『ケンガンアシュラ』が面白い!最強キャラを最新24巻までネタバレ!

更新:2023.3.10

2020年1月、待望のテレビアニメ化が決定!異種格闘漫画の金字塔『ケンガンアシュラ』の魅力を、代表的なキャラクターと仕合を軸にご紹介していきます。熱い闘争が満載です!

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アニメ化漫画『ケンガンアシュラ』キャラクターの仕合を最新24巻までネタバレ紹介!無料で読める!

各企業が闘技者を雇い、その闘技者同士を各々の企業の要望を賭けて戦わせる拳願仕合。『ケンガンアシュラ』はその拳願仕合でみせる漢たちの暴力による闘いと、企業のトップが持つ政治力による闘いの様子を描いた漫画です。

2019年7月にNetflixでアニメの配信が始まりました。キャストには鈴木達央、チョー、中田譲治、内山夕実ら実力派の人気声優が名を連ねています。アニメでの、迫力の拳願仕合は注目です。

さらに。2020年1月10日にテレビアニメが開始されることが決定しました。テレビアニメ放送を記念して、コミック3巻分が700円(税抜)で読める、お買い得な特別パックが2019年12月19日販売されます。

1巻~3巻、4巻~6巻の3冊がなんと、それぞれ約1巻分の価格で購入できます。興味のある方はこの機会をお見逃しなく!!

著者
出版日
2019-12-19

 

主人公である謎の格闘家、十鬼蛇王馬(ときたおうま)をはじめとした格闘技者も個性的です。 プロボクサー、中国拳法家、柔術、プロレスラー、相撲といった格闘家もいれば、暗殺者、殺し屋、殺人鬼、傭兵といった、裏の実力者も登場します。どの仕合も誰が勝つのか、最後まで予想できません。

今回は、闘技者たちと仕合の見所を中心に作品の魅力をお伝えしていきます。

ちなみに、ヒロインに関してもお伝えしておきます。

この漫画、闘技者たちを雇う企業のトップもクセモノ揃いで、アンダーグラウンドでくり広げられる政治的な駆け引きも魅力となっているのですが、そこに食い込むうだつの上がらないサラリーマン山下一夫(やましたかずお)が、56歳のおっさんながら公式ヒロインです。

彼の人柄や、十鬼蛇王馬との出会いによって変わっていく様子も、この作品を楽しむひとつの大事な要素といえるでしょう。

 

漫画『ケンガンアシュラ』に見る男たちの熱き戦い【あらすじ】

暴力による闘争で商人の争いを収めることが起源とされる拳願仕合。江戸時代に発祥したその仕合は、現代でも継承されていて、各企業が利権・利益を賭けて雇った闘技者を戦わせる裏社会の闘技イベントとなっていました。

乃木出版に勤める山下一夫は、ある日乃木グループの会長、乃木秀樹(のぎひでき)に呼び出され、拳願仕合についての話を聞かされます。なぜ自分のような平社員をわざわざ呼び出し、そのような企業の裏の話をするのかいぶかしがる一夫ですが、そこに謎の格闘家、十鬼蛇王馬が登場し、一夫は乃木によって彼の面倒役を任命されてしまいます。そこから2人は、拳願仕合の闘争の渦へと足を踏み入れていくのです。

拳願仕合という非日常にあたふたしながらも、十鬼蛇と一緒に過ごし、だんだんと心の強さを得ていく一夫。そんな彼は乃木秀樹の計らいで、拳願仕合を運営する拳願会の次期会長を決める「拳願絶命トーナメント」に、十鬼蛇の面倒役という立場では無く、「山下商事の社長」というひとりの拳願会員としてトーナメントに参加することになってしまいました。

