新年度に合わせてマンネリを打破したい!そんなあなたに送る発見の3冊

更新:2021.11.13

こんにちは、松原汐織です。始まりの季節である4月。会社勤めではないので自分には関係がないことに毎年思えていたけれど、敢えて今年は新年度を意識して生活したいと思っています。“いつもの自分”じゃ、つまらない!  マンネリを打破する、新しい自分の一面を増やせる3冊を紹介します。

ブックカルテ リンク

必ずや前向きでロジカルな自分に出会える一冊

著者
小倉 広
出版日
2014-02-28

常に言葉を欲しているように思う。本を読むのが好きなのは、自分の足りていないと感じている凹を埋めたいのも一つの理由だと感じている。

この本は自己啓発の父と呼ばれるアドラーが人生に革命がおきる100の言葉を紹介している。自分をどうにかしたいけれど、日々に追われて時間がない夜にも新たな言葉に出会えて成長できる一冊なのだ。

劣等感を抱くこと自体は不健全ではない。劣等感をどう扱うかが問われているのだ。

新しい環境が訪れると自分のコンプレックスをあらためて痛感した経験はないだろうか。アドラーは胃腸が弱いなどの具体的な事実としておとった性質である劣等性、自分が劣っていると主観的に思う劣等感、劣等感を言い訳に逃げることを劣等コンプレックスの3つに分類している。 冷静に分類されると自分の状況が自ずと見えてくる。

アドラーの言葉は思わず、「キビシイ〜」と叫びそうになる言葉さえある。

「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

厳しさを感じると同時に、「ですよね、頑張ります」と心を改める自分もいる。気合いで立ち直るよりも論理的に立ち直らせてくれる。仕事で落ち込んで帰ってきた夜にオススメの一冊。

人を見る目があたたかく変わる一冊

著者
石田 衣良
出版日
2004-05-20

身近な人の人生が変わっていく瞬間を見るほど幸せで刺激を受けることは無いと思う。

仲良しの女優・大谷麻衣さん。以前、私が演技レッスンを習っていた時の仲間で、今も仲良くしていただいている。麻衣ちゃんが4月6日公開の映画『娼年』に出演すると聞き、公開を楽しみにするあまり原作に手を出した。舞台も同じく三浦大輔さん演出・松坂桃李さん主演でかなり過激だったとの評判だったけれど、原作も凄かった。初めて知る世界に引き込まれていき一気読みをしてしまった。

主人公のリョウは大学生活にも女性にも興味を見出せずにいる大学生。会員制ボーイズクラブのオーナーから誘われて娼夫の仕事を始める。リョウが様々な欲望の形を持った女性たちと接していくうちに次第に欲望の不思議に魅せられていき……というストーリー。

正しいことを正しいと言う人間は時に残酷だ。違法である仕事を自分の身近な人がやっていたら、登場人物のメグミのように私も辞めることを懇願するだろう。でも、リョウの仕事はたくさんの女性たちを救っている。

人は皆、誰かに理解をしてほしい。登場する女性たちはそれぞれ変わった癖がある。本当の優しさとは受け入れることなのだと、リョウから教わった。人は人を簡単に裁いてはいけない。

登場人物たちが全員優しい。痛みを知っている人の深い優しさを感じた時に涙が出てきた。まさかラブシーンだらけの一冊から泣くとは意外だった。

この過激で優しい様々な愛のカタチが映像でどう描かれているのか。早く観に行きたい!

昔からの自然の恵みを取り入れられるようになる一冊

著者
瀬戸内和美
出版日
2015-09-16

この連載を毎回読んでいただいている方は、「またこのシリーズか……」と思いになる方もいらっしゃるかと。でも、この『日本の〜』シリーズが大大大好きだから紹介させてください! 今回のテーマは知恵ぐすり。

知恵ぐすりとは、自然の手当て。食材のもつ薬効が体に作用することにより、症状が緩和されたり予防されたりするのでおまじないや思い込みでは無いそう。

たとえば、胃もたれにはハチミツ、生理不順には黒豆茶やキクラゲ、肌荒れには柚子など聞いたことがある方もいらっしゃるのでは? オーガニックは今や知らない人がいないぐらいの言葉だけれど、日本には昔からの方法があることを忘れがち。ついつい外来のサプリを摂ってしまうが、身近な食材で体を調えられたらどんなに良いことか。

知恵ぐすりになる食材や細かい症状に応じての対処とレシピが書いてあり、先人たちの知恵に驚いた。

すり潰した豆腐を額にのせて熱を下げる豆腐湿布や蒸して潰したカボチャを患部に当てて神経痛を治すカボチャの温湿布、湯掻いた板こんにゃくをカイロ代わりに使い生理痛を軽減するこんにゃく湿布などの湿布シリーズは「え、無理!」と思えるものもあり(笑)、それもまた面白い。

おばあちゃんの知恵などと言うが、おばあちゃんのおばあちゃん。さらにその前から伝わる知恵ぐすり。新年度ですもの、ヘルシーにいきましょう!

今、バリに来ています。こんな新年度の頭に休暇を取ったことに申し訳なさを感じつつ、帰ったらお仕事を頑張ろうと気持ちを入れ替えて楽しみます!

Photographer : Fumitaka Ohnuki 
Hair&Make-up : Kenya Tadatomo(Linx P-cott) 
Stylist : Miho Sugimoto

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