「金色のマビノギオン」が無料!本格ファンタジー漫画の魅力をネタバレ紹介!

更新:2021.11.12

高校の修学旅行でイギリスにやって来た幼馴染のたまき・広則・真の3人。観光をしていた3人は突然アーサー王伝説の世界へと飛ばされ、そこでアーサー王を救う手助けをすることに。新たなアーサー王物語「金色のマビノギオン」がスマホで無料で読めますよ。

ブックカルテ リンク

「金色のマビノギオン」が無料で読める!本格ファンタジー漫画の魅力をネタバレ紹介

著者
山田南平
出版日
2017-11-20

イギリスと日本のハーフの少女・たまきと、アーサー王伝説が好きな少女・真、そんな2人のお守りを務める少年・広則は子どものころから一緒にいる幼馴染。いつかイギリスへ行こうと話していた3人の夢は、高校の修学旅行という形で叶います。

しかし、そのイギリスで待っていたのはアーサー王の世界へのトリップと、知っている伝承とは違うアーサー王物語でした。

作中では根本となる「アーサー王物語」が詳細にわかりやすく説明され、そこにオリジナルの展開を組み込むことで、新たな物語として生まれ変わり、アーサー王をあまり知らない人はもちろん、好きな人や詳しい人も楽しく読めるのが魅力の作品となっています。

ここではそんな『金色のマビノギオン-アーサー王の妹姫-』の魅力について紹介して行きます。

マンガParkで無料で読んでみる

「金色のマビノギオン」が無料!アーサー王物語の世界へトリップ【あらすじ】

「金色のマビノギオン」が無料!アーサー王物語の世界へトリップ【あらすじ】
出典:『金色のマビノギオン ─アーサー王の妹姫─』1巻

高校の修学旅行でイギリスにやってきたたまき・広則・真の3人は、真の熱量に推され、本来行く予定ではなかったアーサー王伝説ゆかりの地へと赴くことに。

たまきは不思議とその地を懐かしく感じます。すると突然、容姿のよく似た血まみれの少年と意識が入れ替わり、元に戻ったかと思えば友人2人とともに体ごと、その少年の近くに佇んでいました。

瀕死の少年はアーサー王で、たまきはそのアーサー王と魂を同一にする人物として、アーサー王の世界へとよばれたのです。

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!アーサー王物語を取り入れた本格ファンタジー

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!アーサー王物語を取り入れた本格ファンタジー
出典:『金色のマビノギオン ─アーサー王の妹姫─』1巻

「金色のマビノギオン」は、現代の高校生たまき・広則・真が、アーサー王の世界に異世界トリップする物語ですが、内容はとても本格的なもので、アーサー王側と言葉が通じず、アーサー王側の言葉の表現に英語などが混じっていないなど、当時の時代背景などがきちんと考慮されて描かれています。

何も知らないたまきと、アーサー王や当時の歴史に詳しい真がいることで、作中ではわかりやすい説明が掲載され、アーサー王物語という文学と世界史を同時に習っているような気分になりますね。

本作はアーサー王の話のなかでも序盤の展開からスタートするため、最初を丹念に読んでおくと、根本となる「アーサー王物語」はだいたいわかると思います。

現在広まっている話とは多少キャラクターの設定が違ったり、たまきの魂とアーサー王の魂が同一であったりと、オリジナルの展開もありますが、そこは伝説に詳しい真が整理したり考えたりしてくれるので、問題なく受け入れることができますよ。

また、ファンタジーらしく、作中では科学では説明できない技術が多く登場します。大量出血で瀕死のアーサーを連れてきた場所自体、魔法がかかった場所で、そこにいる湖の乙女なしでは、湖に飛び出してもどこにも辿り着けないそう。

たまきたちがアーサー王側の言葉がわかるようになったのも、湖の乙女たちのおかげなのです。彼女たちが仕立て魔法を施した帯を巻くことで、アーサー王側の人々と話ができるように。

不思議な出来事、不思議な世界に驚くことも多い3人ですが、広則と真は言葉が通じ、いつかは帰れることを知ると、自分ができることを増やそうと現地の人々の協力を仰ぎそこで必要な力と知識を蓄えていきます。

その世界に行ったから、その世界の理に基づいて力が使えるようになるのではなく、きちんと自分のたちの努力でものにしていこうとするあたりが、彼らのいいところで魅力ですね。

マンガParkで無料で読んでみる

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!三者三様の幼馴染がイイ!

