ダイアナ妃にまつわる逸話7つ!事故で不慮の死を遂げた彼女の素顔とは

更新:2021.11.9

若くしてこの世を去った悲劇のプリンセス、ダイアナ。衝撃的な死についてクローズアップされることが多い彼女の人生はどのようなものだったのでしょうか。おすすめの本とともにご紹介します。

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居場所を探し続けたプリンセス、ダイアナ妃とは

のちのプリンセス・オブ・ウェールズ、ダイアナ・フランセスは、1961年7月1日、イギリスの名門貴族スペンサー伯爵家の令嬢として生まれました。8歳のときに両親が離婚。学校ではスポーツの才能に恵まれ、友達も多かったのですが、幼い時に両親から十分な愛情が得られなかった彼女は、生涯をかけて、愛されたいと願うようになったといわれています。

1977年、16歳のときに、後の夫となるチャールズ皇太子と初めて出会いました。このときチャールズは姉の交際相手で、特に恋愛関係になるようなことはありませんでした。その年の終わりにスイスの花嫁学校に入学しますが、6週間後には帰国しロンドンでひとり暮らしをはじめます。

2年後、パーティーで再会したことをきっかけに皇太子と親しくなり、1981年2月に婚約、7月29日に結婚式を挙げました。このときダイアナはわずか20歳です。翌年には皇太子とともにケンジントン宮殿で生活を始め、ウィリアムとヘンリーの2人の王子も授かりました。そして彼女の新しいファッションや積極的な慈善活動は、英国民の注目の的となります。

しかし、いくら貴族の出といっても「普通の女の子」から皇太子妃となった彼女は、王族の暮らしにストレスを抱えていました。生活や公務について、皇太子と考えが合わず、すれ違っていきます。皇太子は別邸で過ごすことが増え、愛人カミラとの仲を深めていきました。ダイアナはストレスから摂食障害になり、自傷行為にはしります。

1992年、ついにダイアナと皇太子は別居生活に入り、1996年に離婚が成立します。15年の結婚生活でした。離婚後彼女は慈善活動への取り組みを本格化させ、ひとりの女性として恋愛活動も積極的に行いました。

そして運命の1997年8月31日深夜。彼女と恋人のドディの乗っていた車が、マスコミをまこうとして運転を誤り、交通事故で突然この世を去ったのです。遺体はイギリス王室が引き取り、女王もテレビカメラの前で弔意を表明、準国葬である王室国民葬が執り行われました。事故後、パパラッチという言葉が急速に広まり、問題視されます。

愛を与え、愛を望んだ36年の短い生涯。ダイアナはいまだ国内外から人気が高く、死後も彼女のためにコンサートが開かれたり、特別番組が放送されたりと、永遠のプリンセスとして人々の心に刻まれています。

ダイアナ妃にまつわる逸話7つ!

1:結婚前からマスコミに追いかけられていた

結婚前、チャールズ皇太子と仲を深めていくなかで、彼女はジャーナリストに見つかり、事実上私生活がなくなってしまいました。パパラッチたちが家や職場の幼稚園にまでおしよせたのです。

カメラマンから逃れるためにバスに飛び乗り、バスが渋滞に巻き込まれると、降りて近くの店に駆け込んだことや、おとりを使ったこともありました。彼女の母親がタイムズ紙あてに抗議の手紙を書き、国会議員がダイアナに対するマスコミの扱いを遺憾だと動議を提出して、採択されるほどの加熱っぷりでした。

2:グレース・ケリーと交流があった

結婚前に開かれたバッキンガム宮殿でのレセプションに、伝説的な女優として活躍したモナコ公妃、グレース・ケリーも出席していました。見知らぬところから王宮に嫁いだという共通点もあって、ダイアナは彼女とすぐに親しくなります。孤立感や未来への恐怖などを吐露したダイアナにグレースが、「心配しないで。これからはもっとひどくなるわよ」と冗談を言ってなぐさめました。

その1年後、グレースが事故で亡くなったとき、彼女は葬儀に参列します。それが王室の人間としてひとりで海外に出かけた、最初の経験となりました。

3:摂食障害だった

彼女は摂食障害とたたかっていました。少女時代から兆候はあったという説もありますが、結婚によるストレスが大きいといわれています。

婚約発表のときには74センチあったウエストが、結婚式のときには58センチまで落ちてしまいました。結婚後も深夜に冷蔵庫をあさったり、ボール1杯のカスタードクリームを食べたりと、異様な行動が目撃されています。食べもので心の空白を埋め、吐くことで緊張を開放し、自制心を取り戻していたのだといわれています。

4:王子2人をふつうに育てようとした

彼女は王室スケジュールの範囲内ではありますが、息子たちをできるだけふつうに育てようとしました。乳母は雇いましたが、子育てにはまず第1にダイアナが関わることとされます。母乳で育て、自ら送り迎えをしたり、マクドナルドに連れていったりと、王子2人が一般的な感覚を身に付けられるようにと心を配りました。