そして日常から離れた孤島に各企業の格闘技者が集まり、各々の仕合と政治的な闘争は、トーナメントが進むごとに加速していくのです。

最強キャラ1:史上最年少拳願闘技者、天才・今井コスモ【vs阿古谷清秋】

表の世界では普通の大学生ですが、裏の世界ではなんと14歳という史上最年少で闘技者となった天才、今井コスモ(いまいこすも)。主な格闘戦術は柔術をベースにしていて、絞め技がメインの、通称「絞殺王(キング・オブ・ストラングラー)」。

ただ彼の強さはそういった技術だけではなく、「ゾーン」と呼ばれる意識の集中や、相手の行動の予測など、センスとも呼べる要素が特徴となっています。

基本の性格は無邪気な子供なようで、格闘を純粋に楽しんでいる様子が印象的です。 そんな今井コスモですが、拳願絶命トーナメントの第2試合、警視庁機動隊隊長、通称「処刑人」阿古谷清秋(あこやせいしゅう)との一戦で、闘争を楽しむことよりも闘争に勝つことが好きなのだと気づきます。 

この仕合、今井コスモは身長171cm、体重68kg、対戦相手である阿古谷清秋は身長191cm、体重114kgと、その体格差がとても印象的です。

何よりこの阿古谷、1回戦では相手を圧倒してみせ、ダメージはほとんど無く、どう見ても優勝候補なのです。それに対して今井はどれだけ天才といわれても、この体格差で絞め技なんて通用するはずがないように思われます。

予想通り、中盤では阿古谷が今井の「ゾーン」を使用した技を封じ、優勢に。そこからじわじわと痛めつけ、今井はこれまでに無い恐怖心にかられ、その場を逃げたくなります。しかし負けたら次がないと気持ちを吹っ切ることで、最終的には血まみれになりながらも首を絞め落とすことに成功するのです。

恐怖を打ち消し体格差を覆した彼の姿は、漫画界でも歴史に名を残す闘いと言えるでしょう。

著者
["だろめおん", "サンドロビッチ・ヤバ子"]
出版日

 

最強キャラ2:我らが主人公・十鬼蛇王馬【vs呉雷庵】

この作品の主人公であり、謎の闘技者、十鬼蛇王馬。くせっ毛が特徴で、己の最強を信じる自信家で素敵なイケメンです。

「十鬼蛇区」とよばれる無法地帯出身で、時々みられる昔の回想で彼が過ごしている場所は、一体どこの日本だと思えるほどの危険区域。そこで二虎(にこ)という男に拾われ、その男の持つ謎の武術、「二虎流」を教わったことが十鬼蛇の格闘のベースとなっています。

戦闘スタイルはその二虎流を軸に、突き、蹴りともバランスの取れたオールラウンダータイプですが、そこに加え「前借り」という、意識的に心拍数を高めて運動能力を急上昇させる謎の技術も持っています。

ただこの「前借り」、ドーピングのようなものをイメージしてほしいのですが、当然副作用もあり危険なもので、それに頼った闘い方だけでは厳しいことがわかるのが、拳願絶命トーナメント2回戦、呉雷庵(くれらいあん)との闘いです。

ケンガンアシュラ 1 (裏少年サンデーコミックス)

2012年12月18日
サンドロビッチ ヤバ子
小学館

日本の裏側に存在する暗殺集団、呉一族。呉雷庵はその一族最凶の男で、通称「魔人」です。2人の体格にそこまで大きな差は無いのですが、十鬼蛇と違い凶悪に闘いを楽しむ呉の様子は、見る者に恐怖感と得体の知れない強さを感じさせるでしょう。

そんな呉に、十鬼蛇は二虎流の技で挑みますが、いくら技をくり出しても優勢にならず「前借り」を使います。しかし、呉一族にも「前借り」に似た技術「外し」という、同じようにリミッターを外す技術があり、ぶつかり合いのすえ、十鬼蛇は打ち負けてしまいました。

