『BLEACH』好きにおすすめの漫画5選!

更新:2021.11.12

『BLEACH』は惜しまれつつも2016年に幕を閉じたスタイリッシュアクション漫画です。予想外の展開や、心をくすぐる技名が魅力的でした。今回はそういった『BLEACH』好きにぜひおすすめしたい、アクション漫画5作品をご紹介したいと思います。

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元祖死に戻り主人公! あの世経験は伊達じゃない!

札付きの不良少年だった浦飯幽助は、偶然居合わせた事故に介入し、見知らぬ少年を助けて死亡してしまいました。ところがこれは、人間の生き死にを司る霊界にとっては予定外のハプニング。そこで霊界は水先案内人のぼたんを派遣し、幽助に生き返るチャンスを与えます。

無事に霊界の試練を乗り越えた幽助は蘇るのですが、そこで放免とはならず、彼は現世での妖怪事件を担当する霊界探偵に任命されました。こうして幽助は数々のライバルと出会い、死闘を繰り広げながら、人間の負の面と対峙していくのでした。

著者
冨樫 義博
出版日

本作は1990年から「週刊少年ジャンプ」で連載されていた冨樫義博の作品です。漫画もさることながらテレビアニメの人気も凄まじいものがあり、2017年にアニメ版25周年を迎えたことで記念企画が大々的に行われたことも、ファンの方にはまだ記憶に新しいでしょう。

冨樫義博と言えば2018年現在も連載中の『HUNTER×HUNTER』が大人気作品ですが、そんな作者の名声を浮動のものとした大ヒット作が本作『幽☆遊☆白書』なのです。ステロタイプな不良少年のバトル漫画、と言ってしまえばありがちに聞こえてしまうかも知れません。

本作の特徴は、かの『ジョジョの奇妙な冒険』に次ぐほどの能力バトル要素にある、と言っても過言ではないでしょう。霊界探偵となった幽助や、その仲間達は霊気や妖気といったパワーを自在に使い、パワフルに戦います。序盤は力押しが見られるものの、話が進めば攻略に頭を使ったり、一筋縄ではいかない強力な敵役が多く登場したりするのです。

幽助以外のレギュラーキャラである桑原和馬、飛影、蔵馬も全員が主役級の人気と活躍を誇っています。どこを取っても魅力に溢れた不朽の名作と言えるでしょう。

溢れ出るエロスと最強魔法使い! クールな必殺技の原点

かつて世界は、科学と呼ばれる技術で「破壊神アンスラサクス」を生み出し、その結果崩壊していまいました。それから400年後。文明は魔法の力によって再興したのですが、破壊神の復活を目論む侵略の勢力が台頭してきます。

侵略者は主人公ルーシェ・レンレンとティア・ノート・ヨーコが住むメタ=リカーナ王国へと侵攻してきました。危機に陥る2人。実は少年ルーシェの中には、D・Sこと邪悪な大魔法使い「ダーク・シュナイダー」が封印されていました。

解放されたD・Sは欲望のままに破壊を繰り広げようとしますが、ヨーコにだけは頭が上がらず、渋々侵略者との戦いへ身を投じていくことになります。

著者
萩原 一至
出版日
2000-12-01

本作は1988年から「週刊少年ジャンプ」、「ウルトラジャンプ」などで不定期連載されている萩原一至の作品です。連載30周年を越える長期連載であるにも関わらず、しばしば連載が中断されるという、不名誉な側面でも有名です。

本作を語る上で外せない要素は大きく分けて2つあります。まず1つは、主人公D・Sの圧倒的な存在感です。あまりにも強い。そして、D・Sの操る(D・Sに限ったことではありませんが)魔法が非常に格好いいのです。例えば「爆裂」と書いて「ダムド」とルビを振るように、本作のそれは今では当たり前に行われている必殺技名の源流に当たるでしょう。

そしてもう1つは、お色気たっぷりの女性キャラの存在でしょう。とてつもなく肉感的かつ扇情的なキャラが多く、少年誌におけるギリギリの表現で人気を博しました。完全に余談ですが、作者自らがそんな大人気の女性キャラをフィーチャーした同人誌を発表していたりします。

さらには作者は洋楽好きらしく、固有名詞に洋楽関連用語を織り交ぜることが多々あり、現在でもまま見られるそういった趣向の走りと言えるかも知れません。

進化し続ける超大作ファンタジーアクション。本作にはまるのも今からでも遅くはありません。

運命に抗うSFアクション! 力を求めた先にあるものは……

高槻涼(たかつきりょう)は厳しくも優しい両親に育てられ、平凡な生活を送る高校生でした。ところが、転校生である新宮隼人(しんぐうはやと)が接触してきたことで、その暮らしが一変しました。彼らは2人とも、幼い頃に「ARMS」というナノマシン兵器を体に移植されており、秘密結社「エグリゴリ」にその存在を狙われていたのです。

運命的に引き合う涼達ARMS保持者は、自らの運命を切り拓くために、暗躍するエグリゴリとの暗闘に立ち向かっていきます。

著者
皆川 亮二
出版日
2007-06-18

本作は1997年から「週刊少年サンデー」で連載されていた皆川亮二の作品です。また、原案協力として漫画原作者の七月鏡一も関わっています。

本作の特徴、というか皆川作品にある程度共通していることですが、『ARMS』は王道の少年漫画でありつつもハードSFにも見劣りしない緻密な世界観が魅力です。当時はまだ一般的に目新しい技術であったナノマシンを中核にして、体の一部が武器になる、という漫画的な描写にSF的な説得力が持たせられているのです。

