童話「オオカミ少年」で少年は何と叫べばよかったのか?教訓や結末も紹介

更新:2021.11.16

イソップ童話のひとつ「オオカミ少年」。くり返し嘘をついていると、やがて周囲の人から信用されなくなってしまうという大切なことを教えてくれています。この記事ではあらすじと教訓を紹介したうえで、本当にオオカミがやって来た時に少年は何と叫べばよかったのか、考察していきます。あわせておすすめの絵本などを紹介するので、ぜご覧ください。

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童話「オオカミ少年」のあらすじと結末、意味を紹介

 

イソップ童話のひとつ「オオカミ少年」。「嘘をつく子供」というタイトルでも知られています。ではまずあらすじを簡単に紹介していきましょう。


ある村に、羊飼いの少年が住んでいました。退屈しのぎに「オオカミが来たぞ!」と叫んでみると、大切な羊が襲われたら大変と、大人たちが武器を持って大慌てで飛び出してきます。しかしオオカミはどこいもいません。

大人たちは少年を叱りますが、少年はその後も懲りることなく嘘をついては、慌てる大人たちの姿を見て面白がっていました。

ところがある日、本当にオオカミが現れます。少年は慌てて「オオカミが来たぞ!」と叫びましたが、もう大人たちは誰も彼の言うことを信じてくれません。

結局助けは来ないまま、大切な羊たちは皆オオカミに食べられてしまったのでした。


このあらすじから転じて、「オオカミ少年」という言葉は、嘘をくり返して信用されなくなった人という意味をもつようになりました。

童話「オオカミ少年」から学べる教訓は?

 

この物語から学べる教訓としてまず挙げられるのは「意味のない嘘をつくことの愚かさ」です。

嘘にもさまざまな種類があり、やむを得ない場合もあるでしょう。また誰かを傷つけないためにつく嘘もあるはずです。しかし、この童話のオオカミ少年のように、必要のない虚言をくり返すことは何の得にもならないばかりか周囲の人に迷惑をかけることになり、最終的には自分の身をほろぼしてしまうことになりかねないのです。

そしてもうひとつ、村人たちの行動からも教訓を得ることができます。それは、「先入観に囚われてしまうと失敗を招く」ということです。

何度も嘘をついた少年自身の責任はもちろんありますが、本当にオオカミが来た時も、少年の言葉を嘘だと思いこんでしまった村人たちにもまた問題があると考えることができます。その結果彼らは大切な羊をすべて失うことになってしまったのです。

もしかしたら本当かもしれない、という可能性をわずかでも考えることができたら、結果は変わっていたでしょう。

少年の行動にばかり注目してしまいがちですが、村人たちの行動にも目を向けてみると、先入観によって決めつけてしまうことの恐ろしさも感じられます。

しかし、何度も嘘をつかれ続けてしまったら、信じる気持ちがなくなってしまうことも理解できます。そこで最後に学べる教訓は、「1度失ってしまった信用を取り戻すのは難しい」ということでしょう。

童話「オオカミ少年」で少年は何と叫べばよかったのか考えてみる

 

「オオカミが来た!本当なんだ!」本当にオオカミがやって来た時にこう叫んだ少年。しかしそれまで嘘をつき続けていたため、誰も助けにきてくれませんでした。ではこの時、少年はどのように叫べばよかったのでしょうか。

重要なのは、実際に起きている危機的状況をリアルに伝えることです。いつもと同じことを言っていても、また嘘をついていると思われるだけでしょう。

たとえば「羊が何匹か殺されてしまった」など、すでに事件が起きてしまったことを伝えると、いつもと違うと感じてもらえるかもしれません。

また、言葉ではなくただ泣き叫ぶ声をあげるという方法もあります。人間は本当に追い詰められると、言葉が出なくなってしまうことがありますよね。いつもと様子が違う、と村人たちに感じさせることがもっとも有効なのではないでしょうか。

嘘を重ねてなくした信用は、なかなか取り戻すことはできません。みなさんも「オオカミ少年」を読んで、彼がどのような行動をとれば助けてもらえたのか考えてみてはいかがでしょうか。

「オオカミ少年」の教訓がストレートに伝わる絵本

著者
蜂飼 耳
出版日
2009-09-26

 

文章を手掛けるのは、「中原中也賞」や「芸術選奨文部科学大臣賞新人賞」などを受賞している詩人の蜂飼耳。わかりやすい文章で、小さいお子さんでも理解できるようになっています。

「嘘ばかりついていると信用されなくなってしまう」という大切な教訓を、シンプルに伝えられるでしょう。

穏やかなテイストのイラストも魅力的。親子で学べる絵本です。

初めてイソップ童話を読むお子さんにおすすめの絵本

著者
["イソップ", "照沼 まりえ"]
出版日
2002-01-01

 

アニメーションのイラストでイソップ童話の物語を気軽に楽しめる一冊です。「オオカミ少年」のほか、「金のおの銀のおの」「いなかのねずみとまちのねずみ」「きつねとつる」の有名どころが収録されています。

かわいらしいイラストなので、最後まで集中力を切らさずに読める作品です。それぞれの物語に教訓が詰まっているので、読んだ後にお子さんと感想を言い合うのもよいでしょう。

「オオカミ少年」など馴染みのある物語で英語を勉強!

著者
イソップ
出版日
2005-07-01

 

「ラダーシリーズ」と呼ばれる本作は、やさしい英単語を使って多読を目指す英文リーダーです。英語の本というと敬遠しがちですが、「レベル1」は中学校で習う単語を中心に構成されているので安心でしょう。巻末には単語リストもついているので、辞書が手元になくても読むことができます。

英語のリーディングは、とにかく文章をたくさん読んで慣れることが大切。イソップ童話はひとつひとつの物語が短く、またストーリー自体は慣れ親しんだものなので、物語の内容を英語で理解するのに最適です。「オオカミ少年」のほか、「北風と太陽」「ウサギとカメ」などが収録されています。

楽しく効率的に英語を学びたい方におすすめの一冊です。

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