そこで十鬼蛇は、本来の自身のなかにある二虎流の技術を認めて、二虎の教えをひとつずつ思い出すことで、絶体絶命の後、勝利を手にするのです。

最強キャラ3:拳願仕合歴代最多勝利数闘技者・若槻武士【vsムテバ・ギゼンガ】

拳願仕合戦績306勝2敗の、若槻武士(わかつきたけし)。現役のなかでは最も古い闘技者で、40歳でありながら今回のトーナメントの有力優勝候補です。

戦闘スタイルは、一応空手を学んではいるものの、特定の技術に寄るものではなく、特出すべきはその異常なまでの怪力です。身長193cm、体重193kgという、え、1cmに1kgも入っているの?という程の異様な数値を叩き出しています。

体型的にはそれほど肥大していないのですが、「超人体質」と呼ばれるほどの筋繊維密度を、生まれながら持っていることが原因で、このような異常な身体的数値を誇っています。

その体質のせいか幼い頃は苦労があったようで、現在は基本的に温厚で、年上の貫禄があるかっこいい大人です。

ケンガンアシュラ 17(裏少年サンデーコミックス)

2016年09月09日
サンドロビッチ ヤバ子
小学館

そんな若槻は3回戦、比較的体型の近いムテバ・ギゼンガと対決します。身長199cm、体重122kg、年齢43歳と、数値を見ても近いものがあるのですが、ムテバは黒人の巨漢で、通称「虐殺者(ジェノサイダー)」の異名を持つプロの傭兵です。

彼もこれまでの闘いの中で、ある種のカリスマのようなものを放っていて、どちらが勝つのか予想がつきません。

仕合開始後、若槻が開幕からその怪力を使った猛攻で攻めますが、ムテバは比較的冷静に避けていき、喉に横から一発を加えます。ただ、若槻がとんでもないのは、彼の一撃がまるで必殺技のようなものであること。

ムテバの攻撃をくらい劣勢になるかと思われながらも、一発の突きを放ち、彼を闘技場の壁までふっ飛ばします。その後、生き残ることを優先したムテバは仕合を棄権し、この闘いで若槻は勝利を収めました。

最強キャラ4:黒き伝説の傭兵・ムテバ・ギゼンガ【vs関林ジュン】

前述したムテバ・ギゼンガ、その格闘スタイルは軍隊格闘術(サイレントキリング)をベースにしていますが、古代中国の暗殺術にも精通しています。実は盲目であり、傭兵としての技術だけではなく、盲目を補うための異常な聴覚の持ち主です。

「虐殺者(ジェノサイダー)」の異名だけではなく、「コンゴの死神」「伝説の殺戮傭兵」「アフリカの最強生物」など、物騒な異名を抱え、黒人の巨漢で全身にタトゥーを入れた恐ろしい容貌でありながら、スマートな魅力も兼ねそなえたナイスガイです。

そんな彼のスマートさが見えるのが、拳願絶命トーナメント2回戦、プロレスラー関林ジュン(せきばやしじゅん)との対決です。トーナメントどころか、拳願仕合初参戦のムテバとは対照的に、拳願仕合57勝1敗という戦績を誇るベテラン関林ジュン。

身長196cm、体重141cmで、体格的にはムテバと近いのですが、それ以上に、この2人、どちらも男性から好かれそうなキャラクターの対決であることがこの仕合の特徴でしょう。

ケンガンアシュラ 18(裏少年サンデーコミックス)

2016年12月19日
サンドロビッチ ヤバ子
小学館

この仕合、通称「獄天使」といわれる関林の、プロレスラーとしてのパフォーマンスから始まります。闘志むきだしの彼に対して、スマートに言葉を返すムテバ・ギゼンガ。

冷静に見せながらもムテバは開幕早々、関林に目潰しを仕掛けます。しかしパフォーマンスの様子とは対照的に、関林冷静に対処し、その後は自らのペースで闘いを進め、ムテバの聴力にもダメージを与えてきます。

