『七つの大罪』好きにおすすめの漫画5選!

更新:2021.11.10

人気絶頂のファンタジー漫画『七つの大罪』。意外性のあるキャラクターや予想外のストーリー展開、そこでくり広げられるアクションなど魅力がたくさんあります。今回は同作が好きな方向けに、おすすめのファンタジー漫画を5作チョイスしました。

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生贄に捧げられ、絶望の底で足掻く黒衣の狂戦士

鉄塊の如き巨大な剣を背負った男、ガッツ。鍛え抜かれた肉体に刻まれた傷はダテではなく、彼は百戦錬磨の剣士でした。ある目的のために、「使徒」と呼ばれる人外の怪物を倒す旅を続けています。

かつての居場所であり、信頼できる仲間だった傭兵団「鷹の団」の団長グリフィスとの因縁に端を発した、ガッツの運命がそうさせています。

人間らしさの欠如した幼少期、それを取り戻した青年期、そしてそれらすべてを喪失した後に彼に残ったのは復讐心だけでした。ガッツとグリフィスの諍いが一国を左右し、さらには世界そのものを変革させる大きなうねりへと変貌していきます。

著者
三浦 建太郎
出版日

本作は1989年から「ヤングアニマル」で連載されている三浦建太郎の作品。日本が世界に誇る漫画文化のなかで、ダークファンタジーというジャンルの最高峰に位置する漫画です。

約30年にわたる長期連載となっている本作は、現在のところ大まかに5つの編に分けることができます。物語の導入部としてガッツの生きざまを見せる「黒い剣士」編に、ガッツの過去に遡って復讐の発端を描く「黄金時代」編、再び時間軸を現在に戻して因縁が収束する「断罪」編、そこから変革が起こる「千年帝国の鷹」編、変質した世界で生き延びる「幻造世界」編の5つです。

本作を最高峰のダークファンタジーたらしめているのが、特に黄金時代編と断罪編のストーリーにあるといえるでしょう。黄金時代の青春と栄光が一転し、影で起きてしまったすれ違いと挫折によって絶望的な結末へと向かっていく展開です。

その絶頂と絶望の落差があまりにも凄まじく、読者の心を掻き乱して消えない烙印のように感情の傷跡を残していくのです。

また、フィクションのファンタジー作品でありながら、こだわり抜かれた緻密な描写も見どころになっていて、架空の国ミッドランドからは中世ヨーロッパに通じる風俗を見てとることができます。

大質量がぶつかり合う迫力のアクションも魅力のひとつです。ガッツの代名詞である大剣「ドラゴン殺し」の破壊力は圧巻のひと言。

さらに敵方も負けていません。ガッツを上回る巨体に、神の下僕を意味する名を持つ怪物や、それを超越するゴッド・ハンドの暗躍……彼らは名前のとおり神の遣いなのか、それとも悪魔の化身なのでしょうか。この世界の混沌や陰惨な歴史、絶望感漂う様子を見るに、神と悪魔は同じものなのかもしれませんが……。

血風渦巻くガッツの行き先に、いつか希望の光は見えてくるのでしょうか。

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立ち上がれ、小さな勇者ダイ!

魔王ハドラーが勇者によって打倒されてから十数年。平和な世界に、新たな脅威が迫りつつありました。地上破壊を目論む魔王の中の魔王、大魔王バーンの出現です。

人里離れたモンスターだけの楽園、デルムリン島にも、その魔の手が迫っていました。島で唯一の人間であるダイには、次代の勇者となる素質があります。「勇者の家庭教師」アバンの導きで、ダイは大魔王軍との戦いを決意し、仲間とともに立ち向かっていきます。

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

本作は1989年から「週刊少年ジャンプ」で連載されていた三条陸原作、稲田浩司作画の作品です。

タイトルこそ、かの有名なRPG「ドラゴンクエスト」の看板を冠していますが、本作は単純なゲームのコミカライズではありません。ゲームの設定を下敷きにして、まったく新しい物語が展開されていきます。

