猫文学を愛でる【黒木渚】

猫文学を愛でる【黒木渚】

更新:2021.12.21

人間にとって身近な存在である猫。太陽の匂いがする柔らかい毛皮、まあるい瞳、気まぐれに触らせてくれる肉球。愛らしい姿に癒されたり、時にはその自由な生き方に憧れたり。文学の中にも個性様々な猫の姿を見つけることができます。今回は魅力的な猫達をご紹介します。

独特の文学的歌詞で、女性の強さや心理を生々しく歌い上げる、孤高のミュージシャン。宮崎県出身。すべての曲の作詞作曲を務める。2016年4月6日に最新シングル「ふざけんな世界、ふざけろよ」リリース決定。同月からは6大都市ワンマンツアーを開催。7月1日にはリリース配信シングル「灯台」を発表。小説家としても活動中。2017年、小説現代2月号にて新作小説「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」を寄稿。4月19日に初の小説単行本『本性』を講談社より発売。一昨年発売された2ndアルバム『自由律』に完全限定盤としてパッケージされ、文藝界初め各方面で評価された長編小説『壁の鹿』も同社より文庫オリジナルとして発売された。また、喉の不調の為、昨年8月から休止していた音楽活動再開を告知。2017年9月に復活ワンマン・ライブを開催する。 http://www.kurokinagisa.jp/ 黒木渚 ONEMAN LIVE「音楽の乱」 9月24日(日)【東京】渋谷O-EAST 開場16:00 / 開演17:00 / 料金¥4,800(1drink別) 10月7日(土)【福岡】スカラエスパシオ 開場17:00 / 開演18:00 / 料金¥4,300(1drink別) ※黒木渚のモバイルファンクラブサイトがオープン。詳しくは黒木渚オフィシャルモバイルファンクラブサイトへ。 http://sp.lastrum.co.jp/kurokinagisa/(スマートフォンのみ)
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「猫鳴り」

著者
沼田 まほかる
出版日
2010-09-16
平和に暮らしている夫婦のもとに現れた一匹の子猫。怪我をしている子猫の手当をしてやったものの、二人は子猫を飼う決断ができず捨てることにします。しかし、子猫は驚くべき生命力でもって何度も二人の家に戻ってくるのです。かつて待望の子供を流産によって失ってしまった夫婦は、子猫を見る度に失われてしまった子供の命について思いを馳せ、複雑な心境のまま子猫を飼うことに決めます。成長し老いていく猫とそれをとりまく人間達の日々を描いた作品です。なんというか、ほのぼのしていないのが良いです。少しだけホラーの匂いがするような独特の文体もおすすめポイントです。

「黒猫」

著者
エドガー・アラン ポー
出版日
ポーの作品の中で一番好きな作品です。大切に可愛がっていた猫が自分に懐かないことに腹を立てた主人公は、ある日発作的に猫を絞殺してしまいます。すると主人公の家は火事にみまわれ、一部の壁を残して燃え尽きてしまいました。焼け残った壁には絞首された猫のような模様が残っていました。その事件をキッカケに、殺してしまった猫に対する罪悪感を抱え続けていた主人公ですが、偶然にもかつての愛猫そっくりの猫と出会います。罪滅ぼしの意味も込めて猫を飼うようになる主人公ですが、そのまま「めでたし」とは行かないのがポーです。猫を侮ると怖いぞー。

「ねじまき鳥クロニクル」

著者
村上 春樹
出版日
1997-09-30
猫の描写はそれほど多くありませんが、飼い猫の失踪をキッカケにして展開してゆく物語です。義兄の名前をつけた飼い猫のワタヤノボルが突然失踪し、その行方を追っていた夫。妻の指示で占い師の女に猫の居場所を聞きに行くのですが段々と非現実的な出来事に巻き込まれていきます。追い打ちのように妻までもが失踪し、猫に加えて妻の行方までも探すハメになった主人公ですが、追いかけてゆくうちに失踪の鍵を握るのが、義兄「ワタヤノボル」であることを突き止めます。不思議な出来事と散りばめられた謎について楽しく推理しながら読み進められる一冊。

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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