何回も目潰しを仕掛けるムテバの攻撃はすべて処理されるのですが、そこはさすが傭兵、目潰しをフェイントにして心臓を狙った突きをくり出し、戦況を覆しました。

一気に絶体絶命に陥った関林ですが、自らを変えてくれたプロレスへの「今でも俺はお前に夢中だ」という想いから、何度も立ちあがります。そんな彼に敬意を示し、最期は気を失いながらも立ち上がった関林に、ムテバはプロレスのように3カウントをとりました。「虐殺者(ジェノサイダー)」の異名とは対称的なナイスガイです。

 

最強キャラ5:最速の闘技者・御雷零【vs根津マサミ】

暗殺拳「雷心流」の当主、御雷零(みかずちれい)。かつてその雇い主であるゴールドプレジャーの代表、倉吉理乃(くらよしりの)の暗殺依頼を受けるものの、彼女に一目惚れをしてしまい、そのまま彼女の闘技者となります。そんな経緯もあってか、やたらとに理乃甘える描写があり、威厳も何もあったものではありません。

しかし暗殺拳と呼ばれるだけあり、その習得に至るまでの様子を見る限り、並みの格闘家ではないようです。格闘スタイルの特徴は、高速な動きと手数で相手を仕留めるという、とにかくスピード重視のもの。拳願仕合のなかでも最速レベルなため、御雷の仕合は終わるのが早いです。

著者
だろめおん サンドロビッチ・ヤバ子
出版日
2017-12-12

 

拳願絶命トーナメント1回戦、対戦者は夢の国から来た男、根津マサミ(ねづまさみ)です。彼は身長221cm、体重111kgという高身長であり、栃木ディスティニーランドの大ファン。元々拳願仕合とは別の裏の格闘団体「毘沙門」の王者だったのですが、栃木ディスティニーランドのファンゆえに、そのマスコットキャラクターである「モッキー」になれるということで、代表闘技者になりました。
 

ネタのような設定とはうって変わって、長身を活かした鋭さ、重さ、速さを兼ね備えた蹴りを持つ格闘スタイルは強烈な武器で、ただの色モノでは無いと他闘技者にも評価されています。

対して御雷零は身長179cm、体重77kgと、2人のあいだにはかなりの体格差が。どのような仕合がくり広げられるのかと思いますが、まさかの4ページで終わってしまいます。開始早々御雷に向かっていく根津マサミ。次のページでは御雷の姿は無く、根津はあごを打ち抜かれ、「雷(いかずち)はかわせない」と言う御雷のセリフと共に倒れます。技の由来のごとく、雷の速さを誇る「雷心流」の特徴を表した仕合でした。

 

最強キャラ6:様々な因縁を持つ伝統ある闘技者・黒木玄斎【vs桐生刹那】

最強キャラ6:様々な因縁を持つ伝統ある闘技者・黒木玄斎【vs桐生刹那】
出典:『ケンガンアシュラ』19巻

沖縄発祥、殺人拳法「怪腕流」の使い手であり、暗殺者の黒木玄斎。その名前のごとく、黒い服装と黒いひげが特徴的です。実は十鬼蛇王馬の師匠である二虎とも面識があり、御雷零の父の敵でもあるなど、ほかの登場人物との因縁もある男です。

彼はとにかく強い。ほかの闘技者がある程度苦戦しているなか、どの仕合でも圧巻の勝利をみせています。

物語の定石をも覆すその圧巻ぶりが伺えるのが、拳願絶命トーナメント2回戦。対戦相手は十鬼蛇と因縁がある桐生刹那です。孤影流という武術を使用する桐生は、遠くから見ただけで相手の技を盗めるなど、格闘センスでいえば拳願絶命トーナメントの中でもトップクラスです。

底知れぬ強さを持ち、その異常なまでの十鬼蛇への執着心を見る限り、彼と十鬼蛇はどこかでぶつかるライバルなのでしょう。

そんな桐生の師匠とも旧友ともいえるのが黒木玄斎。彼らの対決は、終わってみれば、終始黒木の手のひらの上でした。桐生の猛攻に対しても全く動じず、彼が見ただけで会得した二虎流を用いて攻撃を仕掛けてきても、冷静でぶれることがありません。黒木は最後、左手を囮にしながら右手で決定的な一撃を放ち、勝利を手にしました。

