林業を始めるには?5分で分かる、仕事内容や収入、将来性、おすすめの本など

更新:2021.11.14

林業を始めるためにはどうしたらよいでしょうか?この記事では、始めるために必要なことについて説明した上で、その仕事内容や収入、将来性について説明していきます。それらについて詳しく説明した上で、この業界の仕事に携わるならぜひ読んで欲しい3冊の本を紹介していきます。

ブックカルテ リンク

林業の仕事とは?資格は必要?

林業とは、木を育て、森を作り、育った木を切って販売することを生業とする職業です。切り出した木を木材として加工したり、木や薪、炭などの燃料として販売したり、細かく砕いたチップなどにして販売したりすることもあります。

林業は木材を生み出すだけが仕事ではありません。木を育てることによって、地面に水を蓄え、水を綺麗にしたり、空気を綺麗にしたり、土砂崩れのような災害を防いだりする効果もあります。社会の中で役立つとともに大きな責任のある仕事でもあるのです。そのため、森林所有者から委託されて作業をするだけではなく、国や県、市町村などから仕事を依頼されることもあります。

また、作業する現場は足場が悪い場所であることも多く、チェーンソーなどの刃物を使用したり、高所で作業することもあったりと、危険がともなう仕事です。

この仕事をするために、特別な資格がないと作業ができないということはありません。しかし、木を切り出したり、木材として加工したり、丸太を運搬したりすることなどがあるので、フォークリフトの免許や小型クレーンなど車両系建設機械を運転するための資格を得ておくと仕事がしやすくなります。
 

林業の収入は?現状と将来性は?

林業に従事する方の平均年収はおよそ350万円程度です。年齢によって給料が上がっていくこともなく、おおよそ300万円程度で推移しています。

この業界の仕事に就くためには、主に3つの方法があります。民間の林業会社に就職する方法、森林組合の現場職員になる方法、第3セクターの職員になる方法です。そのなかでも、最も多いのは森林組合の現場職員です。

森林組合は、森林の所有者がお互いに協力して木を育て、森林を守り育てることを目的にした協同組合。全国の民有林約60%程度の間伐を手がけるなど、存在感の大きい組織です。

これまで林業は、非効率なあまり儲からない仕事と考えられてきました。しかし、近年では、林野庁主導で戦略的に事業が推進されており、国産材を使用した家造りなどのプロジェクトが行われたりと、日本産の木材に対する市場の需要も増えてきています。さらに、最近ではドローンなどを用いた森林管理なども行われる様になってきているなど、効率化も進められています。

 

林業女子とは?

上で説明したことと関連して、最近では森ガールならぬ林業女子が話題になっています。

森林をテーマにしたテレビドラマや映画なども制作されるようになり、話題を呼んだということもあって、最近では学生や主婦、社会人など幅広い女性も林業に関心を持つようになりました。そうしたなかで、実際に活動に参加する女性を指すのが、「林業女子」。

これからどんなに世界が変わっても、木を使った製品が無くなることはないでしょう。家を作るときも、家具を作るときも絶対に木が必要です。木のぬくもりが感じられる家や家具は未だに根強い人気を誇っています。そんな状況の中で、女性もこの業界に興味を持つようになったため、今度は彼女たちによって女性の目線からの斬新なアイディア、デザインの商品などが生み出されていくかもしれませんね。

林業について書かれた児童文学!

林業について子供向けに仕事の内容などをわかりやすく説明したのが本書の特徴です。

子供向けに書かれた本ですが、大人でも楽しく読むことができます。この業界は男性が中心の仕事のように考えられていますが、この本の中では女性が活躍している姿も描かれています。

現在の子どもたちが将来林業に興味を持ってもらえるような内容となっているので、大人から子どもまで、この業界、仕事について基礎から知りたいという方におすすめです。

著者
堀米 薫
出版日
2013-02-01

この本を書いている著者も実際に林業を営んでいるため、説明されている内容も非常に具体的な内容であるというのもおすすめできるポイントです。児童向けの本なので、この仕事の大切さを伝える教科書として子どもたちに読みきかせてあげるのもいかがでしょうか。

林業を営む家庭ならではの葛藤や悩みなどについても非常に詳しく説明されておりので、今後この道で生計を立てる計画がある人にはぜひ一読してほしい本です。

林業で稼ぐやり方を解説!

これまで林業は儲からない仕事であると言われ続けていました。しかし、本書は伐採や搬出を人に任せずに自分でやれば、経費がかからないので、その分十分な儲けを得ることができると書かれています。

高値があまりつかないような細い木でも、薪や木質バイオマス発電燃料として売るなど、様々な工夫をすれば、儲けを出すことは十分に可能です。

著者
出版日
2017-09-28

林業は大量に大きな木を伐採して販売することだけが仕事ではありません。むしろ、小さな木や小さい森しかなくても、工夫次第でいくらでも儲けを出すことはできるのです。

そんな小さな林業で稼ぐコツを丁寧に説明している本書。タイトル通り、軽トラとチェーンソーがあれば誰でも稼ぐことができるということ、そのためのテクニックが惜しげもなく紹介されています。

実際にこの道で生計を立てている人が書いている本なので、説得力も感じられますし、専門用語も少ないので、業界についてよくわからない方でも読み進めやすい内容です。

日本の林業を蘇らせる!

国家戦略室審議官として民間任用された著者が書いた、日本の林業を蘇らせるための戦略が詰まった本です。林野庁が公表した「森林・林業再生プラン」の草案を執筆した筆者が、日本のこの業界の問題点をわかりやすく説明してくれています。

日本は世界に名だたる林業大国になることができるというのが筆者の主張です。その上で非常に具体的な問題点と再生のための戦略が提示されているので、この業界の将来性などについて知りたい方には特にオススメの一冊です。

著者
梶山 恵司
出版日
2011-01-19

これまで林業は国家の戦略としては考えられていませんでした。しかし、この著者が具体的な戦略を提示したことによって、森林・林業再生プランが林野庁から公表されるまでに至ったのです。

その草案に携わった経験のある筆者の本を読めば、今後日本の林業がどこへ向かおうとしているのかがよくわかるはず。マクロな視点であらためて考えさせてくれるような内容となっているので、これから林業をしたいと考えている人だけではなく、現在この仕事に携わっている人にもぜひ読んで欲しい本です。

社会の中で重要な役割を担っている産業の一つである林業。業界を盛り上げようと様々な新しい取り組みが日夜行われています。

この仕事に携わりたいと思ったら、まずは上で紹介した本を参照してみてください。そして、基礎を勉強をした上で、体験などに行ってみるのもおすすめです。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る