『クロカン』が全巻無料!監督が主役の熱い野球漫画の魅力をネタバレ紹介!

更新:2021.11.27

甲子園出場を目指して奮闘する少年たち……ではなく、主人公は監督!ベンチでの腹の探り合いなど、心理戦も見モノな作品です。 監督を主人公にした斬新な設定の野球漫画『クロカン』。選手側から見る迫力とはまた違う、そんなスリルを感じさせる作品です。今回は、そんな本作の魅力が感じられるエピソードをご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。 またスマホアプリからは無料で読むことができるので、ぜひご利用してみてはいかがでしょうか?

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『クロカン』が面白い!あらすじをネタバレ紹介【無料】

桐野高校の野球部は、創設90年以上の歴史を誇る伝統的な部活です。しかし、それにも関わらず、いまだに甲子園出場を果たせずにいるのでした。

そんな野球部を強豪にするべく立ち上がった、1人の男がいます。それが、黒木竜次です。彼は桐野高校を、3年で県大会ベスト4、翌年には準優勝と徐々に実力を押し上げていきます。しかし、周りからの声に耳を傾けない彼の態度に、後援者たちからの風当たりは厳しく……。

主人公が監督ならではの、ベンチでの心理戦なども見モノな本作。黒木のアツい指導は、まさに必見です。

著者
三田 紀房
出版日

『砂の栄冠』『甲子園へ行こう』と並び、「三田野球三部作」と称される本作。野球漫画は人気ジャンルで作品数は多いものの、ほとんど学生が主役です。青春を過ごす少年たちの熱い思いには心揺さぶられるものの、大人の読者だと共感度は少し下がってしまう面があるかもしれません。

しかし本作『クロカン』の主人公・黒木は、28歳の監督。大人の読者に近い年代の人物です。だからといって作品の熱量が下がるということはなく、彼が独自の論理でチームを甲子園に連れていくまでの様子は、まさに胸に迫るものがあります。

今回は、無軌道に見えて実は誰よりも熱い男・黒木がぶつかるさまざまな困難をご紹介。読者の日常生活に繋がるところもある、リアルな野球の現場を体感いただければと思います。


『ドラゴン桜』でも知られる三田紀房の作品を紹介した<三田紀房のおすすめ漫画ランキングベスト6!『ドラゴン桜』作者>もおすすめです。気になる方はあわせてご覧ください。

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いきなりエース変更!?反発心を抱く部員たち

いきなりエース変更!?反発心を抱く部員たち
出典:『クロカン』1巻

 

就任してから4年。低迷していたある高校の野球部を、甲子園出場をかけた大会で決勝戦に進めるまでに成長させた黒木。

しかし、これだけでは甲子園に行けないと考た彼は、秋の大会にむけてのメンバー発表で、もともとピッチャーでエースだった正宮をショートに移動させるのです。

それに対して食らいつく正宮。急なピッチャー変更の理由を話さない黒木に、部内は不穏な空気になっていきます。

著者
三田 紀房
出版日

そこでキャプテンの小松が、黒木にその理由を聞きにいくことに。しかし、黒木は理由は言えないと言い、逆にこれまでのポジション決めにみんな本当に納得していたのかと聞きます。話し合ったことがないと答える小松に、黒木はこう突きつけるのです。

チームは俺や森岡や他のものでもねぇおまえらのもんだろ
それをどうしたいのか自分らで考えもしねぇのか
与えられたものを黙って受け入れるだけか
自分らで意見まとめて俺たちにぶつけることはねぇのか
まずてめえらで考えろ……
(『クロカン』1巻より引用)

指示を受ける立場にいると、つい言われたことを流れ作業的にこなしてしまうようになることがあります。それは大人になっても、つい陥りがちなところです。

それに対して黒木は、野球をとおして本当にそれでいいのか、と投げかけてきます。読者の日常生活に通じるところのある、心に残る問いかけでしょう。

クロカン 3

三田紀房
日本文芸社

監督同士の駆け引きが熱い!

監督同士の駆け引きが熱い!
出典:『クロカン』1巻

 

監督同士の絶妙な駆け引きも、本作の魅力の1つ。選手の目線では味わえない、静かなスリルに引き込まれていきます。

甲子園出場3回の経験を持つベテラン監督率いるチームと、新体制になってからの初戦を迎える黒木。その戦いでは、ベンチにいながらも試合を通じてぶつかり合う監督同士の姿がありました。

正宮の代わりにピッチャーとして先発登板した石光は、緊張で1回だけで4点も取られてしまいます、しかし、徐々に自分のペースを思い出して落ち着いていくのです。

そこに、これ見よがしに、見た目も実力も以前とは格段に違うピッチャーをぶつけてくる相手監督。球威だけなら今大会一だぞとほくそ笑みます。

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クロカン 4

三田紀房
日本文芸社

 