最強キャラ7:英はじめ【vs坂東洋平】

1回戦で負けた?ながらもその強烈なインパクトと怪しさから人気が高いのが英はじめです。普段はフリーランスの医者として働いているものの、本当の正体は政府御用達の始末人。そのほかにはほぼ情報がなく、とにかく怪しい人物です。

帝都大学に所属している競技者であり、今回出場した目的も定かではありませんでした。

見た目は引き締まった筋肉をしているものの他出場者と比べるとひょろひょろ。濁った目と薄ら笑いが気色悪いポーカーフェイスの男で、倫理観はほぼないに等しいサイコパスです。

作者曰く「理性で狂気をコントロールしている狂人」とのことで、その恐ろしさは折り紙つきです。

著者
出版日
2015-06-12

そんな英が戦うのは、史上最悪の死刑囚、「血染めの象牙」と呼ばれる坂東洋平。ふたりは1回戦で顔を合わせます。

素手による大量殺人を行った犯罪者である坂東は、超軟体体質で、各関節の稼動域の広さが異常です。また身長201cm、体重147kgという筋骨隆々な体格の持ち主でもあります。

彼は関節の可動域が一般的な人間とは異なり、自由自在に動かすことができます。そのことによって急所を外すことができるというのです。

それにより、今まで45回も絞首刑になっているにも関わらず、一度も死ぬことはありませんでした。

そしてついに始まるふたりの仕合。序盤は英が優勢でした。彼が会得した「霊枢禽拿術(れいすうきんなじゅつ)」という『北斗の拳』のような技を繰り出します。それは指先で経絡経穴を突くというもの。

しかし屈強な筋肉と軟体人間のような特性を持つ坂東にはそれが通用しません。英は最後にうなしの秘孔を突くのですが、相手にダメージを与えるどころか、自分の指がぐにゃぐにゃに折れてしまうのです。

しかし英は痛覚がないのか平然としており、自分の骨から作ったという剣を出して戦い始めるのです。もはやふたりの戦いは人間のものではないような様相を呈しています。

英はそのほかにもかかとに高圧ガスを仕込んでおり、それを利用した蹴りをかまし、一瞬の隙をついて至近距離でみぞおちを攻撃。しかしやはり人間とは思えない可動域で脊髄を移動させたことにより、坂東は無傷。

そのまま至近距離に近づいたことがアダとなり、逆に首をへし折られてしまいます。そしてそのまま坂東が勝利となるのです。

しかし驚くべきはここから。英は仕合後に首を一捻りしてもらっただけで生き返るのです。

実は彼の目的は坂東を殺すこと。彼に無事毒を盛ることに成功し、仕合には負けたものの、勝負には勝ったのです。トーナメントに勝ち進むことが目的でもないので、反則もいとわないのですね。

見た目通り一筋縄ではいかない英はじめ。彼の恐ろしさが垣間見られる仕合です。

 

最強キャラ8:飄々として得体の知れない中年闘技者・初見泉【vs坂東洋平】

軟派な女好きの中年で、「初美流合気道」の使い手、初見泉(はつみせん)。拳願仕合39勝15敗という戦績ですが、負けの理由が寝坊9回、バックレ4回、ド忘れ2回という、素行に問題がある闘技者です。

しかしその実力は折り紙つきで、相手の技を見切る力が凄まじく、その飄々とした態度はまったく底がしれません。

その初見と並び、得体の知れない格闘スタイルを持つのが、坂東洋平です。英はじめの毒牙にかかったものの、何とか復活した人物です。ふたりは拳願絶命トーナメント2回戦で顔を合わせます。

