「ジョジョ」各シリーズのかっこいい名言ランキングベスト3!知らないと損?

更新:2021.12.11

『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは言わずと知れた名作漫画。その中には心を揺さぶる名言、魅力的なキャラが大勢出てきます。今回は「ジョジョ」各部の代表的な名言をご紹介していきたいと思います。 また、本シリーズは下のボタンのアプリから読むことができるので、是非お読みください!

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「ジョジョ」7部まで各シリーズの名言を厳選したランキングベスト3を紹介!

著者
荒木 飛呂彦
出版日

『ジョジョの奇妙な冒険』は、シリーズ通算100巻を越える長大な作品です。

ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーの確執に端を発した物語は、時代を超えたジョースター家とディオの因縁の話へと変わりました。

第1部から第6部までは世界観が繋がっており、およそ1世紀に渡る壮大な物語となっています。血の因縁や宿命、独特な価値観が魅力的な作品です。

なお、第7部『スティール・ボール・ラン』と2018年5月現在連載されている第8部『ジョジョリオン』は、第1部から第6部までとはパラレルワールドになっています。

その長い歴史の中で数々の名シーン、名言が生み出されてきました。名言はそれこそ数え切れないほどありますが、今回は特に物語を象徴するような印象的な台詞をピックアップして、各部ごとのベスト3形式で発表したいと思います。

第8部はまだ完結していないので順位付けしづらく、除外とさせていただきました。


「ジョジョ」をどこから読むべきか紹介した以下の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

漫画「ジョジョ」は何部から読むべき!?おすすめの順番と各部の魅力

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『ジョジョの奇妙な冒険』はかつて「週刊少年ジャンプ」で連載され、その後も『ジョジョリオン』のタイトルで「ウルトラジャンプ」で最新作が連載中の荒木飛呂彦の人気作品です。特徴的な絵柄と魅力的な物語で、カルト的な人気を誇っています。面白い漫画なのは確かなのですが、シリーズ通算で100巻を超える長大のシリーズのため、未読の読者にとっては少々手が出しづらいもの……。 そこで今回は、各部の魅力を紹介しつつ、シリーズを読むおすすめの順番をご紹介しましょう。これを機に「ジョジョ」デビューしてみては?下のボタンのアプリから読むことができます!

 

「ジョジョ」1部の名言ベスト3!

1位:「人間讃歌は『勇気』の讃歌」【ツェペリ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1988-04-01

「人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!!
人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』3巻より引用)

 

「ジョジョ」シリーズには常に、「人間讃歌」というテーマが隠されています。これはそんなジョジョのメインテーマたる「人間讃歌」という言葉が使われた名言。第1部どころか、シリーズを包括して作品を象徴するツェペリ男爵のセリフです。

この台詞は復活したディオの潜伏先である「風の騎士たちの町(ウィンドナイツ・ロット)」へ向かう途中、敵と遭遇した時に発せられました。相手は第1部の舞台と同年代に悪事を重ねた切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)。ディオに悪心を見込まれ、ゾンビとなったジャックは凄まじい強さを見せてきました。修行を終えたばかりでやや怖じ気づいたジョナサンに対し、ツェペリが諭すように語ったのがこの台詞です。

この後、ツェペリ男爵はこうも続けました。

「いくら強くてもこいつら屍生人(ゾンビ)は『勇気』を知らん! 
ノミと同類よォーッ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』3巻より引用)

 

悪がどれだけ強かろうとも、勇気と正義のない力に意味はないのです。

 

2位:「幸運と勇気」【ブラフォード】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1988-06-01

「ジョナサン……このおれの剣に刻んである、この言葉をおまえに捧げよう!
Luck!(幸運を)

そして君の未来へこれを持って行けッ!
PLUCK(勇気をッ!)」(『ジョジョの奇妙な冒険』4巻より引用)

 

復活したディオによって、ゾンビとして蘇らせられた配下の1人、黒騎士ブラフォードの名言です。もう1人の騎士タルカスともども、元は300年前のスコットランド王国の女王メアリー・スチュアートを守護する高潔な騎士でした。ディオの呪縛によってジョナサンと対峙しますが、ゾンビと化しながらも騎士道を貫きます

