こぶしファクトリー広瀬彩海が「言葉選び」でピンときた本3冊

こぶしファクトリー広瀬彩海が「言葉選び」でピンときた本3冊

更新:2021.11.9

こぶしファクトリーの広瀬彩海です。私事ですが、8月4日で18歳になりました。今年の目標は表現力をつけることです。こぶしファクトリーの活動として、歌やダンスはもちろん、文章においての表現も更に幅広いものにしていきたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。 さて、とても暑くて外を出歩くのさえ億劫になってしまうこの季節。なるべく、荷物も軽く、小さくして街に出たいところです。そんな時に最適な比較的に頁数が少なくて、なおかつ読み応えのある本を今回はご紹介したいと思います。 著者の作風や私がお気に入りの本を見つける一つの手がかりとしている「言葉選び」という観点からも紹介させていただいているので、ぜひ最後までお付き合いください。

ブックカルテ リンク

言葉にこもった温もり

著者
有川 浩
出版日
2009-06-27

もともと有川浩さんの作品が大好きで、愛読させて頂いているのですが、この作品は特に、有川浩さんの“言葉にこもった温もり”が感じられる作品になっているなあと感じました。

私は普段、ミステリー小説を読むことが多いのですが、有川浩さんの著書は読み切りやすい頁数のものが多い上に心が温まるような物語が多いので、私はホッと一息つきたい時に読むことが多いです。

レインツリーの国は「本」が一つのキーワードになっているのですが、有川浩さん、本と続いて連想する方が多いのは「図書館戦争シリーズ」だと思います。ですが、図書館戦争とは全く違う「本」の世界を見せているのがこのレインツリーの国です。

本から始まる出会いやひとつひとつの本に込められたそれぞれの思い、本を見て蘇る記憶……さらに読書愛が深まるような一作です。

意外なアプローチで読者を魅了する

著者
乾 くるみ
出版日
2012-05-10

『イニシエーションラブ』の作者、乾くるみさんの恋愛ミステリー小説です。乾くるみさんの小説で一番驚くのは、「この本がミステリー小説だということ」までをも謎解きとしてしまうところなのではないかと思います。『イニシエーションラブ』はもちろんですが、何も知らずに読んでいると、何の変哲もない恋愛小説なのです。

ミステリー小説は、「そういうことだったの!?」「この人だったの!?」と、結末で思うのが普通です。でも『セカンドラブ』は「この本、ミステリーだったの!?」から始まります。そこから、今まで疑う余地さえなかったような出来事からぽろぽろと紐解かれていくように全てが明かされるのです。

『イニシエーションラブ』は結末が始まりであったのに対して、『セカンドラブ』は読んでいる最中も「本当はこうなんじゃないか?」という推測が頭の中を飛び交います。

他の小説家さんとは全く違う方向からのアプローチでたくさんの読者を魅了する乾くるみさんの作品。一冊読めば、また読んでみたいと思うこと間違いなしです。

言葉を楽しむための恋愛小説

著者
加藤 千恵
出版日
2011-02-09

私の中で恋愛小説を読むというのはストーリーはもちろんですが、「言葉を楽しむ」という目的があります。著者である加藤千恵さんは歌人としても活躍されていて、言葉の使い方や言い回しが繊細で、『ハニービターハニー』という小説の言葉選びがとても魅力的で他の作品も気になった時に見つけたのがこの小説でした。

ショートショートともいえる短いお話が37話も収録されています。一つひとつの言葉を噛み締めて、自分なりに受け取って味わう、そしてなにより「言葉を楽しむ」という点に関しては、この本は各話の最後に一つずつ短歌が載せられています。

切なくも温かいこの作品は読み手の今までの経験や年齢によって受け取り方が大きく変わって来るような作品なので、数年後に読むとまた違った楽しみがあるのではないでしょうか。

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