【闇金ウシジマくん】あのキャラクターのモデルは、関東連合すら恐れた伝説の三兄弟!?【検証】

更新：2023.10.5

約15年間連載していた『闇金ウシジマくん』。何よりもこのマンガの魅力は、作者・真鍋昌平さんの綿密な取材で描かれるリアリティ。マンガでありながらあまりにも作品世界がリアルなため、「この人物のモデルはあの人に違いない」とネット上でよく話題になっています。今回、どれほど参考にしているのか、「渋谷区にいた最恐の三兄弟がモデルになっている説」を検証します。

『闇金ウシジマくん』はリアルだからこそ面白い!

『闇金ウシジマくん』の魅力は何といっても、マンガとは思えないリアリティ。普通の人が借金におぼれていく姿も「ありえそう……」と思ってしまうし、登場する裏社会の言葉や考え方も「実際、こうなんだろうな」と納得してしまうほどです。だからこそ描かれる裏社会にゾッとするし、それが作品のおもしろさにもなるのでしょう。

読んだことのない人は、第1話からじゃなくて、気になるエピソードだけでも少しだけ読んでみてはどうでしょう。フーゾクやホストなど夜の世界がテーマのときもあれば、お金稼ぎのときもあり、はたまたガチで危ない裏社会が描かれるときもあります。エピソード単位で話が変わるので、興味ある途中の話から読んでも問題なく楽しめるのがこの作品のいいところ。（最近なら電子書籍とか、「マンガワン」という無料アプリとかで、すぐに読むことができますのでおすすめです。）

作者・真鍋昌平は、物語を書くにあたり綿密な取材を何人にも重ねることで有名です。作品世界が「闇金」の周辺であることもあり、取材相手は、普段の生活ではなかなか会えないような人も、危険人物とされている人もいます。そんな人たちから「リアル」を引き出すために、作者はいったい何をしているのでしょう？

その手法にふれた過去のインタビューによると、「時間をかけてでも信頼関係を築くこと」とのこと。言っていることはシンプルですが、相手が普通の人ではありません。それだけに、本当にやりきるの？というスゴみを感じます。だって、裏社会の人とでも、時間をかけて信頼関係を築くんですよ。

逆に、気に入られすぎて困ることもあるようで、あまりにも何度も呼び出され続ける裏社会の人を無視していたら、探偵をつけられたり、電報や生もの（カニとか）が送り付けられたりするほどだとか。愛が、怖すぎますね……。

そのように、（裏社会の人にまで）愛されながら、しかしマンガ家としての一線をひいて、取材内容をおもしろい作品に昇華させているので、リアリティが生まれるんですね。以前に真鍋さんと対談した堀江貴文さん（ホリエモン）が、「グレーな人たちが集まるスナックのママ」と述べていましたが、まさに！な的を得た表現だと感じます。

『闇金ウシジマくん』の魅力が長くなりましたが、そんなにも取材を重ねてリアルな世界を描いているので、「この人物のモデルはあの人に違いない」とネット上でも話題になっています。次の章では、そんな話題をご紹介します。

闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)

著者

真鍋昌平

出版日

2004-07-30

『闇金ウシジマくん』に関しては、『闇金ウシジマくん』が無料で読める！最新42巻までの見所をネタバレ紹介！で詳しく紹介しています。こちらの記事もあわせてご覧ください。

リアルすぎて「伝説的な出来事や人物がモデルなのでは」とネットで話題!?

綿密な取材をもとに描かれている『闇金ウシジマくん』。読んでいると、「あれ、この人ってもしかしてモデルがいる？」と思えるキャラクターや作品舞台も少なくありません。

作者は決してモデルがいるとは言っていませんし、露骨に似せるような書きかたもしていないのですが、ネットでは「あれがモデルじゃないの？」というウワサをよく見ます。いったいどんなウワサがあるのでしょう。

たとえば「フリーエージェントくん」編（30巻、321話～351話）で登場する天生翔（てんじょうかける）は、「ネオヒルズ族の代表的なあの人」がモデルではないかとウワサされています。天上というキャラクターが、ネットビジネスを活用し、秒速で稼いでいたことからおそらく推測されたのでしょう。

また、「ヤミ金くん」編（18巻、180話～208話）で登場する鰐戸（以下、ガクト）三兄弟のモデルは、関東連合すら恐れた「神原三兄弟」ではないかと言われています。ネットでは、「ほんとうの神原三兄弟を知ったら、ガクト三兄弟がかわいく見えた」という声もあるので、リアルがマンガを超えてしまっているようですが。

キャラクターだけでなく、エピソードにも、モデルがあるとのウワサがあります。

代表格が「洗脳くん」編（26巻、273話～309話）。これは、2002年に起きた北九州監禁殺人事件がモデルになっているのではないかと言われています。容疑者が自分の手を汚すことなく、マインドコントロールされた被害者たちがお互いを殺し合った凄惨な事件です。洗脳くんについては、【検証】あのトラウマエピソードは、報道規制がかけられた凶悪事件がモデル？で検証していますので、気になる方はご覧ください！

他にもさまざまなモデルがウワサされているのですが、最後にそのウワサがどれほど正しそうなのか、「渋谷区にいた最恐の三兄弟がモデルになっている説」をもとに検証してみました。次の章でいくつかの角度から検証します。

【検証】本当に鰐戸（ガクト）三兄弟のモデルは、神原三兄弟なのか

まず、ガクト三兄弟を知らない人のために、軽く説明しておきます（本当に軽く）。

ガクト三兄弟とは、本編「ヤミ金くん」編で登場するキャラクター。中学生のころから器物破損や強盗など犯罪に手を染め、大人になってからは、ホームレスを相手に闇金を行っている兄弟です。特に、三男の三蔵が非常に短気で暴力的で、三兄弟の代表格とされています。

中学生の頃に、ウシジマとのケンカに負けたことから、彼らはウシジマに対して復讐心を抱いています。その復讐でウシジマを追い詰めていくストーリーもおもしろいのですが、それはまた別の話。

「神原三兄弟」って？

一方、モデルとウワサされている「神原三兄弟」とはどんな人たちでしょうか。彼らは著名人ではないため、詳細な情報は少なく、都市伝説的存在としてネット上で語り継がれています。その情報をつなぎ合わせると、次のような人物像が見えてきます。

出身は東京都渋谷区の笹塚。「笹塚では知らない人はいない」と評されるほど、少年の頃から悪さを繰り返していた有名な兄弟です。凶悪なだけでなく、あまりに自己中心的すぎる性格のため、凶悪な団体といわれている関東連合も組員にすることを拒否したほどだとか。2003年には、三兄弟のうち一人が、元格闘家の須藤元気さんを含む5人を無差別に刃物で刺した犯人としてニュースで報道され、話題にもなっていました。

このようなそれぞれの三兄弟ですが、ではほんとにモデルといえるのか、どれだけ共通点があるのか、比べて見ていきましょう。