最期はジョナサンの波紋によって人間の魂を取り戻し、ジョナサンを友と認め、彼に愛剣を託し昇天。その愛剣に元々刻まれていた文句が「Luck」でした。そしてブラフォードは自らの血で一文字書き足して、「PLUCK(古語で勇気の意味)」の剣に変えることで、ジョナサンにエールを送ったのです。

この幸運と勇気の剣は、ジョナサンとディオの最終決戦の場で、波紋を無力化する脅威の気化冷凍法を破る切り札となりました。

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3位:「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」【ディオ・ブランドー】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1988-04-01

「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』3巻より引用)

 

第1部の名言3位はこちら。「ジョジョ」シリーズを通して見ても、非常に汎用性が高い台詞であるため、改変されて様々な場面で使われているのをよく目にすることと思います。

発言者はディオ・ブランドーで、彼が脅威の復活を遂げたシーンが初出です。まだ波紋を身に付ける前のジョナサン・ジョースターが、決死の覚悟でいろいろなものと引き替えに倒したはずのディオ。それが、以前と変わらない姿で登場した時は誰もが驚きました。

ジョナサンの波紋の師、ウィル・A・ツェペリ男爵は長年、ディオを吸血鬼に変えた石仮面を追っていました。その経験から、重傷の吸血鬼が傷を癒やすのに要する犠牲を心得ています。怒りに震えるツェペリ男爵の問いかけ、

「きさま、いったい何人の生命をその傷を癒すのに吸い取った?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』3巻より引用)

に対する、想像を絶するおぞましい答えです。吸血鬼となり、人間を食料と見なすようになったディオの恐ろしさを端的に表した名言といえるでしょう。


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『ジョジョの奇妙な冒険』は今でもシリーズの連載が続く、日本を代表する漫画です。 今回はその第1部、19世紀のイギリスを舞台としてくり広げられる、波紋の戦士と吸血鬼との暗闘「ファントムブラッド」をご紹介。ジョジョとディオ。100年以上続く血の宿命の始まりです。

 

「ジョジョ」2部の名言ベスト3!

1位:「人間の魂だ!」【シーザー】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-06-01

「おれが最期にみせるのは、代代受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ!
人間の魂だ!」(『ジョジョの奇妙な冒険』10巻より引用)

 

第2部のもう1人の主役と言っても過言ではない、シーザー・A・ツェペリ渾身の台詞です。彼は第1部に登場したジョナサンの師匠ウィル・A・ツェペリの孫で、その素性からジョセフとは出会うべくして出会った間柄といえるでしょう。

普段はキザな二枚目を気取っていますが、友情に篤く、身内を想うあまりカッとなる激情家の一面もありました。ツェペリ男爵の血筋でしょうか。

ジョナサンとともに柱の男との決戦に向けて修行を重ねた彼は、一足先にワムウと対決することになります。シャボン玉を利用した波紋攻撃で追い詰めるのですが、ワムウが風使いだったことが災いして、後一歩及ばず敗北。

シーザーは致命傷を負ったものの、最後の力でワムウを出し抜きました。くしくもツェペリ男爵と同じ選択を。つまり、彼はジョースターの命を救おうとしたのです。命を振り絞ったその決死の行動には、敵であるワムウすら敬意を表したほど。

「シィィザ――ァァァッ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』10巻より引用)

 

その後、慟哭するジョセフの姿もまた悲痛で感動的であり、「ジョジョ」を代表する名シーンとなっています。

 

2位:「勝者だけが正義であり友情」【ワムウ】

 

「このワムウにとって強者だけが真理!
勝者だけが正義であり友情……その自分自身の掟に従っただけだ……JOJO」
(『ジョジョの奇妙な冒険』11巻より引用)

 

第3位と同様のシーン。死闘をくり広げた末に、ジョセフに敗れたワムウ。あまりにも強大で、残忍なだけかと思えた柱の男の真実の言葉は、敵味方の垣根を越えて胸を打つ名言となって紡がれました。

ジョセフとの決戦を終えて、純粋に強さだけを追い求めた姿には、最早敵意はありませんでした。ワムウはさらに続けて言います。

「このワムウ……今までの人生『不老不死』などどうでもよかったのだ。
この「掟」さえつらぬいて朽ち果てれればな……(中略)
悔いはない……心からおまえの成長が見れてよかったと思うよ。
おれはお前に出逢うために1万数千年もさまよってたのかもしれぬ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』11巻より引用)

