澤口俊之のおすすめ書籍5選!テレビでも活躍する脳科学の第一人者

更新:2021.11.15

高次脳機能を専門とする認知神経科学者、澤口俊之。テレビ番組などでも活躍しているので、顔を見たことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、脳のメカニズムや脳育についてわかりやすく語ってくれている彼の作品を厳選してご紹介していきます。

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澤口俊之とは

 

1959年に東京都葛飾区で生まれた澤口俊之。北海道大学を卒業した後、京都大学大学院に進学し、大脳生理学の権威である久保田競の門下で理学博士の学位を取得しました。

高次脳機能を専門とする認知神経科学者で、脳の育成という面にも注目し、株式会社人間性脳科学研究所を設立。所長を務めつつ、脳力アップのための教育ソフトの監修や民間企業の研究顧問を担当し、脳に関するさまざまな書籍も発表しています。

難解な脳の仕組みを簡単な言葉や具体例を出して解説するためわかりやすく、テレビ番組への出演も多数。多くの人に親しまれています。

澤口俊之が常識を根底から覆す『発達障害の改善と予防: 家庭ですべきこと、してはいけないこと』

 

発達障害は生まれつきの障害だから改善も予防もできない、という昔ながらの常識を「非科学的である」「ロジック自体が破綻している」と切り捨て、脳科学の観点からあらためて障害の予防や改善についてまとめた作品です。

具体的な事例を多数紹介しているほか、予防という観点から脳の成長を阻害しない妊娠中の過ごし方、7歳までの育児などについても触れているので、脳育の本としてもおすすめです。

著者
澤口 俊之
出版日
2016-01-27

 

「発達障害は脳機能障害であり、低下ないし障害されている脳機能を適切な方法で向上させれば発達障害は改善できる、ということです。『適切な方法』を日常的にすれば改善のみならず『予防』も(当然ながら)できます。 発達障害には様々な症状や診断名があるのは事実ですが、脳科学的にはごくシンプルで、すべての発達障害を『脳機能障害』として扱えます。」(『発達障害の改善と予防: 家庭ですべきこと、してはいけないこと』から引用)

予防をするためにはスマホを避ける、よい食事をとる、家庭内不和や離婚は悪影響である、妊娠中は喫煙しない、母乳で育てるなど、ひとつひとつの項目は目新しくはないものの、発達障害と関係があることに驚くかもしれません。脳科学の見地から解説され、説得力があります。

脳の育成と改善については、月齢別に出産直後から7歳まで細かく分類されていて、育児書としても参考になるのではないでしょうか。どれも家庭内でできることなので、お子さんがいる方や妊娠中の方にぜひ手にとっていただきたい一冊です。

自分の脳の傾向がわかるSQテスト付き『夢をかなえる脳』

 

夢をかなえる力、成功するカギは脳にあるとし、「成功脳指数SQテスト」で脳力を数値化、効果的に脳力をトレーニングして成功脳を作ろうというコンセプトの一冊です。

自分の脳の傾向もわかるほか、子どもの脳の成長や発育についても書いてあるので、子育て中の方にもおすすめです。

著者
澤口俊之
出版日
2011-12-01

 

本書の特徴は「成功脳指数SQテスト」という、成功し夢をかなえるのに必要な脳の力を測定するテストがついていること。この結果を踏まえて成功脳を作るために必要な項目を読み込み、トレーニングを実践していく仕組みです。

テストは、「SQ1・未来志向的行動力」「SQ2・社会関係力」「SQ3・流動性能力」「SQ4・結晶性能力」の4項目に分かれていて、自分の脳には何が必要なのかがわかるようになっています。

脳のメカニズムではなく、あくまでも成功脳を作るという一点に着目しているので、カテゴリーとしては自己啓発本になるでしょうか。夢をかなえたい人はもちろん、自分の弱点や傾向を知りたい方にもおすすめの一冊です。

澤口俊之が提唱するHQ育児法について学べる一冊『「やる気脳」を育てる』

 

子どもの「やる気」を引き出し、目的を達成する力を育てるための工夫や知識について、脳科学の観点から理論的に解説する育児書です。

目的があればやる気を出すことができる、褒められると好きになり好きになるとやる気が出る、小さな成功体験をくり返すことで決断力が育つなど、感覚的に理解していることを科学的に裏付けしてくれています。

著者
澤口 俊之
出版日
2012-02-29

 

「HQに関する理論を『HQ論』と言います。HQ論に基づく幼児教育法が『HQ育成法』です。この科学的幼児教育法によって、当然ながら、子どもたちの脳力、とくにHQが向上します。 HQ育成法を適用した子どもたちは、いまだ少ないですが、小学校で『逆差別』を受けるほどに優秀です(優秀すぎて、先生に相手をしてもらえないそうです)。」(『「やる気脳」を育てる』から引用)

脳のなかでも前頭連合野が司る人間らしさの知能「HQ」。この力を伸ばす教育を、脳の発達段階において取り入れることを提唱しています。

いくらIQが高くても、HQが低いと社会的にうまくいかないという例を提示し、子どものHQを伸ばして総合的な人間力を育てていく方法について解説。ひとつひとつの項目は短く、また語り口もわかりやすいので、気張らずに読むことができるでしょう。

澤口俊之が語る脳教育の決定版『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』

 

乳幼児期から8歳までの子どもを対象にした「HQ」を伸ばすための脳教育書です。

先に紹介した作品と比べると理論的な説明が多くされているので、知識をきちんとつけて納得してから育脳を考えたい方におすすめです。また子育てをしているわけではないけれど、育脳について体系的に学びたい方にもうってつけでしょう。

著者
澤口 俊之
出版日
2009-02-20

 

澤口俊之自身が、子どもの脳育成についての基幹となる一冊にするつもりで書いたとしているとおり、脳とは何か、ニューロンとは何か、環境が神経回路におよぼす影響にはどのようなものがあるのかなど、図説を交えながら詳しく記しています。

育児本などに書いてあるアドバイスも、本書を読むとなぜそうするべきなのかが理論的にわかるようになります。さまざまな情報に翻弄されてしまいがちな人は、根本から脳教育を知ることで自分の家庭に必要な情報を取捨選択できるようになるでしょう。

澤口俊之と阿川佐和子の爆笑タッグ『モテたい脳、モテない脳』

 

脳はモテるために進化したのか、男と女はなぜ違うのかなど、脳に関するさまざまなことについて澤口俊之と阿川佐和子が語りつくす対談集です。

身近な疑問や意外な豆知識などを、2人の掛け合いを読みながら自然に学ぶことができます。

著者
["澤口 俊之", "阿川 佐和子"]
出版日
2014-12-03

 

阿川佐和子は『聞く力―心をひらく35のヒント』が大ベストセラーとなった人物。澤口俊之の面白さをグイグイと引き出してくれています。

人間だけが対面で性行為をおこなう理由、乳房が発達した理由、愛は4年で冷める、いい女の黄金比率など、テーマはどれも身近で興味をもって読めるもの。そこから脳科学や遺伝子の本質的なことを説明しています。

とにかく2人の掛け合いが笑えるので、普段あまり文章を読まない人でも楽しく読むことができるでしょう。

脳科学や育脳教育法などというと難しく感じてしまいますが、澤口俊之の著作はどれも身近な具体例をあげて書かれているので、わかりやすいのが特徴です。脳に興味のある方、育児中の方はぜひお手に取ってみてください。

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