5:エイズになった友人を5ヶ月にわたり看病した

彼女はエイズ問題などに積極的に取り組みましたが、友人のエイドリアンがエイズに感染したときには、彼を看取るまでひそかに看病を手伝いました。公務の合間をぬって頻繁に病室を訪れ、彼や、彼の看病をしているアンジェラと話をして支えあい、王子たちを連れていったこともあったのです。

エイドリアンが亡くなるまでの5日間は、王宮から早く帰るようにと催促されながらも、彼のそばを離れず、最期を看取りました。彼女は形だけでなく、本当の意味で人とつながっているプリンセスでした。

6:「妃殿下」の称号にこだわった

チャールズ皇太子と離婚する際、それまで「妃殿下」として務めてきた彼女は、その称号を維持できるように望みました。しかし、1700万ポンドの慰謝料と、セント・ジェームス宮殿執務室の維持費に年40万ポンドを受け取ること、ケンジントン宮殿へ居住し続けることなどは決まりましたが、「妃殿下」の称号は認められませんでした。

7:自分のドレスのオークションを行い、売上金を寄付した

離婚後彼女は、ドレスをチャリティーオークションにかけることを思いつきます。そして79着のイブニングドレスやカクテルドレスがオークションにかけられ、エイズや癌患者のための資金が300万ドル以上集められたのです。ただウェディングドレスだけは、オークションに出しませんでした。

 

元執事が語るダイアナ妃

著者のポール・バレルは、ダイアナ妃の結婚前からのバッキンガム宮殿で働いていて、彼女が亡くなるまで側に仕えてきました。

本書は、側近だからこそ語れる彼女の素顔が描かれています。

著者
ポール・バレル
出版日
2003-12-17

著者自身の人生も織り交ぜて書かれているので、王室に仕えるということがどのようなことなのか、スタッフについても知ることができます。ダイアナの死後、彼が王室の物を盗んだ疑いで裁判にかけられたくだりはリアルで迫力が感じられるでしょう。

ダイアナ妃について良いことばかり書いているわけではない点や、プライバシーや名誉にかかわることなどは関係者の名前を伏せ、これについては書かないと明言している点は、彼のダイアナ妃への敬意が感じられる良書です。

世界に衝撃を与えた暴露本

美しくファッショナブルで、現代のシンデレラのように思われていたダイアナ妃が、実は王室の暮らしに戸惑い、夫の愛に飢え、何度も自殺未遂をしていたほど苦しんでいた事実。彼女の素顔を初めて全世界に伝えた、衝撃の一冊です。

著者
アンドリュー モートン
出版日

この本がきっかけとなり、王室、そして彼女の運命は大きく変わりました。チャールズ皇太子との別居、離婚が成立し、自由で独立したひとりの人間となったのです。

ただ、単なる皇太子やマスコミ批判に終わる本ではありません。思いがけない立場になってしまった内気な若い女性が、想像を絶する苦しみのなかで自らの道を見つけていくという、光があるドキュメンタリーな内容になっています。

求められる自分と本当の自分のギャップに苦しむ人は少なくありません。彼女もそんな悩める女性のひとりだったのだと、勇気を与えてくれる本です。

唯一の生存者が語る真実

彼女の命を奪った事故で、唯一生き残ったボディーガード、ジョーンズを中心に、事故の前のダイアナや王子たちとの交流、事故の瞬間、そして事故後に彼の周りで起こったさまざまなでき事が描かれています。

著者
トレバー リース・ジョーンズ
出版日

あの事故はいったい何だったのか。唯一の生存者で、この本の作者であるジョーンズは記憶が途切れているといいます。しかし、ダイアナの恋人だったドディのボディーガードとして、彼女と過ごした時間は、彼にとってとてもよい印象のものだったことは間違いありません。

前半では、彼女が亡くなる前にどのように過ごし、どんな会話をしたのかがいきいきと伝わってきます。また事故の瞬間の描写はリアルで、息をのむほどです。

ダイアナ妃の知られざる恋人、ハスナット・カーン

本書は、パキスタン人の医師、ハスナット・カーンとダイアナの恋愛について、多くの人の証言にもとづきながら真実の愛であったと伝えるノンフィクションです。

著者
ケイト・スネル
出版日
2013-09-26

ダイアナの最後の恋人といえば、事故で一緒に亡くなったドディだといわれていますが、実はパキスタン人の医師、ハスナット・カーンこそ生涯を共にすることを望んだ相手でした。彼の愛を勝ち取るためにイスラム教への改宗も辞さなかったといわれています。

マスコミ嫌いで表に出ることのなかったカーンと彼女の物語を、彼らをよく知る人々の証言から描きだした一冊です。

ダイアナ妃に関しては、あまりにもたくさんの情報が出まわり、書籍も多く出版されています。何が真実なのかは、私たち自身が判断しなければいけません。世紀のプリンセスの人生をぜひ、目撃してください。

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