 

戦士としても、そして生物としても、不老不死ゆえの孤高を感じさせる台詞です。柱の男はあくまで同種族としての繋がりしかなく、そこには情などなかったことがわかります。最期の最期で心境を吐露出来るジョセフと巡り会ったワムウは、仇敵とは思えない、それこそ奇妙な友情すら覚える印象的な敵キャラとして描かれました。

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3位:「またまたやらせていただきましたァン!」【ジョセフ・ジョースター】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-08-01

「へっへっへっへっへっ。ま……またまたやらせていただきましたァン!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』11巻より引用)

 

これぞ第2部主人公、ジョセフ・ジョースターの真骨頂ともいえる名言です。ヒーローとはとても思えないジョセフの手癖の悪さ、狡賢さがたっぷり詰まった一言。この台詞は物語中で波紋の戦士の仇敵となった「柱の男」の1人、ワムウとの決戦の最中で言い放たれました。

映画『ベン・ハー』を想起させる、吸血馬によるジョナサンとワムウの戦車戦。闘技場内を走りながら、周回ごとに支給される武器を使って戦うというルールです。条件は五分。試合はめまぐるしく動き、勝負は二転三転して手に汗握る展開を見せます。

しかし、地力の差でジョナサンは徐々に追い詰められ、ついにワムウの必殺技「神砂嵐」を目前にして窮地に立たされます。奥義の直撃を受けてワムウの勝ちかに見えましたが……常に先を行くのがジョセフという男。神砂嵐を封殺した上に、ワムウに大ダメージを与えて形勢は逆転しました。

上記の台詞はそこで発言されたもの。まさしく策士ジョセフを表現する台詞といえるでしょう。


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2021年現在、第8部『ジョジョリオン』が連載されている『ジョジョの奇妙な冒険』。どの部も面白いものの、フォーカスが当たるのは派手なスタンドバトルが見られる第3部以降になりがちです。 今回はスタンドではない波紋バトルがもっとも楽しめて、キャラも台詞も熱い第2部「戦闘潮流」についてご紹介。「ジョジョ」に長らく登場する、ジョセフ・ジョースターが主人公です。下のボタンのアプリから読むことができます。

 

「ジョジョ」3部の名言ベスト3!

 1位:「『てめーはおれを怒らせた』」【空条承太郎】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1992-08-01

「てめーの敗因は……たったひとつだぜ……DIO……
たったひとつの単純(シンプル)な答えだ……
『てめーはおれを怒らせた』」
(『ジョジョの奇妙な冒険』28巻より引用)

 

第3部の主人公、空条承太郎と言えば、多くの人がこちらの台詞を思い浮かべるのではないでしょうか。

長く苦しいエジプトへの旅を終え、仲間の犠牲の果て、ついに辿り着いた宿敵DIOとの決戦。時間を止められる、という圧倒的不利な状態からの奇跡の逆転劇の末、こう呟きました。

普段はクールなキャラに徹し、ジョセフの血を感じさせる理詰めの戦いを見せてきた承太郎でしたが、この場面だけは人間的な感情を剥き出しにします。それはDIOによって犠牲となった人々のための怒りであり、傷付き倒れた友人のための怒り、そして瀕死の重傷を負った祖父ジョセフのための怒り、先祖ジョナサンの肉体でジョースター家を侮辱するDIOへの怒りです。

承太郎が人間だからこそ抱く激しい怒りです。

 

2位:「『勝利して支配する』!」【DIO】

 

「『後味のよくないものを残す』とか
『人生に悔いを残さない』だとか……(中略)
このDIOにそれはない……
あるのはシンプルな、たったひとつの思想だけだ……たったひとつ!
『勝利して支配する』!」(『ジョジョの奇妙な冒険』28巻より引用)

 

第1部から第6部までの全ての元凶ともいえるDIO。石仮面の力で吸血鬼となり、さらにザ・ワールドという超越的なスタンド能力まで手に入れた彼の、哲学のようなものが感じられる言葉です。

この発言があったのは第3部の終盤、因縁の相手である空条承太郎との最終決戦でのこと。時間停止という、ザ・ワールドの力をフルに用いた戦いでした。承太郎のスタンド、スタープラチナを自由に使わせない闘い方は圧倒的で、倒すのは絶望的に思えました。

