『零 影巫女』を最終回までネタバレ紹介!邪霊師が怖すぎなホラー漫画!

更新:2021.11.26

大人気ホラーゲームをコミカライズした本作。背筋がゾッとするような悪霊たちと、時折笑えるような展開がなんともミスマッチで魅力的な作品です。謎解き要素もある本作について、どこに注目したらいいのか、その見所を紹介していきます。

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『零 影巫女』1巻の見所をネタバレ紹介!最悪の合宿の始まり

 

女子大生の鷲月沙羅は、ゼミ合宿の研究テーマになるような学校建築を探すよう、准教授・鴻足水聖に言われます。ネットに出ている重要文化財のようなもの以外から、という指定を受けた彼女は、学校の図書館でゼミを見学に来ていた超常現象カメラマン・龍崎冬星に声をかけられました。

彼はとある写真を彼女に見せます。それは彼女が長年忘れることのできなかった、親友・鳳河音が失踪した事件現場のものでした。彼に渡された写真がきっかけで、ゼミメンバーとともに、通っていた小学校へと赴くことに……。

 

著者
hakus
出版日
2014-09-17

1巻での見所は、大学での親友・白鷺紅湖の部屋で起きた霊的現象と、合宿中の宿泊地である沙羅の実家での出来事ではないでしょうか。

沙羅は、紅湖から助けてほしいという電話をもらい彼女のもとを訪ねるのですが、そのとき彼女が持って行ったものは「射影機」。射影機とは、当時の影巫女だった沙羅の先祖が念を込めたカメラで、悪霊を封じることができる道具のことです。

影巫女とは、邪霊や悪霊を浄化する巫女のこと。彼女の家は影巫女の一族で、彼女はその末裔だったのです。射影機を使い初めて悪霊と退治する場面は迫力があるので、ぜひ注目したいところですね。

次の見所ですが、彼女は実家についた途端、祖母に呼び出され「邪霊師」が敷地内に入り込んだと叱られます。邪霊師というのは、降霊術により悪霊に取り憑かれたり、大切な人の死によって悪を受け入れた人間で、誰もがなる可能性のある悪霊の親玉のようなものです。

祖母曰く、沙羅が家の中へ引き入れたとのこと。彼女に詰め寄ったときの祖母の顔は、彼女こそ悪霊ではないのか……と思えるような形相ですので、ぜひ見てみてください。そんな祖母が、彼女に警告をします。

「死人が出るぞ 必ずや」
(『零 影巫女』1巻より引用)

この言葉はすぐ現実のものに……。同じゼミの同級生・涼森鳩美が姿を消してしまったのです。しかもその消え方というのが、どうにも気味の悪いもの。合宿先までついて来た龍崎のカメラが捉えた事件現場の写真は、身の毛もよだつようなものでした。

『零 影巫女』2巻の見所をネタバレ紹介!生死をかけた邪霊師との闘い

 

沙羅の出身小学校にやって来た一行。小学校はすでに廃校になっていて、その閉鎖された理由というのが何ともゾッとするようなものでした。沙羅の一族のことなどを知っていた龍崎はおそらく調べて知っていたとは思いますが、それ以外メンバーはその事実を知らないため、この小学校をただ古い学校としか思っていない様子。

しかし校門を過ぎる前から、すでに不可解な出来事が彼女たちを襲っていました。沙羅が周りの気配に敏感になるなか、廃墟マニアとして校内を探索していた4人組と合流することに。

 

著者
hakus
出版日
2015-01-09

 

かつての親友を失った場所でもあるプールへと向かった一行ですが、そこへ訪れたことをきっかけに、邪結界という悪霊たちの巣窟に閉じ込められてしまいました。

邪結界を仕掛けたのは邪霊師。兎にも角にも邪霊師を見つけることが大事になってきます。とはいえ、普通にしていれば邪霊師はただの人間。見つけるのは困難です。また、たとえ邪霊師を見つけても、それだけでは結界から出ることはできません。結界自体から抜けるには、他のことも必要だったのです。

2巻で注目したいのは、やはりカメラマンの龍崎。廃墟マニアたちは別ですが、ゼミメンバー、もとい沙羅が小学校を訪れた全てのきっかけは彼です。1巻であった紅湖との一件も外から見ていたなど、沙羅にだいぶ執着している様子がうかがえます。

さらに彼は、プールで起きた出来事についても非常に冷静でした。超常現象カメラマンというだけあり、霊が写り込むような写真ばかり撮っているのが理由かもしれませんが、何やら色々と詳し過ぎるのです。

邪霊師という仲間外れともいえる人物が紛れていなければ、彼ほど頼もしい味方はいないのですが、沙羅はどうしても疑心暗鬼になってしまいます。

悪霊の不気味さや恐ろしさもそうですが、読者としては、誰が邪霊師か推理して探しながら読むドキドキ感がたまりませんね。

『零 影巫女』3巻の見所をネタバレ紹介!小学校に導かれたわけ

 