しかし、石光も徐々に実力を発揮するようになり、相手監督は正宮だけではなく、石光も使えるピッチャーとして育てたと知って「考えたなクロ……」と舌を巻くのです。

がっぷり四つで両者の実力が拮抗し始め、そこからは持久戦。お互い相手の試合の動かし方に目を光らせ、じっと耐え忍んで試合を見守ります。それぞれベンチの中にいて離れていながらも、チームの動きから互いの思考を読み取るさまは、まさに新しい野球の面白さを教えてくれるものでしょう。

しかし、ついに窮地に立たされた黒木は、奥の手である正宮をピッチャーとして出します。いよいよ動いてきたか、と相手監督も姿勢を立て直し、そこから試合は怒涛の展開を見せ始めるのです……。

『クロカン』の魅力をネタバレ1:ノックで金をとる監督

『クロカン』の魅力をネタバレ1:ノックで金をとる監督
出典:『クロカン』3巻

 

鷲ノ森高校の監督として甲子園を目指し指導を始めたクロカンでしたが、部員から熱意を感じることができず、しだいに苛立ちを覚えます。

そこで彼は部員から、なんとノック1本ごとに金を徴収することに決めるのです。

練習に参加して金を払うことに驚きを覚えた部員達でしたが、それをきっかけに1球1球への集中力を高め、甲子園への熱い気持ちを持ち始めます。彼らから集まったお金はバックネット裏の空き缶に集められ、甲子園予選が始まる前には2つの大きな缶が小銭でいっぱいになりました。

あまりにも型破りな、この方法。果たして、その効果は……?

出典:『クロカン』3巻

『クロカン』の魅力をネタバレ2:史上初!プロ高校選手をつくったクロカン

『クロカン』の魅力をネタバレ2:史上初!プロ高校選手をつくったクロカン
出典:『クロカン』4巻

 

鷲ノ森高校には、150キロを超える速球に、バッターとしてはプロ顔負けの選手・坂本がいました。しかし、彼は貧しい家庭に生まれたため、練習には参加せずにアルバイトをして家族の生計を立てなければなりません。

クロカンとしては、彼をどうしても練習に参加させ、チームの柱として育て上げたいところ。しかし家庭の事情となると、なかなか手を出すことができませんでした。

そこで試行錯誤の末、坂本を史上初のプロ高校野球選手として雇用することに決めるのです。監督が高校生を雇うという行為はもちろん前代未聞で、報道陣が押しかける事態に発展。

クロカンならではの手法で、投打のエースを手に入れる事に成功したのでした。

『クロカン』の魅力をネタバレ3:馬糞を投げるまさかの練習法……!

クロカンはチームを甲子園優勝に導くために、あらゆる練習をおこないます。

そのなかでも、もっとも過酷だったのが、捕手を木に縛り付けて150キロの馬糞を投げつけるという、恐ろしい練習です。

前述の坂本は150キロの豪速球を放る投手でしたが、弱小鷲ノ森には、彼の球を捕ることができる捕手がいませんでした。そこでクロカンは、いつも球から逃げてしまう正捕手を木に縛り付けて馬糞を捕球させることによって、見事キャッチャーを鍛え上げることに成功するのです。

かなり荒治療的な方法ですが、結果が出たならよかった……のか?

『クロカン』の魅力をネタバレ4:名言がアツい!

クロカンによる熱血指導がアツい本作。もちろん、そんな作品に登場する言葉はアツいものばかりです!ここでは、そのなかから一部を厳選してご紹介しましょう。

頭使え!
まず考えろ!
そして決めろ!
決めたら迷うなっ!
(『クロカン』1巻より引用)

クロカンの力強い言葉。読んでいて、まるで自分が言われているように感じてしまった方もいたのではないでしょうか。ある事柄に信念を持って取り組むには、考えたうえで決定し、強い気持ちで迷わずにおこなうことが大事なのでしょう。

常に神経を研ぎ澄まし頭を回転し続けろ
吸収することに貪欲になれ
(『クロカン』4巻より引用)

ビジネスにおいても役立つ一言。好奇心を持って取り組むことも大切さが感じられます。

クロカン 5

三田紀房
日本文芸社

泣け…俺の前では泣いていい…
ただし…グラウンドでは絶対弱みを見せるな…
(『クロカン』5巻より引用)

珍しく優しいクロカンが見られる一幕。このメリハリも、彼の魅力なのかもしれません。

『クロカン』で、監督側から野球を楽しんでみよう!

著者
三田 紀房
出版日
2003-01-17

監督を主人公にするという珍しい設定で、読者を引き込む野球漫画『クロカン』。頭を使って試合を展開させるさまに熱くなる、大人にこそおすすめしたい作品です。

アツい野球漫画の結末がどのようになったかは、ぜひご自身の目でお確かめください。ぜひ選手ではなく監督という新しい角度から見る野球を、最後まで楽しんでみてください!


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