そんな帝王DIOにとって、人間は食料や家畜に過ぎず、その営みや精神性は取るに足りないくだらない考えなのでしょう。存在自体が「反」人間的であり、それを象徴するのがこの台詞なのです。

にも関わらず、何人もの読者がその生き方に目を奪われてしまうのは、さすが悪のカリスマ。

 

3位:「我が名は○○」【ポルナレフ、花京院】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「いいか……こういう場合! 
かたきを討つ時というのは(中略)
『我が名はJ・P・ポルナレフ』『我が妹の魂の名誉のために!』
『我が友アヴドゥルの心のやすらぎのために』『この俺が貴様を絶望の淵にブチ込んでやる』
J・ガイル……こう言って決めるんだぜ」(『ジョジョの奇妙な冒険』16巻より引用)

 

「ジョジョ」シリーズでも1、2を争うゲスキャラ、J・ガイル。ポルナレフは、妹を辱め、さらにはアブドゥルが旅から離脱した原因にもなったこの男への復讐心に駆られます。卑劣にも無関係な子供を巻き込んだJ・ガイルに対して、ポルナレフが毅然と立ち向かった時の台詞です。

この後、J・ガイルは汚い手を用いて、再びポルナレフと花京院を窮地に陥れました。そして今度は激するポルナレフを抑えて、同じ台詞を花京院が言うのです。

「あだを討つ時というのは『野郎』なんてセリフを吐くもんじゃあない。こう言うんだ。
『我が名は花京院典明』
『我が友人アブドゥルの無念のために。左にいる友人ポルナレフの妹の魂のやすらぎのために』
『死をもってつぐなわせてやる』」(『ジョジョの奇妙な冒険』16巻より引用)

 

2つセットで非常に痺れる、名言かつ名シーンでした。


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寝ても覚めても「ジョジョ」が好き。ジョジョとの出会いに、日々感謝。そんな気持ちを常に胸に抱えた筆者からすると、ぜひ皆さんに「ジョジョ」を読んでいただきたい!でも、実際はあまりにも量が多すぎて、読み始めるには勇気がいるもの。 読みたいけどな〜、と悩んでいる、そこのあなた。まずは第3部「スターダストクルセイダース」から始めましょう。

 

「ジョジョ」4部の名言ベスト3!

1位:「『黄金の精神』」【ジョセフ・ジョースター】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「かつてわしらもエジプトに向かう時に見た……
『正義』の輝きの中にあるという『黄金の精神』を……
わしは仗助たちの中に見たよ……」
(『ジョジョの奇妙な冒険』47巻より引用)

 

第4部の舞台、杜王町における戦いは終結し、承太郎とジョセフが町を離れるシーンでの言葉です。第2部、第3部と人生の中で数々の経験を積んできた、ジョセフならではの重みが感じられます。

直接的には仗助、早人、広瀬康一、そして承太郎の活躍によって、吉良という暗部は打倒されました。間接的には杉本鈴美、矢安宮重清や辻彩の死も、吉良の破滅に繋がっています。承太郎を除けば全員が杜王町の住人です。杜王町が生んだ怪物を、杜王町自身が倒したとも言えます。

それらはどちらも杜王町だということ――言い換えれば、人間の営みの表と裏――を象徴しているのではないでしょうか。表があれば、どうしても裏が出来ます。吉良という悪が去っても、日常に潜む悪意が消えることはありません。杜王町であろうと現実世界であろうと同様です。

しかし、正しい心「黄金の精神」を持ってさえいれば、どんな苦境苦難でもはね除けることが出来るのです。

 

2位:「いいかい! もっとも『むずかしい事』は! 『自分を乗り越える事』さ!」【岸部露伴】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1995-01-01

「いいかい! もっとも『むずかしい事』は!
『自分を乗り越える事』さ!
ぼくは自分の『運』をこれから乗り越える!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』40巻より引用)

 

岸部露伴は、作品のためにはなんだってするこだわりの強い漫画家です。

名言に相応しい含蓄のある台詞……なのですが、状況だけを描写するとくだらなくて脱力してしまいかねません。なぜなら、成人して一定の成功も納めた大の大人である露伴が、鼻水を垂らした小学生男児と、ジャンケン3本勝負の決着を付けようというシーンなのですから。もちろん、「ジョジョ」なのでただのジャンケンではありません。