そしてネーミングもまた秀逸なのです。その多くをルイス・キャロルのおとぎ話や北欧神話などから取り込んでいて、最先端の技術にファンタジー要素が加わって、いわゆる中二病心に凄まじく訴えかけてくるのです。「魔獣ジャバウォック」、「魔王(セイタン)」、「スナーク狩り(ハント)作戦」、「神剣フラガラッハ」など枚挙に暇がありません。

それでいてARMSやサイボーグ、超能力者よりも、ただの人間が強かったりするのがたまりません。

徐々に進化していくARMSの謎、エグリゴリ(これも旧約聖書に登場する堕天使の名前です)の真意、そして涼達人間の運命。序盤から終盤まで目が離せない見所満載の作品となっています。

無敵の奪還屋とは彼らのこと! 物から人までなんでも取り返す!

東京の新宿には、表の顔とは別の「裏新宿」というスラム街がありました。そこで「奪還屋」を自称する若者、蛮(みどうばん)と天野銀次(あまのぎんじ)が活動しています。依頼とあればどこへでも、なんであっても取り返す凄腕の男達です。

あらゆるピンチを切り抜ける奪還屋の2人は、日々を食いつなぐために依頼をこなし、そのうちに自分達の出自や裏新宿の謎と向き合うことになっていきます。

著者
["青樹 佑夜", "綾峰 欄人"]
出版日
1999-08-17

本作は「週刊少年マガジン」にて1999年から連載されていた青樹佑夜原作、綾峰欄人作画の作品です。テレビアニメ化されるほどの人気作でした。

奪還屋の物語は基本的に、各話で登場する依頼者から問題が持ち込まれ、解決の過程で戦闘を行ったり謎を究明したりするという短編形式となっています。

「奪(と)られたら奪(と)り還せ」がモットーの奪還屋ですが、護衛や荷物運びも行うので、実質的な何でも屋状態。超凄腕で敏腕の仕事人にも関わらず、寝食には日夜困っているという残念な一面が笑いを誘います。そうかと思えば依頼者に関わる人情話もあって、笑いあり涙ありの贅沢な内容です。

また奪還屋には身体能力以上の秘められた力があり、その効果は破格なものばかり。2人は対象に幻覚を見せる「邪眼」、電気ウナギのように放電するなど、無数の能力を所持しているのです。当然、敵となるキャラも、奪還屋に相対するに相応しい怪物のような強敵が目白押しとなっています。彼らの派手なバトルは一見の価値ありです。

本作は軽妙洒脱、クールなコンビが送るクールな作品となっています。

吸血鬼アクションの金字塔! 怪物どもが覇を競う

舞台は20世紀末のイギリス。表向きには存在しない、非公式の組織がありました。新教プロテスタントの名の下に、人外の怪物を誅伐する王立国教騎士団、通称「ヘルシング機関」です。

団長インテグラ・ヘルシング率いるヘルシング機関は、グールや吸血鬼事件への対応を迫られていました。彼らは続発する事件に対して、切り札のアーカードを投入していきます。アーカードこそは、吸血鬼を狩る最強の吸血鬼でした。

頻発する事件はやがて「ミレニアム」なる謎の組織へと繋がっていきます。それはヘルシング家とアーカードにとっても長い因縁の相手でもあったのです……。

著者
平野 耕太
出版日

本作は1998年から「ヤングキングアワーズ」で連載されていた平野耕太の作品です。2001年に1度テレビアニメ化され、その後は2006年から原作ストーリーに忠実な完全版OVAが製作されました。

一般的な吸血鬼のイメージの祖である、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』。その設定を下地に敷いて、作者独自のナチス・ドイツ残党、宗教設定などを盛り込んだ極上のエンターテインメントです。

吸血鬼にして吸血鬼を殺す存在、というのは人と吸血鬼の混血(ダンピール)の物語として古来より語られてきました。本作の特徴は、アーカードが紛れもなく混じりっけのない吸血鬼であることです。

というかアーカードの名はアナグラムで、逆から読めば「ドラキュラ」となり、吸血鬼ドラキュラの元となったワラキアの串刺し公ヴラド・ツェペシュであることが示唆されています。つまり吸血鬼の総元締めであり、とにかく強いのです。あまりにも強すぎるため、主人公とラスボスをほとんど兼任するほどになっています。

そんなアーカードと強敵の怪物合戦も素晴らしいものですが、平野耕太節とも言える長口上の台詞がまたたまらなく魅力的なのです。サブカル史に残る名言のオンパレードをぜひとも実際にご覧下さい。

「ヘルシング」については<「ヘルシング」の魅力はキャラの名言にあり!平野耕太のかっこよすぎる世界観>の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

いかがでしたか? どれもが名作で是非読んでいただきたいのですが、長編ばかりなので全てとはいかないでしょう。もしこの中で琴線に触れた1作があれば、どうか手に取ってみて下さい。

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