いくつもの危険なゲームに参加させられます。

「俺は神を信じる!! 都合のいいときだけ!!」(『ラッキーマイン』より引用)

著者
鈴木 マサカズ
出版日
2008-10-23

本作は2008年から「モーニング」で連載されていた鈴木マサカズの作品。

ギャンブルとは言うまでもなく、勝負に対して金銭を賭けるものです。勝負の種類にもよりますが、実力差の出ない勝負で勝ち続けるには、なんらかのからくりが必要となります。例えばイカサマ。ギャンブルを題材にした作品には、いかに相手を出し抜き、いかにバレずにイカサマを仕掛けるかに焦点を置いたものも多いです。

本作は違います。ナナオはどうしようもないろくでなしで、才能の欠片もないアラサー男。彼にあるのは運と、運を信じて乗っかる度胸だけです。奸計張り巡らすギャンブル漫画において、非常に珍しいほとんど小細工なしの運勝負。

物語のキーとなるのが「ラッキーマイン」という存在。「幸運な鉱山」と訳され、それを持つ人物には溢れるほどの幸運が集まるそうです。

ラッキーマインは幸運をもたらす奇跡ですが、ラッキーマインの持ち主が幸運とは限りません。金の鉱脈は誰かに採掘されることで初めて金を産出します。ラッキーマインも同様、幸運の恩恵を受けるのは持ち主ではなく、鉱脈を探り当てた人間。そして金鉱は、金が出なくなるまで掘り尽くされる運命……。

命を賭けた危険なギャンブルに投入されるナナオ。彼を使う灰澤には、何か思うところがあるようです。果たしてラッキーマインは実在するのでしょうか? そして幸運男、ナナオの運命は?

3位:天才小学生ギャンブラー現る!

20XX年、日本で賭博行為が全面的に解禁されました。年齢制限なしの、イカサマを除いた全ての賭博が合法化。

そんなギャンブル大国と化した日本で暮らす小学生、京本マサル。彼の消えた父親、京本暁(きょうもとあきら)は一流のギャンブラーでしたが、過去に大勝負に負けて以来消息不明となっていました。そこへ、プロとの勝負で80万円負けたという同級生がマサルを頼って来ました。同級生を助けるため、そして消えた父を探すために、マサルはプロの世界へ身を投じていきます。

著者
鹿賀 ミツル
出版日
2007-07-18

本作は2007年から「週刊少年サンデー」で連載されていた鹿賀ミツルの作品。完結後、「近代麻雀」誌上で成長した主人公の活躍を描く続編的麻雀漫画『GAMBLER! -勝負師-』も発表されました。

少年漫画でギャンブルを題材にすることもそうですが、小学生の主人公が合法的に賭博を行うというとんでもない設定。ここまで突き抜けていると、ことの良し悪しを超越したファンタジーになってしまっています。

特殊ルールやオリジナルのギャンブルは出てこず、スタンダードなギャンブルが幅広く登場するので、読みやすいことも合わせてギャンブル漫画の入門用としてちょうど良いかも知れません。

ギャンブラーの血がそうさせるのか、マサルの才能はプロの世界で存分に発揮されます。普段は明るいマサルが、真剣勝負となると人が変わったようになり、場の「流れ」や「ツキ」を読み取って数々の強敵と渡り合います。

「どんな相手でも、どんな時でも……必ずチャンスはあると思う!!」(『ギャンブルッ!』より引用)

マサルは厳しい勝負の世界で生き延び、無事に父親を見付けることが出来るのでしょうか。

2位:正直者と天才詐欺師が嘘つきのゲームに挑む!

主人公の神埼直(かんざきなお)は「バカ正直のナオ」と言われるほど、人を疑わない正直者の女子大生。そんな彼女へ、10万人に1人という謳い文句で小包が届きます。中身は現金1億円。ナオはわけもわからずに、参加者で騙し合う「ライアーゲーム」に参加することになってしまいました。

お人好しのナオは、対戦相手が中学時代の恩師だったために信用してしまい、まんまと1億円を奪われてしまいました。誰にも頼れないナオ。彼女は藁にもすがる思いで、刑務所から出所したばかりの天才詐欺師、秋山深一(あきやましんいち)に助けを求めます……。

著者
甲斐谷 忍
出版日
2005-09-16

本作は2005年から「週刊ヤングジャンプ」に連載されていた甲斐谷忍の作品。何度もテレビドラマ化、映画化された人気作です。

「嘘つきのゲーム」と言うだけあって、基本は騙し合い。強制的に貸し出された元手を使って戦い、いかに対戦相手を出し抜き、陥れるかがポイントとなります。本編に登場するギャンブルは多種多様。オリジナルのゲームのルールを他人より素早く、深く把握し、勝ち残らなければなりません。