ジャンケン小僧こと大柳賢は、ジャンケンに勝てば相手のスタンドを吸収することの出来るスタンド使い。言葉にするとこれほどくだらない勝負もないのですが、ただのジャンケンを名勝負に変えてしまうのが荒木飛呂彦の凄いところです。

運を味方に付け、圧倒的に優位に立つジャンケン小僧を、意志の力(と知恵)でねじ伏せる様子からは、障害を乗り越えることこそ人間の成長だと感じさせられます。吉良と早人の対決にも通じる凄みのある戦いです。

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3位:「『命』を『運』んで来ると書いて『運命』! 」【吉良吉影】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1996-01-01

「『運』はわたしに味方してくれていると言ったよな……!
『命』を『運』んで来ると書いて『運命』! ……フフ、よくぞ言ったものだ」
(『ジョジョの奇妙な冒険』45巻より引用)

 

「ジョジョ」シリーズ最悪のシリアルキラー、吉良吉影。おぞましい心の闇を抱えていながら、普段は一般人に紛れて生活しているという、第4部のサブテーマ「日常と隣り合わせの恐怖」を体現するラスボスです。

殺人を生活の一部とする異常者なのですが、平穏を愛して他者との衝突を避けるという、その人生哲学には賛同させられるところも多くあります。

この台詞は、吉良が少年、川尻早人に反撃にあい窮地に陥るも、早人の用意したある切り札を逆に利用し形勢を覆した時に言ったもの。絶望的な運命を打開するための方策が、よりによって吉良の力になってしまう皮肉な展開。まさしく強運としか言いようがありませんでした。


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「ジョジョ」5部の名言ベスト3!

1位:「『眠れる奴隷』」【スコリッピ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1999-05-01

「無事を祈ってはやれないが、彼らが『眠れる奴隷』であることを祈ろう……
目覚めることで……何か意味のあることを切り開いて行く『眠れる奴隷』であることを……」(『ジョジョの奇妙な冒険』63巻より引用)

 

全ての決着が付いた後のエピローグで語られる物語。ジョルノが組織に入る前のある日、地元の相談役を務めるブローノ・ブチャラティの下に、自殺した娘の事件の真相を知りたいという父親がやって来ました。ミスタが捜査していくと、スタンドが関連していたことが判明します。

娘の交際相手だった彫刻家スコリッピ。彼のスタンド、ローリング・ストーンズは、近い将来死ぬ運命にある対象者を安楽死させるというもの。しかも、このスタンドはスコリッピと対象者の意思と無関係に発動してしまう厄介な特徴を持っていました。死の運命は逃れられないものであり、ローリングストーンズはその死を少し早める代償に、安らかに死を迎えさせてくれる。このいびつな能力によって、死ぬ運命にあった娘は自殺したのでした。

スコリッピはスタンドにぴったりな厭世的な人物。人間は皆「運命の奴隷」だという持論がありました。ローリング・ストーンズの対象者となったミスタは、彼に諦めるよう言われます。しかし、ミスタは運命を受け入れず、抵抗を試みるのです。その結果、劇中で悲劇的な出来事がいくつも起きることになるのですが、同時に変化も生まれます。

個人の生死を超越した、全体に変革をもたらす何か。人が生まれ持った死の運命を克服する萌芽をスコリッピは感じ取ったのです。

 

2位:「『真実に向かおうとする意志』」【名もなき警官】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1998-08-01

 

「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、
いつかはたどり着くだろう?
向かっているわけだからな……違うかい?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』59巻より)

 

いささか異例かも知れませんが、主要人物ではない、それどころか名前すら紹介されてないキャラクターの台詞をご紹介したいと思います。

ジョルノ達は組織に反抗し、謎に包まれたボスの正体を探ることに。ボスの故郷サルディニア島に辿り着いた彼らは、レオーネ・アバッキオのスタンド、ムーディー・ブルースでボスの過去の記録を調べます。そしてついに、ボスの正体へ手が届いた瞬間――アバッキオは何者かによって攻撃を受けます。

アバッキオは倒れ、かすれ行く意識の中で幻を見ました。そこではある警官が床を這い回って、事件の容疑者を立件するための証拠を探していました。努力の末に証拠が見付かる確証はなく、仮にあったとしても、裁判で無罪になれば全ては水の泡です。そこまでする価値があるのかアバッキオには理解ができません。