本巻では、ゼミ組、廃墟マニア組で生き残っているメンバーがついに全員集合します。一行は射影機のフィルムなどを補充するため、写真部へ向かうことに。悪霊たちはカメラのフラッシュ自体苦手なようで、龍崎のカメラで怯ませることもできるのですが、射影機のように浄化することはできないのです。

行き先を決め教室の扉を開けますが、扉を開けた先に待っていたのは、木々が枯れた森と血の池でした。現実の場所と合致しない光景というのは恐ろしいですよね。たとえ結界のなかに閉じ込められ、外に出られないとしても、出口である校門や目指している場所が見えているほうが気持ちが楽なもの。

 

著者
hakus
出版日
2015-06-09

 

本巻では、今までと違った悪霊たちのアプローチが見所となります。血の池などの幻影・幻覚はもちろんそうですが、悪霊は個々の記憶から身近な人の姿をコピーし現れたのです。

幻覚だとはわかっていても、身内の人間が微笑みながら立っていたら、すがらずにはいられませんよね。悪霊に追いかけられて死にそうな経験をしていればなおさらです。ただ、この身内の幻影が現れたことで、ゼミのメンバーがこの小学校にやって来たのが偶然でないことがわかります。

小学校にやって来たのは龍崎がきっかけであることは間違いありませんが、彼らにはそれぞれこの土地と何らかのつながりがあったのです。それは、廃墟マニアのメンバーでも一緒。

ホラー系ではお馴染みの設定のように感じますが、実際関係しているのが、今いる本人たちではない、ということがこの作品のポイントのように思えます。

さらに、邪霊師の心の声が登場します。姿は見えず口調も普通ではないので、この段階で邪霊師が誰か判断することはできませんが、この発言から1人だけ確実に邪霊師ではないことがわかりますよ。

 

『零 影巫女』4巻の見所をネタバレ紹介!キーワードは「写真」

 

幻影だらけの場所で、自分たちが今どこに立っているのかも不明な状況。そんななか、沙羅は1人みんなとはぐれてしまいます。しかし、その単独行動が功を奏し、彼女は真実に一歩近づくことができたのです。

彼女が1人で行った場所は、暗室。写真部があったならば、写真を現像するための場所があるものですよね。暗室に入った彼女は、そこに吊るされた写真たちに目を見張ります。そこには、現在の彼女たちが写った写真があったからです。

 

著者
hakus
出版日
2015-09-09

 

右も左もわからないような場所にいたなか、誰がそんな写真を現像できたのでしょうか。ただ、写真はそれだけでなく、彼女が小学生だったころのものも一緒に飾られていました。

ホラー作品なので、そういったものがあってもおかしくないのですが、なんだか心霊的なホラーというより、ストーカー的な怖さを感じますね。

小学生時代の写真を見た彼女は、この写真を撮ってくれた相手が河音の家族であったことを思い出しました。全てをゆっくり思い出すことは叶いませんでしたが、この写真が、のちのち重要になってくることは間違いないでしょう。

一方、彼女と別れたメンバーたちのほうでは、ある問題が発生していました。彼らの心の隙をついた罠を張られてしまっていたのです。いなくなった仲間や、亡くなった身内の姿をして出てくるなど、悪霊は今までも人の心を揺さぶるような誘い方が多かったですが、これはその最たるものです。

いつ死ぬかもわからない不安な状況で、まともそうなことを囁かれたら、それに耳を貸さずにはいられなくなるもの。悪霊を浄化することができる沙羅がいないなか、彼らは邪霊師の罠にどんな答えを出すのでしょうか。

 

『零 影巫女』5巻の見所をネタバレ紹介!ついに謎解き開始

 

フィルムを補充した沙羅は、2人で行動していたゼミ仲間の鷹鞍潤と雨沼鳴海と合流。そこで彼女は、雨沼を通じて河音と会話することに。河音は死してなお彼女の身を案じ、彼女を無事外に出られるよう導いていたのです。

本作では、謎解きも重要なポイントとなってきます。結界の封印を解くためには、謎を解かなければいけないのですが、5巻ではついにそのパートが始まり、脱出への一歩を進み始めるのです。

 

著者
hakus
出版日
2016-02-09

 

そんな本巻で見所になるのは、やはり謎解きをするところではないでしょうか。沙羅たち3人と、龍崎率いる5人が、それぞれ別の場所で別の謎解きをおこなうのですが、これがけっこう本格的。

ヒントとして何があるのか、一体どう読み解いていけばいいのかというのがとても丁寧に説明されていて、答えを見る前に一緒に謎解きに参加できるのが楽しいところです。ある程度キャラクターたちにわかりやすく説明してもらう必要はありますが、謎自体は知識があれば解けるものなので、ぜひ正解を探してみてください。