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!三者三様の幼馴染がイイ!
出典:『金色のマビノギオン ─アーサー王の妹姫─』1巻

ぼやっとしていて少々頼りない印象の強い金髪金眼の少女・たまき。そんな彼女を守り続けてきた、意志が強く時には強行突破も辞さない少女・真と、実家が合気道の道場でなんだかんだいいながらも面倒見の良い少年・広則。

性格のまるで違うこの3人がどういった経緯で、高校まで一緒に通うほどの友人になったのか気になるところですが、友情がきちんと成立しているこの3人の関係性は読んでいて非常に気持ちの良いものがあります。

たまきは、他の2人に比べると勉強もあまり得意ではなく、天然でぼけっとした性格をしていますが、悪いものには何も触れてこなかったような純真さと、素直さが魅力的な人物です。

真は、オタク気質というか、好きなことに関すると止まらなくなるところがあり、気が強く頑固な性格をしていますが、自分の意志をきちんと主張できるハキハキとしたところが魅力的ですね。

広則は、唯一の男性ということで、少々立場的に弱く、カッコつけたがりな部分もありますが、文句を言いつつも真のわがままを聞いたり、たまきの面倒を見たりと、彼が本来持つ優しさが魅力的な人物になります。

広則と真の間にたまきが挟まれて成り立っているような関係ではありますが、広則と真も互いを認め合い気を許している様子が節々からうかがえ、彼女たちのなかにしっかりと築かれた友情はつい微笑ましくなってしまいますね。

もちろん、彼ら以外の登場人物もみんな魅力的で、たまきを何かと気にかけるアーサーの甥・ガウェインは、真面目そうなのに天然スケコマシで、アーサーを支える魔術師・マーリンは、うさんくさそうなのにいい人、アーサーの養父であるエクターは、最年長者ながら子どもたちに甘いところがあり、エクターの息子・ケイは、普通の無邪気な青年ぽいのに剣の腕は確か、とみんなギャップがあります。

女性キャラも可愛らしく、湖の乙女のなかで、たまきたちと一緒に行動しているニムエとエレインも可憐で虫も殺さないような見た目なのに、反逆者の首を切り落としたり、食材となる動物を自分たちで狩ったりと勇ましい面が。

それぞれのキャラが立っているため、誰と誰が会話をしていようと、話が盛り下がることはなく、楽しい場面が続くのが魅力でもありますね。

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!絵がキレイ!中世ヨーロッパの幻想的な世界観

「金色のマビノギオン」の魅力をネタバレ紹介!絵がキレイ!中世ヨーロッパの幻想的な世界観
出典:『金色のマビノギオン ─アーサー王の妹姫─』1巻

アーサー王の世界に飛ばされる前も、建物の描写などが非常に丁寧に描かれていましたが、異世界に飛ばされてからは、現代とは違うその時代らしい背景描写が目を惹きます。

木々が生い茂り、自然が豊かなのはもちろんですが、たまきたちが寝泊まりすることになった場所は洞窟なので、基本的に部屋はむき出しの岩肌や石造りとなっていて、古くから木造建築の多い日本の家屋との違いが、より幻想的な雰囲気を感じさせますね。

水辺の小石や岩陰、数面の光の反射具合なども、空気がとても澄んでいるのがわかるような美しさがありますよ。

生活水準は当時のものをそのまま描いているので、洗濯物を灰で洗ったり、トイレが川の上に穴の開いた板を置いただけのものだったりと、昔の生活スタイルがうかがえるのも楽しいところです。

また、異世界ファンタジーの楽しいところといえば、衣装チェンジですよね。修学旅行中だった3人は制服姿でアーサー王の世界まで飛ばされ、それ以外に着替えの用意もありません。

寝るとき用のパジャマは早々に登場しますが、その後たまきたちが普段着る用の衣装も登場。ケイに剣術や乗馬を教わっている広則は、ケイのような剣を帯刀できる動きやすい服を。マーリンに弟子入りした真は、マーリンのような僧服を。たまきは、ガウェインが来ている服とデザインの似た動きやすい服を仕立ててもらいました。

衣装を変えることで、見た目が華やかになるのはもちろんですが、それぞれがどの立ち位置で、誰のそばで行動するのかがよりわかりやすくなりましたね。

他にも、細かいところではありますが、食器やベッド、使用している道具などにも注目したいところ。卵のように緩やかな曲線を描いて下が細くなる、ヨーロッパによく見られる形のコップや、テーブルの草花をイメージしたような模様、動物のツノのような火をつけておく道具など、細部にまで注意して物が描かれています。

作者の中世ヨーロッパに対する深い造詣がうかがえる作画となっていますので、内容だけでなく、背景や道具、衣装にも目を向けてみてください。

著者
山田南平
出版日
2017-11-20
マンガParkで無料で読んでみる

濃いキャラクターと美しい世界観が魅力的な本作。「アーサー王物語」をまったく知らない状態で読むと、情報が多くこんがらがることもありますが、必要な情報はすべて作中で説明されているので、前知識なしでも無理なく読むことができます。「アーサー王物語」を知っている人は、原典や他の作品との違いを楽しんでもいいですね。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る