『ある日犬の国から手紙が来て』の魅力を3つの話からネタバレ紹介!【無料】

更新:2023.3.10

『ある日犬の国から手紙が来て』は少女漫画誌「ちゃお」で連載されている、竜山さゆりのメルヘンチックな作品です。飼い主と愛犬の心の交流、その避けられない別れ。そして後にひっそり「奇跡」が送られてくるという、感動的な物語が描かれています。 今回は、愛犬家必読の本作の魅力をご紹介したいと思います。漫画アプリ「マンガワン」でも閲覧出来るのでぜひどうぞ!

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『ある日犬の国から手紙が来て』とは?

 

2009年に出版された、同じタイトルの本が原作。田中マルコ著、松井雄功がイラストを手がけるそれは、絵本のような不思議な物語でした。

それも元は、両作家が運営しているインターネット上のサイト「犬の国ピタワン」が原点です。

 

著者
竜山 さゆり
出版日
2012-04-27

 

「犬の国ピタワン」は10年以上も続く、柔らかい絵柄が特徴の犬専門の人気サイト。ここで綴られていた断片的な物語を膨らませたのが『ある日犬の国から手紙が来て』の物語です。

漫画版は2012年から「ちゃお」で連載されてます。誌上人気は高く、2015年にはアニメ化されて雑誌の付録として発表されました。

本作は愛犬家必読の作品です。それがなぜかは、これから少しずつご紹介していきましょう。

 

『ある日犬の国から手紙が来て』の見所1:犬好きは落涙必至!死後の犬たちに思いをはせる

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2012-12-26

どの人にとっても我が家の愛犬は世界一愛しい存在です。彼あるいは彼女達との生活、過ごした日々は何物にも代えられません。

しかし、人間や犬が生き物である以上、別れの時は必ず訪れます。大抵の場合、愛犬が先に旅立ってしまい、飼い主は思い出を胸に生きていかなくてはなりません。

本作の主人公も、そんな状況に置かれてしまいます。そうして悲嘆に暮れる彼らの下へ、どこからともなく1通の手紙が送られてくるのです。

それは亡くなって「犬の国」に行ってしまった愛犬からの手紙でした。この世界のどこかの空の向こうには、こことは違う犬だけの国があって、彼らはそこで幸せに暮らしているのです。手紙を受け取った飼い主は、愛犬が幸せなのを知って生きる活力を得る――というのが、本作の大まかなストーリーとなっています。

本作はあくまでファンタジーであり、メルヘンです。ですが、こうだったらいいな、と思えるところが素敵な作品となっています。

『ある日犬の国から手紙が来て』の見所2:とにかく登場する犬たちが可愛い!

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2013-10-01

本作は基本的に、1話完結の短編形式となっており、毎回の登場人物と犬は異なります。時折、ストーリーと前後する登場人物がゲスト的に登場することもあり、世界観の繋がりと広がりを感じさせてくれるものです。

飼い主の年齢や事情もさまざまなら、登場する犬も多種多様。大きな犬から小さな犬まで、愛情一杯に描かれます。共通しているのは、全ての犬が優しい子だということです。

また画風で特にデフォルメされることもなく、犬がわりとリアルタッチなのも特徴。「犬の国」では2足歩行になって洋服を着るのですが、それはそれでぬいぐるみのような愛らしさがあります。

 

小さな白衣の天使【リリー】

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2014-07-25

主人公の女の子マリは5年前、ペットショップで子犬選びをしていました。そこで運命的に出会ったのがリリーです。マリとリリーはいつも仲良し。リリーはマリの行くところなら、どこへでもついていこうとします。

成長して高校生になったマリには、獣医になるという夢がありました。リリーが年老いてもずっと看病出来るからです。

そんなある日、マリは急に倒れてしまいました。生死に関わる重い病気でした。手術の日、マリの夢の中に、親戚に預けられているリリーが現れて彼女に「もう大丈夫」と告げました。そして同じころ、生まれつき心臓に欠陥のあったリリーは亡くなったのです。

マリの手術は奇跡的に成功し、快復に向かいます。しかし、リリーの最期の気持ちに思い悩むマリ。そんな彼女に「リリー」が差出人となっている手紙が……。

本作の第1話のお話です。飼い主と愛犬が互いに想い合い、未来に向かって支え合おうとする感動的な物語でした。

虹の架け橋【ピーター】

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2015-04-01

この世界の空の向こう、虹の彼方に死後の犬が幸せに暮らす「犬の国」があります。犬達のなかには、生きながらその国に行くことの出来る方法、道があると信じているモノもいました。

ある時、あるところ。駄菓子屋でたむろしていた少年少女達が、いつもは寡黙な店主の老婆に声をかけられました。腰の悪い自分に代わって、ブチ犬のピーターの散歩をしてほしいと言うのです。

ピーターはキャッチボールのボールが宝物という変わった犬でした。そしてさらに変なところがあって、子供達が散歩させると途中でどこかへふらりと駆け出していくのです。まるで何かを探すように。

子供達はピーターを信じてリードを離し、好きにさせていたのですが……ある日、ピーターが行方不明になりました。必死で探した子供達はようやく神社の裏手で彼を見つけるのですが、再び忽然と消えてしまうのです。明くる日ピーターは戻ってきており、子供達は不思議な体験に首をかしげます。

2年後、ピーターは寿命で亡くなりました。ところが悲しむ子供達の前に、見覚えのある犬がふらりと現れ……。

不思議な読後感のあるお話です。ピーターの行動が物語全体で見ても重要で、その点でも特異なエピソードとなっています。

トップランナー【マキオ】

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2015-07-01

主人公の結衣は「本の虫」といえるほど、本好きの女の子。それ以外に興味を抱くことはなかったのですが、偶然ペットショップで目のあったパセンジーに一目惚れ。マキオと名付けて可愛がります。

マキオは結衣と対称的に、散歩好きのアクティブな犬でした。結衣はマキオをとおして、本では知ることの出来ない外の世界に目を向けるようになります。

彼女が変われたのも、頑張れるようになったのも、マキオのおかげでした。しかし、中学3年生のある時、結衣は体調不良から心にもなくマキオにつらく当たってしまいます。すぐに仲直りしようとするのですが……。

愛犬は生きている時も、死後ですら飼い主に寄り添ってくれることがわかるエピソードです。飼い主と愛犬はどちらが偉いということもなく、互いに引っ張っていく存在なのでしょう。

 

『ある日犬の国から手紙が来て』を無料で読んでみては?

著者
["竜山 さゆり", "松井 雄功", "田中 マルコ"]
出版日
2018-06-29

いかがでしたか? 愛犬家には胸に突き刺さるお話ばかりです。『ある日犬の国から手紙が来て』、ぜひとも読んでみたくなったのではないでしょうか?

最初にも少し触れましたが、本作は「ちゃお」だけでなく漫画アプリ「マンガワン」で絶賛無料連載中です。気になった方はぜひともアプリをダウンロードして、ご覧になってみてください。

愛犬との別れはどうしてもつらくなるものですが、本当に「犬の国」があれば素敵ですよね。


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