著者
出版日
2017-02-10

一方の初見は、身長178cm、体重80kgと大きく体格差があり、坂東の鞭のようにしなる腕の攻撃に、仕合開始直後は警戒して懐に入れませんでした。
 

しかし、動きの見切りに優れた初見は、無駄とも思えるほど動きまわりながら、坂東の攻撃を読み切ります。最後は骨に技をかけて腕を折り、そこから流れるように初見流合気道「百会投げ」をしかけて坂東の全身を宙に浮かせ、頭から地面に突き落としました。
 

最強キャラ9:金田末吉【vsガオラン・ウォンサワット】

最強キャラ9:金田末吉【vsガオラン・ウォンサワット】
出典:『ケンガンアシュラ』14巻

 

そのオーラはあまりに平凡で、本当にこいつ戦えんのか?と読者に疑問を持たせたのが「大物喰い」の金田末吉。彼は普通の学生生活を送ってきた普通の人物ですが、なぜか高校時代には「地味野高校出身四天王最強の男」と呼ばれていました。

彼以外は運動部の見た目からして喧嘩の強そうな人物なのですが、なぜ彼が最強なのでしょうか。他3人にそれぞれの競技で圧倒的勝利を納めた彼の秘密がこの仕合で明らかになります。

そんな金田が戦うのがガオラン・ウォンサワット。世界的プロボクサーで「タイの闘神」と呼ばれるガオラン。タイ王国政財界の支配者、ラルマー13世のボディガードです。

ふたりが並ぶとその体格の差は歴然。序盤からガオランの猛攻一色です。普段から無表情なガオランですが、金田がボコボコにやられて彼だけ表情を変える様子が痛々しいです。

ガオランがその流れでジャブを繰り出し、金田は一瞬脳震盪を起こしたかに見えました。そのままストレートをお見舞いするガオラン。しかし彼の腕を金田が掴み、「紅人流 天地返し」という必殺技でその巨体を地面に叩きつけるのです。

金田の技が決まった瞬間でしたが、ガオランは受け身も習得しており、そのまま間髪入れずにパンチをぶち込みます。そしてさらに一方的な攻撃を続けるガオラン。

しかしボディーブローを決め、あと一歩でトドメをさせるというところで金田は背を向けられてしまうのです。

実はこれはガオランなりに彼を認めたということの現れ。今まで八百長や挑発など、勝負とは関係ないところで駆け引きをしようとする表のボクシング界に辟易していたのでした。

それゆえにまっすぐにぶつかってくる金田を真の格闘者だと認めたのです。

しかしそれに納得のいかない金田は「それがアンタのやり方かよ?」と詰め寄ります。それにガオランは本人も分かっているとはいえ、自分たちの間には歴然とした実力差があることを諭します。

しかしそれに対し金田は持てる力のすべて振り絞り、彼にこう叫ぶのです。

「『弱者』が『最強』目指して何が悪いんだよ!!??」(『ケンガンアシュラ』より引用)

そんな彼の叫びを聞いたガオランの友人・鎧塚サーパインがそれに呼応するように戦ってやれ、と叫び、ガオランを促します。

そこからやっとガオラン本気を出します。しかし絶体絶命にも関わらず、なぜか金田は「これで『予測』が使える」とほくそ笑んでいるのです。そして「紅人流 陰陽交差構(オンミョウコウサノカマエ)」という構えをし、ガオランはボクシングのファイティングポーズをとります。

実は金田の能力は「予測」。一流の棋士のように戦いの最善手を脳の尾状核を働かせて導き、相手の動きを先読みしてきたのです。今まで彼はそれによって高校での四天王最強の名をほしいままにしてきたよう。

そして今、ずっとシミュレーションしてきた本気になったガオランが目の前におり、やっと自分の能力を活かせる時がきたと言っているのです。

それまでとはことなり、それぞれが互角の攻防を見せる仕合展開。スピード感ある打ち合いの合間にスローモーションのような画もさしこまれ、緩急のついた流れになっています。

しかしガオランの攻撃ラッシュが続き、金田は防戦のみに。そしてついにガオランの一撃がヒット!

