違和感と暮らすための3冊

違和感と暮らすための3冊

更新:2021.12.13

『世にも奇妙な物語』というテレビシリーズが小さい頃から好きで、放送がある日を指折り数えて楽しみにしていました。胸糞系、どんでん返し系、ホラー系など、回によって内容は様々でしたが、どの作品にもある程度の不気味さがありました。日常のひずみや、奇妙なものって時々とても魅力的に感じます。今回は私が愛している類の「違和感」をお裾分けしたいと思います。

独特の文学的歌詞で、女性の強さや心理を生々しく歌い上げる、孤高のミュージシャン。宮崎県出身。すべての曲の作詞作曲を務める。2016年4月6日に最新シングル「ふざけんな世界、ふざけろよ」リリース決定。同月からは6大都市ワンマンツアーを開催。7月1日にはリリース配信シングル「灯台」を発表。小説家としても活動中。2017年、小説現代2月号にて新作小説「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」を寄稿。4月19日に初の小説単行本『本性』を講談社より発売。一昨年発売された2ndアルバム『自由律』に完全限定盤としてパッケージされ、文藝界初め各方面で評価された長編小説『壁の鹿』も同社より文庫オリジナルとして発売された。また、喉の不調の為、昨年8月から休止していた音楽活動再開を告知。2017年9月に復活ワンマン・ライブを開催する。 http://www.kurokinagisa.jp/ 黒木渚 ONEMAN LIVE「音楽の乱」 9月24日(日)【東京】渋谷O-EAST 開場16:00 / 開演17:00 / 料金¥4,800(1drink別) 10月7日(土)【福岡】スカラエスパシオ 開場17:00 / 開演18:00 / 料金¥4,300(1drink別) ※黒木渚のモバイルファンクラブサイトがオープン。詳しくは黒木渚オフィシャルモバイルファンクラブサイトへ。 http://sp.lastrum.co.jp/kurokinagisa/(スマートフォンのみ)
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晴れ女の耳

著者
東 直子
出版日
2015-04-25
童話のような短編を集めた本です。耳の中にいる豆粒サイズのおばさんの話、イボを取ってくれる神様のお話など、独特の世界が繰り広げられています。小さな頃に感じた罪悪感や、昔大人達に聞かされた言い伝えのように、久しぶりに思い出す懐かしいものものを噛み締めながら読みました。

アフターダーク

著者
村上 春樹
出版日
2006-09-16
大学生のマリ、その姉のエリ、トロンボーン吹きの高橋、ラブホテルで働く元女子プロレスラーのカオルなど、ユニークなキャラクターたちが登場する群像劇です。偶然高橋と再会したことで、ラブホテルで起きた事件に巻き込まれてしまうマリ。とある1日の深夜から夜明けにかけて繰り広げられたその一部始終が、時間の経過とともに描かれています。特徴的なのは「私たち」として登場する語り手です。空間や時間を自由に行き来して登場人物たちの物語を実況する彼らですが、その正体は明記されていません。彼らに対する意味づけが読者に委ねられているのもこの話の面白いところです。

奇子

著者
手塚 治虫
出版日
数ある手塚マンガの中でも、異彩を放つ1冊です。由緒ある名家の末娘として産まれた奇子でしたが、その出生は大きなタブーとともにありました。奇子の秘密が露呈することを恐れて、過ちの連鎖が起きてしまいます。その結果、奇子は死んだことにされ蔵に幽閉されてしまうのです。世間と断絶された環境で成長する奇子のねじれた愛情感覚や常識に、哀しさと不気味さを感じる1冊です。
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