エアプランツとは?種類や育て方、おすすめ本をご紹介!

更新:2021.11.10

「エアプランツ」という言葉は聞いたことがあってもなかなか手を出せないでいる方も多いのではないでしょうか?今回は、そんな不思議な植物の魅力をご紹介いたします!

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エアプランツとは

エアプランツは、インテリア、テラリウムなどに使われることの増えてきた不思議な植物です。正式名称を「チランジア(ティランジア)」といいます。

「エア」と名前がつくだけあって空気中のわずかな水分を吸収し、他の植物や樹木、岩肌など、土のない場所で生息することができます。種類によっては多肉植物とよく似た姿をしているものもありますが、まったく別の植物です。

エアプランツは、葉の全体が「トリコーム」と呼ばれる白い毛に覆われています。そのトリコームが多く、銀色がかったように見えるのは「銀葉種(ぎんようしゅ)」。もう一方は、比較的トリコームが少ないため緑色に見える「緑葉種(りょくようしゅ)」です。

大きく分類するとこの二つのタイプにわけることができますが、その種類を細かく分類すると、なんと600種類以上にもなります!

見た目がかっこいい!銀葉種

銀葉種のエアプランツは比較的明るい場所を好み、乾燥に強いです。逆を言えば水分の多い場所が苦手なので、水やりの頻度などは気を付けて、少なめにしてあげるのがよいでしょう。

銀葉種には以下のような種類があります。

 

  1. イオナンタ
     
  2. キセログラフィカ
     
  3. アルベルティアナ
     
  4. テクトラム
     
  5. パレアセラ
     
  6. ストレプトフィラ
     
  7. ウスネオイデス
     
  8. カプトメデューサ

 

華やかな見た目が多い緑葉種

緑色が鮮やかで、目にも華やかなのが緑葉種。こちらは銀葉種とは逆に日蔭を好み、乾燥に弱い植物です。水やりは頻繁に行い、乾燥から守ってあげましょう。

緑葉種には以下のような種類があります。

 

  1. スクリプタ
     
  2. プルボーサ
     
  3. プッツィー
     
  4. キアネア
     
  5. フィリフォリア
     
  6. ブラキカウロス
     
  7. トリコロール
  8. ブッツィー

 

エアプランツの育て方のコツ

先ほど紹介した「銀葉種」と「緑葉種」では育て方に少し違いがありますが、基本的にはどちらも同じような育成環境で問題ありません。

また、エアプランツという名前で「水やりが要らない」と勘違いされる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり植物です。水やりは必須なので、気を付けましょう。

■場所

室内で育てる場合は風通しさせよければ、暗くても明るくても問題はありません。しかし、より健康に育てるためには、自然の環境に近づけてあげる必要があります。基本的には湿度が高く、太陽と風を浴びることのできる環境で成長していきます。そのため、季節ごとに置く場所を変えてあげるのがよいでしょう。

・夏など暖かい季節

最高気温が30℃を超えるような熱い季節になってきたら、出来るだけ日の当たらない涼しい室内に避難させてあげましょう。陽のあたりすぎは枯れる原因に繋がります。

・春から秋にかけて

最高気温が9℃を超えてきたら、直接日差しの当たらないベランダなどの野外に出してあげましょう。夏のように最高気温が30℃を超えてきたら室内へ移動します。

・冬などの寒い季節

最高気温が9℃を下回る程寒くなってきたら室内に避難させ、陽の当たる窓際(レースカーテン越しでOK)へ移動させてあげましょう。

■水やり

エアプランツは比較的乾燥に強い植物ですが、お水が大好きな生き物です。霧吹きなどを使って葉っぱ全体がしっとりするまで水をかけてあげましょう。野外の場合はジョウロなどを使って水やりをしても大丈夫です。特に緑葉種は乾燥が苦手なので、銀葉種よりもマメに水やりをすることを忘れないでください。

ただ、ここからが少し難しいところです。エアプランツはお水が大好きですが、2日以上株が湿ったままになると腐ってしまうという繊細な植物です。水やりをした後は風通しのよい場所へ移動させ、余分な水分が飛ぶようにしてあげましょう。

ソーキングのやり方とタイミング

そもそも「ソーキング」とは何なのかを簡単に説明させて頂きます。

旅行などで長期間家を空けていると、十分な水分を得られなかったエアプランツがしおれてしまい、水やりだけでは回復しない場合があります。そんな時におこなうのが「ソーキング」です。
 

エアプランツの株全体を水を張ったボウルや洗面台などに浸しておく事で、元気を取り戻させてあげる事ができます。

ソーキングは約6時間を目安に行い、12時間を超えないように注意してください。あまり水に浸し続けると、エアプランツが窒息してしまいます。また、真冬の寒い時期におこなう事も避けましょう。