主人公のダイは「竜の騎士」と呼ばれる戦士の末裔。感情が高ぶると、額にドラゴンを象った紋章が輝き、爆発的な力を発揮します。相棒のポップは第2の主人公ともいえるキャラで、序盤から活躍するダイとは対称的に、最初は情けないのですが尻上がりに成長していくのです。

登場する魔法はオリジナルもありますが、ゲーム由来のものも多数あり、それらからは漫画ならではの表現を楽しむことができます。ダイや後に仲間になるヒュンケルは、本作独自の技であるアバン流の使い手です。武芸百般に通じる元勇者アバン直伝の剣法や槍術で戦います。

ジャンプらしからぬ純粋なファンタジー作品ですが、俗に言う「友情・努力・勝利」はしっかりと踏襲されています。さらに踏襲しつつも上辺だけで終わらせず、これまでになかったストーリー展開に組み込むことで、連載当時から絶大な人気を博しました。

少年漫画の王道をいく正統派ファンタジーです。発表から30年近くが経ちますが、癖がないのでどなたにもおすすめできます。

いざ、魔法と冒険に満ちたおとぎ話のような世界へ!

そこは魔法が存在する世界、アースランド。無数の魔法と冒険が渦巻いています。

強い魔導士を志す少女ルーシィ・ハートフィリアは、偶然立ち寄った港町ハルジオンで、とぼけた少年ナツ・ドラグニルと、喋る猫ハッピーと出会いました。

世界に数多ある魔導士ギルドのなかでも、屈指の実力と悪評で有名なのが「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」です。ひょんなことからナツがフェアリーテイルの強力な魔導士であると知ったルーシィは、彼の取りなしでギルドに加入することになりました。

フェアリーテイルは想像以上の無茶苦茶なギルドでしたが、ナツと行動していくうちに、ルーシィもたくましく成長していきます。

著者
真島 ヒロ
出版日
2006-12-15

本作は2006年から「週刊少年マガジン」で連載されている真島ヒロの作品。作者の前作『RAVE』はキャッチーな絵柄とは裏腹にシリアスな作風でしたが、本作はエンタメ志向が強まった痛快アクションファンタジーとなっています。サービスシーンが増えているのもポイントです。

とにかく登場人物の大半が個性豊かで、愛すべきキャラクターばかり。主人公のひとりナツは楽天的で人懐っこく、もうひとりの主人公であるヒロインのルーシィは明るく元気で、でも少しキツいところもある少女です。魔法も使えて人間の言葉も話せる猫のハッピーは、マスコット的存在。物語は主にこの3者の視点で進行していきます。

そして忘れてはいけないのが、魔法によるバトルです。多彩なビジュアルと心理戦も交えた戦法と、ド派手な威力が魅力です。たとえばナツの操る「滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)」などは、その由来や名称から少年の心を否応なくくすぐりるでしょう。

世界中に散らばるギルドにも、それぞれ特色があります。正義のギルドもあれば、悪人だらけの悪徳ギルドもあり、またフェアリーテイルのような実力は折り紙付きだけど問題行動が多いところもあるのです。個別のキャラによる激突だけでなく、ギルド間の争いも見どころになっています。

そうした熱い展開から必然的に導き出されるのが、これまた熱い台詞の数々です。仲間を想う心中を吐露したナツの言葉や、彼の好敵手であるグレイ・フルバスターの絆を感じさせる名言により、物語はさらにヒートアップしていきます。

まさしくおとぎ話(フェアリーテイル)のような冒険譚が、ページの向こうに広がっています。

数字が絶対視される世界のヒロイックファンタジー!

