ワタナベマキのおすすめレシピ本4選!丁寧な暮らしにするための本

更新:2021.11.8

デザイナーから料理研究家、多忙な社会人から母になった経験を活かしたワタナベマキのレシピ本の紹介です。味はもちろん大事、でも彩りも捨てられない、時間をかけて作るよりも時短で作れる、忙しい人が犠牲にならないレシピ本4冊を選書しました。

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色と空間のセンスを活かし、日本の味を伝える料理研究家・ワタナベマキ

ワタナベマキはデザイナーから転身した料理研究家。祖母から習った出汁や素材の味を活かした日本古来の温もりある彼女の料理と、美的感覚を活かした鮮やかな料理の盛り付けが人気の秘訣です。

私生活では一児の母である彼女は、料理研究家として活躍中です。2005年「サルビア食堂」を立ち上げ、そこで料理研究家としての道をスタートして以降、レシピ本を多数上梓しています。

大抵デザイナーというのは納期に追われ、多忙なことが多いのですが、彼女がデザイナーの仕事をしている中で、何とか毎日の食事を手作りのものにしたいと試行錯誤したのも、やはり外食で補えないものが家庭料理の中にあると、切実に感じたからでしょう。

ワタナベマキのように毎日、こだわって作るのはなかなか大変ですが、それでもなるべくなら、旬の食材と味の家庭料理を味わいたいものですね。
 

家庭料理への最初の一歩は、ワタナベマキの本作で

ワタナベマキが初めて手がけたレシピ集です。毎日料理を作るのに、いちばん頭を悩ませるのはやはり献立でしょう。本書では、朝、昼またはお弁当、夜のメニューを3週間分掲載し、またシーンごとにレシピが構成されているので、忙しいとき、パーティーシーンでのおもてなしごはん、そして普段いただく毎日の食事の参考になります。特におすすめしたいのは、お料理を基礎から学びたい方や、しっかり栄養のあるものを考えて毎日の食事を作りたい方です。
 

著者
ワタナベマキ(サルビア給食室)
出版日
2009-11-24

本書では、献立の工夫からおもてなしのセッティング、赤ちゃんの離乳食づくりのQ&A、冷蔵庫の中の内容から作れるメニューを想定した逆引きINDEXなど、元デザイナーらしい親切な視点から構成されています。また、合い間に日常のことを綴った短いコラムが挟まれており、ワタナベマキの温かい気持ちが伝わってきます。

メニューも、甘じょっぱさと酸っぱさが後を引く「かぼちゃの甘煮となすのマリネのあえもの」、柔らかく上品な甘みの「さつまいもと白みそのスープ」、忙しい朝に手早く、さらにしっかりヘルシーにいただける「蒸し鶏のサンドイッチ」など、ほっこりするものばかり。

作り方は、はじめにストック食材として肉や、野菜の下ごしらえをして冷蔵庫で3〜5日保存、使うときに取り出して、醤油やビネガーでアレンジすることで、1週間で同じ食材を使っても、飽きのこないメニューが使いこなせるというもの。この一冊で、夕方スーパーへ行って、食材の旬や値段、家族の栄養をあれこれ考えながら、献立に頭を悩ませることはなくなります。

時間と食材を、毎日ムダなく使うための救世主レシピ

食材を買ったのはいいけれど、微妙に余ってしまって、使い道がないまま消費期限が過ぎて、捨ててしまったことや、ついつい乾燥わかめやひじきなどを多めにもどしてしまい余ってしまうこと……なんてありませんか?

そんなお困りのあなたにおすすめなのが本書。食材を多めに買っておいて、下ごしらえだけ済ませておけば、明日のメニューも時短で作れる、それがこの本のコンセプトです。
 

著者
ワタナベマキ
出版日
2016-06-29

明日のおかずを今日の夕飯と一緒に作るとき、難しい作業は要りません。肉や魚はパックから出したら、味付けしておいて冷蔵や冷凍へ、野菜も蒸したり、塩で揉んでおくだけのストック食材を作り、和洋中にアレンジするだけで、時短でバランスのいいレシピが用意できます。

例えばストック食材の「豚肉のねぎ塩漬け」を使って、今日の夕飯に「豚肉ともやしのねぎ塩いため」と、また明日のおかずに「豚肉のれんこん巻き」を作るためのレシピが分かりやすい説明で載っています。特売で買った、量が多めに入っている食材のアレンジにも便利ですね。

冷蔵庫の余った食材をなんとかする一冊!

本書は副菜がメインの本です。一つのレシピに対して、基本的に一つの野菜から作ることをベースとしています。メインのおかずはあるけど箸休め的なレシピがない、という食卓の悩みを解決できるでしょう。

家族一人ひとりの好物のおかずが違う、食べ盛りの子はたくさん食べたがるし、和食でヘルシーにしたのはいいけど、なんだか色が全て茶色で、見た目が地味……など、毎日の食卓やお弁当作りの困りごとを全て解決してくれます。
 

著者
ワタナベマキ
出版日
2017-02-24

野菜を色で分類すると、鉄やカルシウムなど必要不可欠な栄養を多く含むピーマンやほうれん草の「緑」、見た目をパッと鮮やかにするトマトやかぼちゃの「赤・黄・橙」、ビタミン豊富な大根やじゃがいもの「白」、さつまいもや紫キャベツの抗酸化作用の「紫」、コレステロールや脂肪の摂取を抑え、腸内環境をととのえる、きのこ類やこんにゃくの「黒」の5種類です。

5種類の色の野菜レシピが自在になったら、もう食卓の彩りに悩むことはなくなりますよね。いつも作るおかずから、彩り豊かな、目で見ても美味しいおかずへとレベルアップさせましょう。

冷凍保存をマスターして、ゆとりある時間を作る

時短レシピに必要不可欠なのは、冷凍庫をいかにフル活用するかに尽きるでしょう。本書では、ワタナベマキの著作の中で、いちばん簡単で真似しやすいものが紹介されています。

まず、食材のどれもがスーパーで安くまとめ売りで手に入るものばかりですし、調味料や調理器具も、一人暮らしの方でも持っているようなごく一般的なもの。ワタナベマキがていねいな暮らしを、いかに手際よくこなすことができるかを考えてきたということが分かるでしょう。

また、急な用事や、残業にも対応できるように所要時間15分で作れる平日の料理は、食材の下ごしらえと冷凍庫の活用をマスターすることから始まります。冷凍すると、味が落ちるような気がしてあんまり……と思う方は多いと思いますが、本書は手作りの冷凍食品の概念を変えてしまうほど。

著者
ワタナベマキ
出版日
2014-05-26

例えばじゃがいもを冷凍保存するのって、少し抵抗がありますよね?じゃがいもは冷凍するとぱさぱさになって、食感も味も台無しになってしまいます。お店のじゃがいもレシピがおいしいのは、急速冷凍されているからです。

そこを本書では、じゃがいもを冷凍でも美味しくいただけるように、粗く潰したものを冷凍にする、そのとき使う分だけを取り出しやすくするために保存袋の上から筋を入れておく、などのテクニックがふんだんに掲載されています。

じゃがいも以外にも、貝類、おから、ごぼう、かぶの葉など、冷凍にはなじみの少ない食材の保存方法が多く載っているので、冷凍庫の活用術がぐっと増えるでしょう。

身体が本当に必要としている献立と、センスの高い盛り付けをできるだけ簡単に学べるレシピ本ばかりです。自分の大切な方と何より自分自身のゆとりのために、ぜひ参考にしてみてください。

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