ロサンゼルス遠征!機内に持ち込む4冊【KUSHIDA】

更新:2021.11.13

プロレスラーはリング上で試合するだけではなく、移動することや待つことも仕事のうち。大袈裟かもしれませんが、人生トータルの時間を換算してみると、それはトレーニングと試合の合計時間と釣り合うか、もしくはそれ以上かもしれません。そんな時間をボクは本を読むことに充てます。本を開いて人生勉強、1000円前後は安すぎる買い物。きっと死ぬまで一生、読書LOVEというわけで、今回はロサンゼルス遠征に持って行く4冊をご紹介します。

ブックカルテ リンク

「とりあえず」は英語でなんと言う?

著者
ルーク・タニクリフ
出版日
2016-10-08

「さすが!」は英語でなんと言う?

著者
ルーク・タニクリフ
出版日
2017-11-11

7年前。当時、新日本プロレスの寮に寝泊まりしていたプリンス・デヴィットの英語がまったく聞き取れませんでした。それまでボクは1年間カナダに住んでいたこともあり、カナダ人の英語は個人的には喋るスピードが緩やかに感じ聞き取りやすかったので、自信を持っていたボクはデヴィッドのアイルランド英語にショックを受けました。それ以後、アメリカに住むアメリカ人の中でも、住む地区によって使う英語に違いがあることを発見し、試合で訪れるたびに現地独特のおもしろ言葉がないかレスラーに聞いてみたりしています。

イギリス英語とアメリカ英語、アメリカ国内でもイントネーションの微妙な違い……。日本の狭い国土でさえ、北海道と沖縄、東京と大阪で訛りや方言があるわけです。つくづく言葉というのはおもしろいなと思います。

ここ最近、日本を訪れる外国人観光客の増加や、東京オリンピックに向けてでしょうか。どこの書店も英会話・語学コーナーのスペースが広がってきている気がします。常日頃から新日本プロレスには十数名の外国人レスラーが参戦しており、海外遠征に行くことも多く、僕自身も「英語をもっと話せるようになりたいなぁ~」という願望をいつも抱いているので、よく立ち寄ります。ドラえもんの翻訳こんにゃくばりに効果のある、そんな魔法のような英語本はないかと手に取ってみたりもします。が……正直な話、勢いで買ってしまい、一度も開いていない本なども本棚には眠っています(笑)なかなか難しいんですよね、この手の本のチョイスは。

そんな中で、この2冊!

生きた日本語のチョイスです。現代の若者ことば風の日本語も英語ならこう言い換えられるという紹介の仕方がされているので読み物として面白いのです。

普段、外国人プロレスラーが使う言葉はあまりお行儀の良くない言葉であったり、スラング的な単語が多かったりしますが(笑)、それに近い言葉もかなり紹介されていて、うむ! この本は使えるぞ!と思いました。

英語にしにくい日本人特有の気持ちや言葉の表現を英語に置き換えてみると、逆に日本語の表現の繊細さ、日本人の奥ゆかしさを感じます。

借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ

著者
小池 浩
出版日
2016-09-12

最近、寝落ちする瞬間と目覚めた瞬間、5秒間で宇宙に願い事をする……ということを実践しています(笑)。

しかし、トライしてもなかなか難しく、特にその日が試合後だと興奮を鎮めるのに苦労するわけですが、自分の潜在意識に話しかける日々の心がけはきっと大事。読書は「今ある自分」と「ありたい自分」の距離感を把握するために必要な行為だと、この本で再認識しました。

飛行機の中は異次元。物理的に宇宙とも近いし、自分の潜在意識も浮かびやすくなってきて願い事が叶いやすいのではないでしょうか? そんなKUSHIDA的宇宙論。この本は何度も、定期的に読んで、頭に入れていこう。

世界中で迷子になって

著者
角田 光代
出版日
2016-08-05

インターネットの登場によって「プロレスラーの海外遠征も変化したなぁ」と個人的に強く思ったことが、次の4つ。

 

  • 1. SNSのダイレクトメッセージで試合ブッキングのオファー。もしくは現地プロモーターへの売り込みをする
     
  • 2. 現在地が分かるGPS機能での試合会場の把握
     
  • 3. 為替計算機アプリでのギャラの計算(笑)
     
  • 4. ホテルからUberでジムへ。もしくは観光地へ(笑)現地での“足”の確保。
     

 

特にUberの登場は、その便利さにカミナリに打たれたかのような衝撃を受けました。そんなことを頭に思い浮かべながら文庫版にのみ掲載されている巻末の書き下ろしエッセイ「2016年未来の旅」を興味深く読みました。

インターネットによって旅はたしかに変わったけれど、旅の本質は何も変わらない

に大賛成。「プロレスラーの海外遠征の本質も何も変わらない。リング上で自分を表現して言葉の壁を越えていけ!」。角田光代さんの言葉を、ボクはそんなふうに解釈して本を閉じました。

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