お父さんに会いたくなる!グッとくる「父親」の姿を描いたイチオシ漫画5選

更新:2021.11.19

6月には父の日がありましたが、お父さんに感謝の気持ちを伝えた人はどれくらいいるでしょうか。実は母の日と比べて父の日は、プレゼントを贈る率が低いのだそうです。気恥ずかしくて何もできなかった人こそ、今回紹介する「お父さん」が活躍する漫画を読むと、日頃なかなか言葉にできない「ありがとう」を言いたくなるかもしれません。

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「いつも頑張っているお父さん」を気づかせてくれる

 

6月は父の日がありましたが、何もできなかったという方もいるかと思います。そこで、お父さんの頑張りを今一度振り返るきっかけとして、「父親」がテーマの漫画はいかがですか?

魅力的なお父さんが登場するとっておきの漫画を紹介していきます。読めばきっと親孝行をしたくなる!お父さんと2人で読んで、感想を言いあうのもいいですね。父の日は過ぎてしまいましたが、感謝の気持ちを伝えるのはいつだっていいはずです。

まずは、お父さんとのなにげない日常を描いた作品を3つご紹介します。

お父さんのくすりとするエピソードを思い出す『響子と父さん』

 

イラストレーターの響子とそのお父さんを中心とする、4人家族の日常を描いた『響子と父さん』。

菜箸の便利さに驚き、時代劇好きが高じて庭で摸造刀を振り回し、娘の恋人には小さな意地悪をしてしまう……。そんな等身大のお父さんの姿に、つい自分の父親の姿を重ねてしまうかもしれません。

作者は、『それでも町は廻っている』や『天国大魔境』で有名な石黒正数。その構成力は抜群で、誰もが共感できるような日常の暮らしとギャグを両立させています。

時おり差し込まれる家族の思い出には、思わずほろりとさせられたり、くすりとさせられたり……心をエモーショナルに揺さぶられる一冊です。

著者
石黒 正数
出版日
2010-03-13

心をポッと温かくしてくれる、おいしい料理とお父さんの愛『甘々と稲妻』

 

家族で食べたおいしい料理の記憶は、いつまでも大切に残るもの。お父さんと一緒に作ったのなら、なおさらです。

高校の数学教師をしている犬塚公平は、妻を亡くし、幼稚園児の娘をひとりで育てています。しかし料理が苦手なので、食事はコンビニで買ったものや外食ばかり。そんな公平がとあるきっかけから、教え子の飯田小鳥と一緒に料理をすることになり、食べることの大切さや料理の楽しさに目覚めていくのです。

成長していく娘を見つめるそのまなざしはひたすら優しく、自分もこんなふうに大切に思われていたのかと思うと、心がポッと温かくなります。

レシピも載っているので、参考にしてお父さんのために料理をしてみるのもよいでしょう。

著者
雨隠 ギド
出版日
2013-09-06

突然新たな趣味に目覚めたお父さんが汚部屋を大改造する「リフォーム父さん」

 

主人公は、サラリーマンをしている26歳の圭太。家を出て一人暮らしをしています。久しぶりに実家へ帰ると、リフォームに目覚めたお父さんが実家をハワイ風に改造していました。

まるで生まれ変わったかのように、新しい趣味に没頭するお父さん。息子の部屋も大改造すると張り切る姿を見て、仕事も私生活もとくに楽しいことがなかった圭太は徐々に感化されていくのです。

作者は、『逃げるは恥だが役に立つ』で一世を風靡した海野つなみ。短編の名手です。わずか40ページの物語のなかに、お父さんと息子、そして亡き母親の関係がギュッと濃縮されています。

最愛の妻を亡くしたお父さんが、なぜ自宅をハワイ風に改造したのか。その理由を知った時、涙が止まらなくなるでしょう。

著者
海野 つなみ
出版日
2005-01-13

 

ではここからは、普通に見えるけど実は……意外な顔を持つお父さんをテーマにした漫画を紹介します。

家族のためならどこまででも突き進む!『マイホームヒーロー』

 

大切な家族のためならば、お父さんは何だってできる!その「何だって」がたとえ犯罪でも……。

妻の歌仙と一人娘の零花をこよなく愛する、サラリーマンの鳥栖哲雄。平凡ながらも幸せな人生を歩んでいましたが、ある日零花の顔に、恋人の延人から殴られた跡を見つけてしまいます。さらに延人は、資産家である歌仙を狙うために零花に近づいていたことが判明。その事実を知った哲雄は、なんと彼を殺してしまうのです。

家族を守るために人を殺し、家族を守るために完全犯罪を目指す……倫理的にはアウトなのに、哲雄が心の底から娘を愛していることが伝わってくるので、思わず応援してしまいます。

また哲雄はかなりの推理小説マニアで、殺人の手腕がサラリーマンとは思えないほど鮮やかな点にも注目です。

著者
朝基 まさし
出版日
2017-09-06

サラリーマン(のはず)のお父さんの、娘に言えない秘密『かくしごと』

 

ちょっと下品なギャグマンガを描いている、漫画家の後藤可久士。彼がなによりも恐れているのは、最愛の娘に自分の職業がバレることです。

下品なマンガを描いていることがバレてしまったら、嫌われてしまうかもしれない……他人から見ればたいしたことのない秘密かもしれませんが、娘を愛しているからこそどうしても言えません。

アシスタントや編集者を巻き込み、大暴走していく姿に、読者も愛しさが爆発。風刺のきいたテンポのよいギャグの合間に、お父さんと娘の絆があたたかく織り込まれた作品です。

著者
久米田 康治
出版日
2016-06-17

ああ、なんだかお父さんに会いたくなってしまう

 

紹介した漫画に登場するお父さんは、みな個性豊か。ひとりとして同じ人はいませんが、不思議と自分のお父さんと重ねてしまいませんか?

いろんな形で紡がれる父と子のお話に、笑って泣けること間違いなし。父の日に何もできなかった人は、今回紹介した漫画をプレゼントしてもいいかもしれませんね。

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