かつて「廃棄戦争」といわれる戦いがありました。その大戦から300年の月日が流れたある日、街に旅人の少女陽菜(ひな)が現れます。彼女は母親の遺言で、5年もの間「撃墜王」なる人物を探していました。

陽菜が街について早々に出会ったのは、「-999」の数字を持つリヒトー=バッハという剣士です。人々が「カウント」と呼ばれる数字で上位下位に分けられる世界で、マイナスの数値を持ちながら、彼は飄々と生きていました。

撃墜王を探す陽菜の前に現れた謎の男リヒトー。その出会いは運命だったのでしょうか……。

著者
水無月 すう
出版日
2015-07-25

本作は2014年から「月刊少年エース」で連載されている水無月すうの作品。

人々が体のどこかに持つ数字が絶対という、異世界風ファンタジーです。このカウントの増減は個人で条件が異なり、たとえば主人公の陽菜の場合は100km歩くごとに1つ増えて、酒場の女主人ナナの場合は客に美味しいと言われれば増える、というようになっています。

カウント下位の者は上位の者に逆らうことができない仕組みですが、両者合意のもとにおこなわれる「星奪戦」という決闘でカウントを奪う下克上が可能です。

カウントがなくなってしまうと、地面が液状化して飲み込まれてしまいます。俗に「アビス送り」と言われる現象で、飲まれた人がどうなってしまうのかは誰にもわかりません。

そこで不思議なのが、リヒトーです。-999というカウント(ちなみに女性に振られた人数)を持つ彼は、なぜアビス送りになっていないのでしょうか?それは、カウントを別に持つことができるアイテム「バロット」のおかげでした。彼のバロットは、5700もの数字を持つ刀です。

リヒトーは、普段はどうしようもないスケベ根性のろくでなしなのに、戦闘となると超人的な戦いをみせます。いったい彼は何者なのでしょうか?

謎は他にもあります。人々を縛り支配するカウントの魔力、アビス、300年前にあった廃棄戦争、そして戦争を終わらせた撃墜王の正体は……?

マロニエ姫と7人のヘンテコイケメン!

8つの国がひしめく地方の真ん中に、マロニエという王国がありました。マロニエの女将軍バリバラには。7人もの息子がいます。彼らはいずれも劣らぬ美男子で、誰にも真似することのできない特徴や特技を持っています。

また7人とも同じ大義を抱いており、それはマロニエ王国のお姫様を助ける、というものでした。

マロニエ王国の建国2000年記念で、外交特使に任命された7人兄弟。果たして彼らは無事に任務をまっとうし、国を、姫を救うことができるのでしょうか。

著者
岩本 ナオ
出版日
2017-08-10

本作は2016年から「月刊フラワーズ」で連載されている岩本ナオの作品。少女漫画ということで、激しいアクションのないファンタジー漫画となっています。

その代わりに目を引くのが、主人公となるイケメンたちのちょっとおかしな設定です。まず名前を列記してみましょう。 

長男「眠くない」、次男「博愛」、三男「暑がりや」、四男「寒がりや」、五男「獣使い」、六男「剣自慢」、七男「ハラペコ」……これは女将軍バリバラが適当につけたのですが、名は体を表すという言葉どおり、彼らの名前が彼ら自身の力を表しています。

次男から七男までは読んで字の如くなので説明は不要でしょう。わかりにくいのは長男ですが、彼は自身が眠気に強いというだけでなく、周囲を眠らせてしまう能力の持ち主です。しかもまだ秘めた謎がありそうで、ひょっとすると他の兄弟も隠された力を持っているかもしれません。

そんな彼らが大使となって、7つの国に派遣されます。長男から順に「夜の長い国」、「好色の国」、「寒い国」、「あったかい国」……というように、それぞれ特性に合わせた場所へ行くことになります。

一芸(?)に秀でたイケメンたちが、その能力と機転と運で、長年険悪な関係にある隣国との摩擦をどのように解決していくのか、注目です。

いかがでしたか?『七つの大罪』とはまた違った意味の驚き、感動に出会える漫画ばかりです。興味の湧いた作品をぜひお試しください。

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