「みんなが正直であればいいんです。そのほうが得なんです。そうすればみんなが救われるんです」(『LIAR GAME』より引用)

正直者のナオと詐欺師の秋山。一見ベクトルが正反対のデコボココンビです。ナオのバカ正直さは、本来騙し合い上等のライアーゲームにおいては致命的な性格。そこを秋山が上手くカバーして立ち回り、2人でゲームを勝ち進んでいきます。

「人を信じる? いや、人は疑うべきだよ……多くの人は誤解してるけれど、人を疑うとはつまり……その人間を知ろうとする行為なんだ」(『LIAR GAME』より引用)

ルールが厄介なら、他の参加者も一筋縄ではいかない厄介者揃い。ナオは当初、秋山のサポートを得てなんとか渡り合いますが、次第に1人でも力を揮うように。しかし根っこの部分はいつまでも変わらず、その誠実さがやがて参加者を動かす大きな力にもなります。

秋山は秋山で独自の思惑があり、ライアーゲームの裏に隠された狙いを暴こうと奔走。

ナオは無事にライアーゲームを生き残ることが出来るのでしょうか? そして、ライアーゲーム開催の真の目的とは一体?

1位:どんな絶望の底にも、逆転のチャンスはある……っ!

自堕落なフリーター、カイジこと伊藤開司(いとうかいじ)。彼はある日、自分が借金の保証人になっていた友人が消えたことで、負債を肩代わりするはめになってしまいます。法外な利息のついた借金はとても払える額ではありませんでした。そこで金融業者の遠藤は、カイジに一括返済の話を持ちかけます……。

意図せずして闇のギャンブルの世界に飛び込んでしまったカイジ。彼は命を賭し、神経を磨り減らす真剣勝負の中で、途轍もない博打の才能を開花させていきます。

著者
福本 伸行
出版日
1996-09-03

本作は1996年から「週刊ヤングマガジン」で断続的に連載されている福本伸行の作品。アニメ化、実写映画化もされたヒット作。人間心理を読んだ駆け引き、知略で魅せるギャンブル漫画の人気の火付け役的漫画です。

本作はこの手のジャンルの草分けにして、ある種の頂点。福本の得意とする緻密な戦略的思考と、他に類を見ない奇抜なギャンブル、そして人間味のあるキャラで絶大な人気を誇ります。

主人公のカイジ。彼は日常生活では怠惰で自堕落、目標も情熱もない社会の最底辺人間として描かれます。それがこと賭け事となると一変。

桁外れの洞察力に論理的思考、常識に縛られない超常的発想力。そして自身の直感に身を委ねる度胸。ギャンブルの内容が危険であればあるほど、かかった金額が高額であればあるほど、神経が研ぎ澄まされて普段の彼からは決して想像できないほどの力を発揮します。その論理的帰結による勝ち方には、思わず唸らされてしまうでしょう。

「奇跡なんて望むな!『勝つ』ってことは……そんな神頼みなんかじゃなく……具体的な勝算の彼方にある……現実だ……! 勝つべくして勝つ……!」(『賭博破戒録カイジ』より引用)

登場するギャンブルは、どれもゲームとして非常によく出来ています。特に「限定ジャンケン」、「Eカード」はそのままテーブルゲームとして通用するのではないかというほどの出来映え。もちろん、賭けは抜きにして、の話ですが。

カイジが類いまれな博打打ちなら、相手となる敵も強者揃い。彼らとカイジの戦いは、言い換えれば思考の読み合い。濃密な無言の対話と言えるでしょう。敵ながら天晴れ、というキャラも多数出てきます。

「金は命より重い……!」(『賭博黙示録カイジ』より引用)

カイジの挑むギャンブルは、全て巨大資本「帝愛グループ」の主催か、関係者ばかり。カイジはただ勝つばかりではなく、苦渋も舐めされられます。その原因は「帝愛グループ」の総帥、兵藤和尊(ひょうどうかずたか)にありました。

長年続くカイジと兵藤の因縁。この濃密な物語、ドラマこそ、ギャンブル漫画の最高峰と呼ぶに相応しいものでしょう。

余談ですが、本作には知略策略迸り、血湧き肉躍る本編とは異なるスピンオフが2作存在します。それはカイジの強敵だったとある2人が主役のギャグ漫画、『中間管理録トネガワ』と『1日外出録ハンチョウ』。本編と合わせて読めば、そのギャップで爆笑必至です。

いかがでしたか? ご紹介したギャンブル漫画を一読すれば、日常を吹き飛ばしてくれること間違いなしです。ただし、現実のギャンブルは御法度。くれぐれも真似はしないようにお願いします。

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