言葉遊びの絵本おすすめ5選!幼児から小学生まで、単語や表現を学ぼう

更新:2021.11.17

言葉遊びとはその名のとおり、言葉を使って遊ぶこと。楽しみながら、子どもの語彙力や表現力を向上させる効果があります。この記事では親子で楽しめるおすすめの絵本を厳選してご紹介します。

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言葉遊びのくり返しが心地よいロングセラー絵本『さる・るるる』

 

1980年に発表されたロングセラー絵本 『さる・るるる』。『みんなうんち』、『きんぎょがにげた』など数々の名作を生み出してきた絵本作家、五味太郎の作品です。

物語は、朝、さるがベッドから起きるところから始まります。りんごを取ったり、竹馬から落ちてけがをしたり、彼の1日は刺激的な出来事がたくさん。

さる・くる 
さる・みる
さる・ける
さる・とる(『さる・るるる』より引用)

本書の特徴は、その言い回し。「さる・〇る」という文章の連なりで、言葉遊びをしながらストーリーが進んでいきます。

 

著者
五味 太郎
出版日

 

リズムとテンポの良さが心地よく、読み聞かせにぴったりの絵本です。1文字を変えるだけで、全然違う意味になることを実感し、言葉自体の面白さを感じることができるでしょう。1度読むと癖になり、ついつい「さる・るるる……」と口ずさんでしまうかもしれません。

イラストは脱力感のあるゆるくてかわいいもの。さるの表情にもぜひ注目してください。

読後は、お子さんと一緒に語尾に「る」がつく言葉を自由に考えてみるのもおすすめです。

 

ダジャレのオンパレードで言葉遊びができる絵本『だじゃれどうぶつえん』

 

1999年に出版された、中川ひろたかと高畠純の作品。「だじゃれ」シリーズの第1作目です。動物にちなんだだじゃれが、かわいらしいイラストとともに28選載っています。

カエルがひっくり返って「ひっくりカエル」、ダンスをするサルが「サルウィーダンス?」と、わかりやすいものからひねりのきいたものまでさまざま。大人も子どもも無条件に楽しめる、ユニークな一冊です。

 

著者
中川 ひろたか
出版日
1999-04-01

 

だじゃれとは「布団がふっとんだ」のように、似た音の言葉をうまくかけあわせて文を作る言葉遊びです。語彙力が増える子どもの時期にたしなむと、頭を柔らかく活性化させてくれるでしょう。

本書の最大の特徴は「わかりやすさ」です。言葉だけではわかりづらいだじゃれも、イラストと一緒に見ることで、小さな子どもでもすぐに理解できるようになっています。

また味のあるとぼけたイラストが、力の抜けただじゃれに絶妙にマッチ。思わず笑顔になってしまう不思議な融合を楽しんでみてください。

 

大人気!しりとりで言葉遊びができる絵本『しりとりしましょ!-たべものあいうえお』

 

本書は、歌って遊べる絵本を数多く作り出している絵本作家、さいとうしのぶが手掛けた、しりとりの言葉遊び絵本です。しりとりバスのバス停を出発したら、「たべものしりとりあいうえお」の始まり。

しりとりしましょ
おつぎはこ
コロッケ
ケチャップ
プリン!(『しりとりしましょ!―たべものあいうえお』より引用)

残念、「ン」がついてしまったけれど……この後どうなるかはぜひ実際に確かめてみてください。

 

著者
さいとう しのぶ
出版日

 

なんと142ページというボリュームで、とにかく出てくる食べ物の多いこと多いこと。しりとりを楽しみながら読むだけで、自然とたくさんの言葉を知ることができます。

ひとつの文字に対して、しりとりが4~5つ続き、最後のたべものは次にしりとりを始める五十音で終わっているのもお見事。登場するたべものたちは表情豊かで、列をなしてページに並んでいる様子もかわいいです。

イラストは細部まで書き込みがされているので、読み込み要素も満載。何回もくり返し楽しめます。

 

ユニークなくだものと軽快な文章が癖になる『くだもの だもの』

 

石津ちひろが文、山村浩二が絵を担当した作品です。

ある日、くだものたちは海水浴をするために海に出かけました。個性豊かな彼らは、思い思いに真夏の海を楽しみます。

かいすいよくにはいかないすいか 
キウイうきうきうきわでおよぐ
マンゴーのまご まごまごまいご(『くだものだもの』より引用)

韻を踏んだ軽快な文章が人気となり、『おやおや、おやさい』『おかしなおかし』と、続編の言葉遊び絵本も発表されました。

 

著者
["石津 ちひろ", "山村 浩二"]
出版日

 

つやと張りのあるカラフルなくだものたちは、とってもおいしそう。丸い目も愛嬌があり、かわいいです。

迷子になったり、おすもうをとったりと、彼らの海水浴はあっと驚くことばかり。それらのイラストとともにリズムのよい文章を読むことで、自然とたくさんの言葉を覚えることができます。

くだものという身近な題材を使っているので、日常生活にも取りこみやすいでしょう。

 

言葉遊びとともに言葉のもつ力を考える絵本『ことばのかたち』

 

ふわっとした優しい世界感の絵本を生み出してきた作家、おーなり由子の作品です。

もしも 
話すことばが目に見えたとしたら 
どんなかたちをしているだろう 
たとえば 
うつくしいことばは花のかたち 
色とりどりの花びらとなって 
くちびるからはらはらまいおちる(『ことばのかたち』より引用)

私たちが発する言葉に、もしも色や形があって目に見えるとしたら。自分の言葉は相手にどう映っているのでしょうか。

 

著者
おーなり 由子
出版日
2013-07-26

 

ことばにかたちはありません。かたちが無いものなのに、相手を癒すこともあれば傷つけることもあるのです。

だれかを傷つけることばが
針のかたちをしているとしたら
どうだろう(『ことばのかたち』より引用)

誰かを傷つける言葉は、相手を針で刺していることと同じこと。刺された場所は痛くて血がにじんで、治りが悪ければ傷跡が残ることもあります。

大人も子どもも、生きていくうえで大切な想像する力を養うことができるでしょう。

 

言葉遊びは幼児から小学生くらいの子どもにとって、将来の身になる遊びです。使える言葉や知識が増えれば視界も広がり、感受性も豊かになるでしょう。絵本を使えば、親子でコミュニケーションをとりながら楽しく学ぶことができます。ぜひ一緒に読んでみてください。

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