『ウサギ目社畜科』が不憫可愛い!面白さを3巻までネタバレ紹介!面白い!

更新:2021.11.19

ペットはご飯食べて寝るだけだと思っていませんか?本作はそんな常識を覆します。ブラック企業で働くサラリーマンの家に、なぜか月から社畜気質のうさぎが転がり込んできて……!?労働に関連した脱力系ブラックコメディが展開されます。 『ウサギ目社畜科』は「ウルトラジャンプ」で連載されている藤沢カミヤの作品です。本作は下のボタンからスマホの漫画アプリでも読むことが可能です。気になった方はそちらからどうぞ!

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『ウサギ目社畜科』が面白い!3巻までの見所をネタバレ紹介!【あらすじ】

ブラック企業で働く一般的なサラリーマン・津田真司郎。たまの休日も持ち帰りの仕事で潰れてしまうほど追い詰められていますが、1人暮らしでそれなりに気ままに生きていました。

そんなある日のこと。自宅作業で病みかけていた真司郎のワンルームに、窓ガラスを突き破って何者かが飛び込んできました。それは「ふわみ」と名乗るうさぎ耳の少女で、月から来たというのでした。

行く当てのないふわみは、なかば無理矢理、真司郎の家に住み込むことを許可させました。そして彼を「しゃちょー」と呼び、自から労働を要求してきます。こうして、ブラック企業で嫌々働く真司郎と、労働を生き甲斐にしているふわみの脱力系コメディな日々が始まりました。

見た目がマスコットのように可愛らしいのに、中身は社畜根性の塊というギャップをもつふわみ。地球人とうさぎ(月面人?)の仕事に対する認識の差が、とても面白い作品となっています。

著者
藤沢 カミヤ
出版日
2018-03-19

作者・藤沢カミヤとは

著者
藤沢 カミヤ
出版日
2014-02-21

藤沢カミヤは1月5日生まれ、兵庫県出身の漫画家です。詳しい年齢や性別、プロフィールは非公開とされています。

代表作はSF作家と猫少女の「すこしふしぎ」な日常漫画『ねこのこはな』、料理好きの女子高生が自宅に友達を招いて腕を振るう4コマ漫画『なぎさ食堂』など。

藤沢カミヤの作風はどの作品でもキャラクターが可愛く、人を傷付けないゆるふわな雰囲気が共通しています。それでいて各作品にしっかりと特色があり、ただ可愛いだけではなく、くすりと笑える技巧派の作家と言えます。

『なぎさ食堂』や、食品通販メインのエッセイ風コミック『おとりよせっていいな。』からもわかるように、食べ物へのこだわりも特徴なので、そこに注目して読んでみるのも良いでしょう。

作品の魅力とは?

作品の魅力とは?
出典:『ウサギ目社畜科』1巻

2019年7月現在、労働者の扱いが不当であるブラック企業の話題が尽きることはありません。もはや日本社会に蔓延していると言っても過言ではないでしょう。そんな世相を反映して、社畜ネタをモチーフにしたコメディが段々増えてきました。

『ウサギ目社畜科』もそんな1つですが、本作が他の作品と異なるのは、可愛らしいマスコットキャラのような見た目と、その外見とは相反する社畜根性を組み合わせたふわみの言動に面白さがあります。

ゆるふわのロングヘア、もふもふの長い耳、ぷにぷにほっぺたと、ふわみは愛くるしさに溢れています。ところが口を開けば「ろうどうのよろこび」と言い出すほど仕事中毒気味。ヒドい目に遭っても仕事をすることが幸せで、仕事がないとスライムのように溶けてしまい、最終的に死ぬという凄い生態です。

月のうさぎはみんなこうらしく、後に出てくる後輩「もふこ」はふわみより常識的ながら、やはり仕事がないと溶けて大変なことになります。

働き者で、上手に仕事を割り当てれば有能なのに、地球の常識に欠けているせいでドジを繰り返す。そんな不憫なところに思わず笑って、和まされる本作特有の魅力なのです。

『ウサギ目社畜科』1巻の不憫可愛いエピソードをネタバレ紹介!

『ウサギ目社畜科』1巻の不憫可愛いエピソードをネタバレ紹介!
出典:『ウサギ目社畜科』1巻

真司郎とふわみの出会いが衝撃的です。能力不足を理由に、月の仕事をリストラされたふわみは、地球に落とされてさまよっているところをトラックにはねられ、その勢いで真司郎の家に飛び込んできたのでした。

マスコットのような愛らしい見た目とは裏腹に、いきなり壮絶な身の上話を明かされるという展開。ブラック企業に務める真司郎も、同情して手厚くもてなすのだろう……と思いきや、仕事の追い込みを邪魔された彼は、すげなく扱って追い出そうとするというのが本作のブラックな部分です。

空腹で溶けるふわみにも塩対応で徹し、なぜかパック寿司に付属していたガリを与える始末。が、ここで意外にもふわみはガリをごちそうだと大喜びします。月では下っ端だった彼女は、樹皮をかじっていたのだとか。

徹底したポジティブ思考で、努力の方向性を間違えつつ頑張るふわみが、かわいそうですが可愛いのです。

『ウサギ目社畜科』2巻の不憫可愛いエピソードをネタバレ紹介!

著者
藤沢 カミヤ
出版日
2018-09-19

なんやかんやと真司郎の身の回りの世話を焼き、アパートの一室限定で馴染んできたふわみ。似たような経緯で地球にやってきたもふこを迎えつつ、子供用の雨合羽で簡単なお遣いにも出かけられるようになりました。

そんなある日、ジュースを買いに出かけた2人(2匹?)は、正体を隠さず堂々と歩くうさぎの「ましろ」と出会いました。ふわみより1年前にリストラされたましろは、働き口を見つけられなかったため、橋の下でダンボール生活をしています。河原の清掃という名のゴミ拾い、ごみのリサイクルという名の使えそうなゴミを並べることが主な仕事。

冷静に考えるとただのホームレスなのですが、指示がなければ仕事の出来ないふわみ、もふこには衝撃というのが面白いです。自由裁量で働くましろは、彼女達にとってはとんでもない偉人にしか思えないようです。強キャラ感漂うましろも、ぶっちゃけ住所不定の無職でしかないところが不憫で……。

うさぎたちのズレた価値観とリアクションは見所です!

『ウサギ目社畜科』3巻の不憫可愛いエピソードをネタバレ紹介!

著者
藤沢 カミヤ
出版日
2019-04-19

どれだけ健康的な生活を送る人でも、体調を崩すことはあります。病気とは無縁の生物と思えたふわみですが、真司郎の風邪が移ってしまったのか、体調を崩してしまうのでした。

月では体調不良は即刻リストラらしく、ふわみは無理して健康を装いますが咳が止まりません。もふこは一計を案じて、真司郎が留守の間にふわみの風邪を治そうとするのですが……。

お察しの通り、もふこの案はすべてが裏目に出ました。体温を上げるために運動させたものの、当たり前のように症状は悪化。食事では消化の悪いもののせいで、ふわみは瀕死状態となってしまいます。挙げ句、意思疎通の齟齬からふわみがロープを持ち出し……ちょっと笑えないはずなのに笑えるネタが出てきます。何があったのかは、ぜひ手にとってご覧下さい。

結局、真司郎が渡した風邪薬によって一発快復。ふわみの体調が嘘のように元気になりました。ただ、風邪が治ってからもクスリを求めるようにな……。本作は、ブラックネタなのにほんわかしてしまう不思議なコメディです。疲れた時に読めばきっと癒やされることでしょう。

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