エアプランツを飾るコツ

土のいらないエアプランツは、インテリアとしてさまざまな飾り方ができます。可愛らしい小皿に乗せておくだけでも、お部屋やベランダ、お庭などに彩を加える事ができます。

また現在はお店で、吊るせる形の網カゴなどもありますので、天井などから吊るしたカゴにエアプランツを入れてみるだけでもよいでしょう。同時に風通しも確保できれば、より長く健康でいられます。

多肉植物とも相性がいいので、同じ鉢に入れるなどして、ボリューミーで目を引くインテリアにするのも素敵かもしれません。

また、後の本の紹介で詳しく説明させて頂きますが、ガラスの入れ物などで植物を育てる「テラリウム」にもうってつけの植物だと思えます。

エアプランツをもっと知るための本

エアプランツの世界をもっと知り、その魅力を体感できるオススメの本を4冊ご紹介いたします。

おしゃれなエアプランツ図鑑!

本書にはとてもたくさんの種類のエアプランツと、その仲間たちも掲載されいます。

 

全編カラー印刷のため、単なる本というよりも「図鑑」や「写真集」に近いといえるでしょう。

 

著者
藤川 史雄
出版日
2013-06-19

とにかく、エアプランツ好きにはたまらない一冊です!

カラー写真から、栽培の細かな方法など、育てるために必要な情報が網羅されています。花が咲いた時の写真なども掲載されているので、育てる種類を選ぶ前の資料にしたり、自身のエアプランツの成長と重ね合わせてみたりするのもよいでしょう。

また、著者・藤川史雄のコラムでは、エアプランツへの愛情が語られており、思わず笑みがこぼれしまいそうな深い内容になっています。

初心者もベテランも関係なく、すべての方が楽しめるでしょう。

とにかくオシャレに飾ってあげたい!そんな方へ

育て方や知識に関する本はたくさん出てきますが、日常に落とし込めるテラリウム方法のはなかなか紹介されていませんよね?

「インテリアとして魅力的に飾ってあげたい」「どうせ育てるなら可愛い環境で育ててあげたい」そんなあなたにおすすめなのが本書です。

 

著者
勝地 末子
出版日
2016-06-30

そもそもテラリウムとは、植物をガラス容器や水槽の中に入れ、見た目や色合いが美しくなるように配置を考えながら育てる方法を指します。そこにエアプランツを落とし込んだのがこの本なのです。

主に書かれているのはそれぞれの植物の飾り方、どんな組み合わせで飾るとよいかなどですが、アレンジの仕方も少しだけ掲載されています。

エアプランツの栽培に慣れてきたら、本書を使ってテラリウムに挑戦してみてはいかがですか?

 

エアプランツの全てかこの一冊に!

一番最初にご紹介した『エアプランツとその仲間たち』と同じ作者によって書かれた本です。栽培方法はもちろんの事、開花のポイントや増殖方法などについても記された、上級者向けの内容となっています。

こちらもカラーの写真が豊富なため、「図鑑」や「写真集」としても楽しむことができるでしょう。

著者
藤川史雄
出版日
2013-07-24

『エアプランツとその仲間たち』よりも多くの種類が紹介されており、写真などによるビジュアルの情報も、読んで得られる学術的な情報もたくさんあります。種類の原産地や、真に適した環境などについても知ることができる、教科書のような一冊です。

これからエアプランツを育てる方にも、うまく増殖させられない、枯らしてしまう、着生させてみたい、などといった目的がある方にも、きっと貢献してくれる良書といえます。

初めてでも、エアプランツを可愛く飾りたい

こちらも、二冊めに紹介した『多肉植物、エアプランツ、苔、蘭でつくる はじめてのテラリウム』と似ていて、飾り方にスポットが当てられた本です。

品種ごとの育て方にも触れつつ、「いかに美しく飾るか」という部分に重きを置いた内容となっています。

著者
鹿島善晴
出版日
2016-09-28

飾り方にこだわりけど、いざ挑戦しようとするとなかなか難しい。レイアウトのアイディアが浮かばない。などという悩みは、はじめてエアプランツの栽培に挑戦した方の多くがぶつかると思います。そんな人々の悩みを解決してくれるのが本書です。

シチュエーション、または種類別に「こんな飾り方はどう?」と提案してくれるような一冊で、内容もそこまで難しくなく、簡単でオシャレな飾り方なども豊富に紹介されています。読んでいるだけでも楽しい気持ちにさせてくれるでしょう。

この機会に、テラリウムの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

はじめはちょっとした興味で本を手に取っても、読むうちにエアプランツの魅力の虜になり、気づいたらお部屋で栽培していた、なんてことがあるかもしれません。簡単なようでいて難しいテラリウム繊細さ、奥深さもまた興味深いところです。

紹介した本の中に、気になる一冊を見つけてもらえたら嬉しく思います。

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