しかし金田も倒れながらも突き上げるように彼を蹴り、そこにガオランがストレートを打ち込み……。

勝者はやはりガオラン。最後に「良き戦いだった。今は眠れ 強敵(とも)よ」と言って去っていきます。

ガオランの無表情な雰囲気、鉄壁の強さ、意外に格闘技には潔癖で熱いところもかっこいいですが、そんな彼に無理だと分かっていてもぶつかっていった金田の言葉も熱いもの。

超人ばかりがいるなかで平凡ということが逆に光ったキャラクターが金田末吉なのです。

 

最強キャラ10:最強の牙・加納アギト【vsガオラン・ウォンサワット】

拳願仕合の帝王であり、最強の闘技者、加納アギト(かのうあぎと)。拳願仕合では157勝0敗という異様な戦績を誇っています。

礼儀正しく真面目な印象で、普段は無表情ですが、闘争心が高まった時には不気味な笑顔を見せます。特定の格闘術を持っているというよりは、圧倒的武力によって相手を制圧する格闘スタイルです。

著者
出版日
2015-10-09

 

そんな拳願絶命トーナメントの最有力優勝候補である彼が恐怖を感じたのが、2回戦、ガオラン・ウォンサワットとの闘いです。こちらもトーナメントの有力優勝候補の人物であり、2回戦で戦うなんてもったいない、とも思えるこの仕合ですが、内容は打撃メインで、とてつもなくスピード感のあるガチンコ仕合でした。
 

加納は暴力で相手を制すことが主義なのですが、この仕合ではガオランの格闘スタイルによりボクシングでの闘いを余儀なくされます。普段ではあり得ない駆け引きを用いた闘いに、加納も苦戦します。しかし、徐々にガオランのスタイルに順応し、対抗策を見つけて反撃していくのです。

この2人の殴り合いは、とにかくとてつもないラッシュの応酬なのですが、その最中、偶然加納の肘に拳を入れてしまい、ガオランが負傷してしまいます。そこから形勢が悪くなって力負けしてしまうのですが、拳を負傷しながらも猛攻をやめない彼の勢いに、加納は初めて恐怖します。

2回戦にして最有力優勝候補である加納がここまで追い詰められる、拳願絶命トーナメント。この先の展開がさらに読めなくなる一戦でもありました。

 

 

『ケンガンアシュラ』最新24巻の見所をネタバレ紹介!

さて、ここからはさらに本作の見所をストーリーからお伝えしようかと思います。24巻のネタバレを含むので、未読の方はご注意ください。

3回戦の御雷と黒木の試合が終了し、ついに「今大会最大」と言われる人物がぶつかり合います。なぜなら現在トップの片原滅堂と、大会を主催した乃木英樹の選手が直接対決をするから。

ふたりは仕合を前にして、あることを話します。それはこの大会が開催された本当の理由。それは意外すぎる、ある人物ひとりのために行われていました……。

著者
出版日
2018-04-12

そしてついに初見泉vs加納アギトの仕合が始まります。実は、その前に初見は、十鬼蛇に手合わせをお願いしていました。

「一丁、俺と組まねえか? ”牙”を倒す為に」
(『ケンガンアシュラ』24巻より引用)

そのあとの十鬼蛇とのウォーミングアップで、試合前から自分のトップギアまでコンディションを持ってきた初見。体格差は歴然ですが、仕合開始から相手の動きを読み、攻撃をかわします。さらに初見の猛攻が繰り出されるのですが、そこから加納がまさかの反応を示してきて……。

さらに戦いの決着のあとは、山下がまさかの失踪をします。迫力の仕合展開ももちろんですが、その裏で複雑に絡み合ったそれぞれの思惑からも目が離せません!詳細はぜひ作品でご覧ください。

 

熱い漢たちによる異種格闘漫画『ケンガンアシュラ』。企業の利権を賭けた闘いも描くことで、ほかの作品とはある意味一線を画しており、格闘漫画のなかでは格別におすすめです。

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