疑問を口にするアバッキオに、警官は「真実に向かおうとする意志」こそが大切だと言います。結果だけを求めれば道を踏み外しかねず、過程を積み重ねて邁進することが大事だと彼は言ったわけです。

これは優れた警句であるだけでなく、ボスを探る彼らの未来をも予言しているかのようです。

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3位:「『覚悟』とは!!」【ジョルノ・ジョバァーナ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1997-11-01

「『覚悟』とは!!
暗闇の荒野に!!
進むべき道を切り開く事だッ!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』55巻)

 

第5部は「意志」「覚悟」といったものがテーマに据えられています。いずれも感情に訴えかける名言ばかり。まず3位はジョルノの台詞から。

主人公ジョルノ・ジョバァーナは、訳あって学生からギャングスター(マフィア)に転身します。マフィア組織に入った彼は、組織内部の腐敗を知り、正そうと決意します。

そんな中、組織の長である「ボス」の娘の警護を任されたジョルノとその仲間たち。ボスを狙う組織の反逆者、暗殺チームに目を付けられてしまいます。

ジョルノとグイード・ミスタはある時、暗殺チームの一員ギアッチョからの襲撃を受けます。彼のスタンド、ホワイト・アルバムにより2人はスタンドが使えず窮地に追い込まれ、ピンチに。

しかしジョルノはそんな逆境でも決して諦めませんでした。一見無謀と思える行動に命を賭けて、見事勝利への道を切り開いたのです。


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「ジョジョ」6部の名言ベスト3!

1位:「『正義の道』を歩む事こそ『運命』なんだ!!」【エンポリオ・アルニーニョ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

 

「おまえは『運命』に負けたんだ!
『正義の道』を歩む事こそ『運命』なんだ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』80巻より引用)

 

仲間は全て倒れ、徐倫もラスボス、プッチによって存在を消されてしまう衝撃の展開。たった1人難を逃れた少年エンポリオ・アルニーニョは、絶望的な状況の中にも関わらずプッチに毅然と立ち向かいます。

プッチは、無敵のスタンド、スタープラチナすらも破った恐るべき相手。エンポリオはある切り札を切って見事に勝利を収めます。

プッチはその壮大なスタンドによって、宇宙を一巡させ、人類全体に未来を体験させます。自ら歩む「運命」を事前に知って覚悟することで、人は幸福に生きられるのだと、プッチは語りました。

その「運命」に抗ったエンポリオ――引いては徐倫、承太郎らも含めて――によって、プッチの野望の幕が引かれるのは皮肉としか言えないでしょう。

あるいは当然の結果かも知れません。「運命」とは1個人の独善的行動に押しつけられ、与えられるものではないのですから。

 

2位:「これがあたしの『魂』・・・・・・」【フー・ファイターズ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「あたしを見て徐倫。
これがあたしの『魂』……これがあたしの『知性』……
あたしは生きていた」(『ジョジョの奇妙な冒険』74巻)

 

刑務所に入れられた徐倫。そこで頼れる仲間たちと出会います。F・Fことフー・ファイターズもその1人です。

F・Fは元々敵側のスタンドによって生み出された自律型スタンド。知能はあっても意思のない、プランクトンの集合体です。徐倫と出会い、少しずつ「生きる」ことを学んでいきます。そして、彼女とともに過ごす中で限りなく人間に近い存在へと成長していくのです。

しかし、激戦の最中、彼女は器の肉体を損傷し、彼女そのものであるスタンド能力を奪われてしまいます。

徐倫はF・Fのスタンドを取り返し、再生させると言うのですが、F・Fはそれを拒みます。仮に蘇ったとして、それは同じ顔をしたまったくの別人なのだと。魂の所在、哲学的な自己同一性の問題を言っているのです。

人間ではなかったF・Fが、最期には誰よりも人間らしく果てる、印象的な場面となりました。

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3位:「あたしはどっちだ?」【空条徐倫】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「『ひとりの囚人は壁を見ていた』……
『もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』
あたしはどっちだ?」(『ジョジョの奇妙な冒険』71巻より引用)

 

第6部は歴代で唯一の女性が主人公の物語。しかも、話は基本的に刑務所内で展開するという異色作でもあります。

空条徐倫(ジョリーン)は騒動に巻き込まれ、厳正懲罰隔離房へと送られます。孤立無援のまま、スタンド使いの看守ウエストウッドとの対決を余儀なくされ、絶体絶命の状況に。

その時に呟かれたこの台詞には、逆境のなかでも諦めず、希望を掴もうとする強い意志が感じられます。

実はこの台詞、第1部の1巻で引用されていたフレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』の1節、

「2人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。1人は泥を見た。1人は星を見た」

とも対応しています。

時代が流れ、人が変わっても、「ジョジョ」シリーズの根底に込められたテーマは変わらないということを示唆しているようです。

 

「ジョジョ」7部の名言ベスト3!

