小島慶子のおすすめ本5選!ラジオでも大活躍のマルチタレント!

更新:2021.11.15

テレビ番組やラジオパーソナリティの印象が強い小島慶子ですが、実は雑誌連載を多数抱え、著作も発表しているエッセイストでもあります。オーストラリアに住みながら日本で仕事をするというライフスタイルにも注目。この記事では彼女の作品のなかから特におすすめのものをご紹介していきます。

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小島慶子とは

 

1972年生まれ、オーストラリア出身の小島慶子。大学を卒業した後にTBSへアナウンサーとして入社。バラエティー番組や報道番組に出演したほか、ラジオでは自身の名前を冠した番組を担当するなどパーソナリティとしても活躍しました。

はっきりとした物言いや独特の感性、軽快な語り口のエッセイに定評があり、雑誌での連載を担当するほか著作も多数発表。幅広い読者から人気を博しています。

子どもの頃はシンガポールや香港で暮らした経験があり、2018年現在もオーストラリアに在住。仕事がある時に日本に来るという「出稼ぎ」スタイルにも注目が集まっています。

小島慶子の大人気エッセイ『女たちの武装解除』

 

雑誌「VERY」に連載されているコラムをまとめたエッセイ集です。

女性たちの見栄や虚勢に鋭く切り込んだエッセイのほか、性科学者の宋美玄、作家の高橋源一郎との対談、小島家の家庭訪問ルポ、五月女ケイ子書きおろしコミックを収録した読みごたえのある内容になっています。

著者
小島 慶子
出版日
2012-08-18

 

30代から40代の主婦をターゲットにした雑誌「VERY」での人気連載「もしかしてVERY失格⁉」を一冊にまとめたもの。

セレブ層の暮らしやファッションを扱う誌上で、身に着けるものや旦那など自分の周りのものでマウントを取り合う様子を一刀両断するさまは、痛快そのもの。ただそれだけでなく、ときに優しい口調で諭してくれることもあるので、つい読み進めてしまうのです。

女性読者を対象としていますが、「女って何を考えているのかわからない」と思っている男性にもおすすめ。女心の裏側を覗けるのではないでしょうか。

小島慶子が幸せについて語る『気の持ちようの幸福論』

 

小島慶子が、自分自身が信じる生き方や幸福、希望について語るエッセイ集です。

傷つき、悩んでいる若い女性に向けてのエールを思わせる内容で、視点を変えてみることでやがては人生も変わっていくことを気づかせてくれます。

著者
小島 慶子
出版日
2012-03-16

 

3章立てになっていて、それぞれ「メディア」「世間」「他者」と小島慶子にまつわるエピソードが綴られています。

幼少期に直面した問題や不安障害など、彼女の体験が赤裸々に記されているので驚いてしまうでしょう。ただどれも彼女が体験し、克服してきたものなので、読者の心に響くのです。

「極端な言い方ですが、たまたま私の体には子宮がついていて、第二次性徴期におっぱいが膨らんできて、自意識も「女」だと思っているみたいだから、じゃあ私は女なんだな、くらいのものです。」(『気の持ちようの幸福論』から引用)

世間にあふれる「女性」を前提とした幸福論に対し、真っ向から立ち向かう本作。価値観の束縛から解放され、希望の見つけ方がわかるかもしれません。

オーストラリアと日本を往復する母の奮闘記『大黒柱マザー』

 

夫の退職を機に家族そろってオーストラリアへ移住することを決めた小島慶子。彼女自身は、仕事のために日本とオーストラリアを往復するというライフスタイルをとっています。

いったいその暮らしはどのようなものなのか、オーストラリアの自宅写真や生活情報などを交えつつ紹介している作品です。

著者
小島 慶子
出版日
2014-12-10

 

オーストラリアのバースに生活の拠を構え日本で仕事をする、というライフスタイルの奇抜さに目を奪われがちですが、本書を読むと小島慶子が大切にしているのは「家族の形」であることがわかります。

前書きで彼女は、「予測しなかった出来事にうろたえている人や将来が心配で仕方のない人にこの本読んで欲しい」と語っています。彼女自身が同じ思いを抱え、家族との関係を一から作り直したそうなのです。

夫と2人の子どもといかにして向き合い、絆を深めていくか。オーストラリアと日本を行き来しながら、家族を支えていく責任感や重圧を綴る文章からは、強い覚悟と愛情を感じることができるでしょう。

小島慶子と田中俊之が男の生きづらさについて語る『不自由な男たち その生きづらさは、どこから来るのか』

 

小島慶子と、男性学の専門家である田中俊之の対談本。男の生きづらさやレッテルなどについて語っています。

著者
["小島慶子", "田中俊之"]
出版日
2016-06-01

 

小島慶子の作品は女性向けの印象が強いですが、本書で語るのは「男性」について。

男性というだけで仕事で成功することを期待される、定年まで働くことが当然だとされる……そしていざ定年を迎えると、いったいこれまで何のために働いてきたのか、これから何をすればいいのかわからず虚無感に襲われてしまう人が多いそうです。

男性に不自由を強いている風潮は、同じように女性にも不自由を強いているという現実を述べつつ、双方がお互いに自由を手に入れるための提案や、新しい働き方について語っています。

小島慶子が描く長編小説『ホライズン』

 

小島慶子の長編小説です。

舞台はオーストラリア。夫の海外赴任や現地の人との結婚など、さまざまな理由でオーストラリアに住んでいる日本人。自然とコミュニティができますが、夫の職業や住居地、子どもの有無などによって暗黙のうちにメンバーが序列化されていきます。

本書は、そんな世界でそれぞれに悩みや葛藤を抱えている女性を描いた作品です。

著者
小島 慶子
出版日
2017-04-20

 

実際にオーストラリアで暮らしているからこそ表現できる、美しい自然や街並みと、コニュニティの息苦しさのコントラストが光ります。

小島慶子自身は、現地の日本人コミュニティとは無縁でまったくのフィクションだそうですが、やはりリアリティは抜群。登場人物はそれぞれ性格や立場が異なり、物の受け取りかたや行動も多種多様。個性が際立って描かれています。

日本に住んでいても海外に住んでいても、コミュニティから逃れることはできません。人間関係の在り方を考えるとともに、傷つき傷つけあいながらも、自分なりの方法で捕らわれている葛藤から抜け出すことのできる勇気をもらえる作品です。

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