また、もうひとつの見所としてあげられるのが、こんな状況になったからこそ芽生えるそれぞれの情です。ところどころ恋愛的な様子が見てとれていましたが、本巻ではそれがより明確に表れています。気持ちの悪い悪霊の描写や、いつ誰が死ぬかもわからない展開のなか、ふと出てくる恋愛的な要素は、読んでいくうえでの休息地点になるので、ぜひ注目したところ。

ただ、この「恋愛」というのはただの息抜きポイントではなく、邪霊師を暴くうえでは欠かせない場面ともいえるでしょう。それぞれが誰に情を抱いているのか確認すると、犯人を暴く手掛かりに繋がりそうですね。

『零 影巫女』6巻の見所をネタバレ紹介!誰も欠けることは許されない

 

それぞれ謎を解いた一行は、次の目的の場所へと向かおうとしますが、龍崎たち5人のほうは、目的の場所が2つに分かれてしまいました。もちろん、正解はどちらか一方ですが、実際行ってみないことにはわかりません。

そこで廃墟マニア組の生き残りである布袋齢児が、二手に別れることを提案してきます。現在彼と行動しているのは全員ゼミメンバーで、彼の仲間は2人も悪霊の餌食となってしまったのです。

彼にとってみれば、自分は仲間の多くを失ったのに、なぜゼミメンバーは多く生き残っているのか。そういう考えてしまいますよね。

 

著者
hakus
出版日
2016-08-09

 

そんな彼の気持ちを汲んでか、彼と一緒に行動することを申し出たのは紅湖。正直、彼女と布袋はなんの武器も持っていないため得策ではないと思いますが、彼の心の苦しみを知った鴻足たちは、それぞれ確認が終わったら合流という形で、1度分かれることに。

しかし、紅湖と布袋は、すぐさま悪霊たちに終われてしまいます。計3つのグループに彼らは分かれましたが、先ほど説明したとおり唯一悪霊に対抗できるものを持っていないのが、紅湖たちです。行く手を阻まれた2人は、果たして悪霊の群れから抜け出すことができるのでしょうか。

また本巻には特別編が収録されていて、それにもぜひ注目したいところ。特別編もまた悪霊に関するホラー話なのですが、そこには沙羅と河音の出会いから、仲良くなるまでが描かれていて、2人の過去を知るためには見ておきたいものです。

沙羅がなぜそこまで河音のことを気にしていたのか、河音がなぜ「水」に関するところばかりに表れるのか、物語の本質に関わるものではありませんが、沙羅にとって写真がキーポイントだったように、河音にとっては水がキーポイントであることがわかるお話となっています。

 

『零 影巫女』7巻の見所をネタバレ紹介!無事脱出することはできるのか

 

それぞれ次のヒントを得て向かった先は学校の図書室。気絶をして待機しているメンバー以外は、みんながその場へと集まりました。ついに最終決戦のとき。ここで邪霊師の正体を暴き、謎解きの全ての答えと真実を提示しなければ、結界から抜け出すことは不可能です。

全員で集めたヒントを照らし合わせながら、必要な答えの全てを探り当てようとします。「全員で」というのがポイント。邪霊師は学校に入ったメンバーを逃がすつもりは毛頭ないため、答えを示す手伝いをするわけないですよね。

 

著者
hakus
出版日
2017-09-08

 

沙羅は影巫女の末裔として持ち得る情報をすべて使い、最後の答えを導き出すために必要なものを見つけます。そして、それを全員で集めるのですが、邪霊師が混ざっていたら当然間違ったものを差し出しますよね。

もちろん、邪霊師の正体を暴く証拠として、手伝いをしない、嘘の情報を教えたというのは決定力に欠けます。しかし、重要な要素です。この場面では、読者にも怪しい人間をわからせるセリフが使われているので、ほかのキャラクターのセリフと見比べながら確認してみてください。

そして、決定的な証拠として必要になるのが「写真」。メインの主人公2人がカメラを持っていることからわかりますが、この作品にとって写真は欠かせないもの。果たして写真のなにが、邪霊師を暴く証拠となるのでしょうか。

最終回では、邪霊師と沙羅が直接対決を果たします。ただ、彼女の当初の目的は邪霊師退治ではないですよね。彼女が望んでいた答えを全て得られたのかはわかりませんが、ずっと抱えていた心のつかえは取れたのではないでしょうか。

彼女はあまり地元にいい思い出がなさそうでしたし、今回のことでもあまりいい思いはしていません。しかし1番のわだかまりがなくなったことで、昔より地元や影巫女としての自分の立場を受け入れらたのではないかと考えられます。

 

ホラー漫画でありながら、ただ怖いだけではなく、ちょっと笑えたり、ホッとするような場面も多い『零 影巫女』。ぜひ日が高いときに読んでみてください。


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