1位:「遠回りこそが最短の道」【ジャイロ・ツェペリ】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「オレはこのSBR(スティール・ボール・ラン)レースでいつも最短の道を試みたが、
『1番の近道は遠回りだった』
『遠回りこそが俺の最短の道だった』」
(『スティール・ボール・ラン』21巻より引用)

 

ジャイロ、ジョニィにとって避けられない敵となった、ファニー・ヴァレンタイン大統領との決戦。鉄球の「無限の回転」エネルギーに到達したジャイロは、次元を超えて行き来できるヴァレンタインのスタンドへも攻撃が届くようになりました。

ジャイロとヴァレンタインは一進一退の攻防を繰り返し、互いに致命打を受けます。ついに決着が付けられようかという時、ジャイロはこのセリフをジョニィに向けて言ったのです。あたかも自身の行く末を予期したかのように。

ヴァレンタインが有利となる、ある「偶然」が起きることで、ジャイロは敗北します。倒れ、衰弱するジャイロ。ジョニィは彼の意志を引き継ぎます。

レース終盤の最終決戦で悟ったジャイロ。彼の台詞は、他人事ではない何かを私たちに感じさせます。

 

2位:「全てが『正義』だ」【ファニー・ヴァレンタイン】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「我が心と行動に一点の曇りなし……!
全てが『正義』だ」
(『スティール・ボール・ラン』23巻より引用)

 

「スティール・ボール・ラン」レースの裏で暗躍していた元凶、ファニー・ヴァレンタイン大統領の台詞です。「ジョジョ」シリーズのラスボスは誰もが個性的でしたが、ここまで主人公とは異なった正義に邁進したラスボスも珍しいです。

ラスボスにも関わらず悪ではないのが彼の魅力。ヴァレンタイン大統領は汚い手を使い、ジョニィ達の命もつけ狙います。しかし、それらは全て、アメリカ合衆国という国家と国民の繁栄のために行ったことだったのです。自覚的に手を汚した彼もまた「男の世界」の住人だったといえるでしょう。

大衆の正義のために悪を為す彼に対し、彼を追い詰めたはずのジョニィすら怯んでしまいます。それは、正義には様々な側面があるということに、ジョニィが気付いてしまったからです。

 

3位:「ようこそ『男の世界』へ……」【リンゴォ・ロードアゲイン】

著者
荒木 飛呂彦
出版日

「ようこそ……
『男の世界』へ……」
(『スティール・ボール・ラン』8巻より引用)

 

前代未聞の規模で開催された北アメリカ横断レース「スティール・ボール・ラン」。当初は純粋に速さを競うだけに思われていたレースでしたが、レースが進むに連れて、徐々に陰謀が明るみに出てきます。

主人公ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリは、レースの途中で襲撃を受けます。相手の名前はリンゴォ・ロードアゲイン。奇妙な果たし合いを求めるこの刺客を前にしてジャイロは傷付き、ジョニィは倒れてしまいます。

リンゴォは「男の世界」という独自の哲学を持っています。それは、公正な条件の下で行われる決闘、すなわち殺し合いが人を高みへ押し上げてくれるというもの。リンゴォは敵でありながら男らしく、また「ジョジョ」シリーズとしては珍しく、主要人物ではないにも関わらず時間操作能力を持っているという、非常に印象的なキャラクターでした。

「男の世界」を経験したジョニィとジャイロは、この後何度となく厳しい試練にぶち当たりますが、この経験を糧として乗り越えていくことになります。

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いかがでしたか? 「ジョジョ」通の方もそうでない方も、ぜひともこれを機にシリーズの名場面を読み返して見て、そこに込められた意図や感動に浸ってみてください。

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