「パスワード」シリーズnew版のあらすじと魅力を紹介!子供に人気の推理本

更新:2021.11.20

推理好きの子供たちに絶大な人気を誇る「パスワード」シリーズ。第1巻が刊行されたのは1995年で、その後2011年からは時代背景を改訂した「new版」が発表されています。この記事では、改定前の作品のファンでも十分に楽しめる「new版」のあらすじと魅力を紹介していきます。

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「パスワード」シリーズとは

 

松原秀行が手掛けた、児童向け推理小説「パスワード」シリーズ。挿絵は梶山直美が担当し、講談社の青い鳥文庫から刊行されています。

もともと情報技術系の知識を豊富に盛り込んだ作風でしたが、第1巻が刊行されたのは、1995年のこと。そこから世間のテクノロジーは猛スピードで進化しました。「パスワード」シリーズも、初期の作品と現実社会とのギャップが大きくなったため、時代背景を考慮した改訂版が「new版」として順次刊行されています。

物語は、小学生の小海マコトが「電子探偵団」のページをパソコンで見かけるところから始まります。そこから、別々の学校に通う5人の電子探偵団員が、推理パズルを解きながら、本当の事件も解決していくというストーリーです。

恋あり、冒険ありの「パスワード」シリーズは、楽しい推理と盛りだくさんのパズルで長年の間子どもたちの心を虜にしています。

 

「パスワード」シリーズの記念すべき第1巻『パスワードは、ひ・み・つ new』

 

ある日、パソコンで「電子探偵団」というページを見つけた小学生のマコト。見事入団資格テストに合格し、飛鳥、ダイ、みずきという他の合格者とともに電子捜査会議に参加することになりました。

最初は、団長のネロが出題する謎や、探偵団のメンバーが出会った事件を解いているだけだったのですが……。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2011-06-10

 

1995年に刊行された「パスワード」シリーズの第1巻。「new版」は2011年に発表されました。

当初はミステリー好きの小学生たちがインターネットを介して出会い、謎解きをしあうだけだったのですが、ある日ジョギングをしていたみずきが現実世界で事件に巻き込まれてしまいます。残りの探偵団は全員で協力し、不思議な別荘に隠された秘密を暴くのです。

たくさんのパズルやクイズが出てくるので、本を読むだけでなく、自分も探偵団のメンバーのように物語に参加できるのが魅力的。難しいトリックは出てこないので、推理小説初心者にもおすすめです。

 

美少女まどかが大活躍する「パスワード」シリーズ『パスワードのおくりもの new』

 

前作で事件に巻き込まれたことから、まどかという少女も電子探偵団に参加することになりました。

彼女の通学路には、「天使の館」というお気に入りの洋館があります。屋根には名前の由来にもなっている「天使の像」があるのですが、それにはとある秘密が隠されていました。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2011-12-10

1996年に刊行された「パスワード」シリーズの第2巻。「new版」は2011年に発表されました。

個性的な探偵団のメンバーですが、本作では帰国子女のまどかが加わり、新たな刺激に。天然で女の子らしいまどかと、スポーティーなみずきの間で揺れるマコトの恋心にも注目です。

作中で出題される問題は視点を変えることで解けるものが多いので、柔らかい頭をつくるトレーニングにも最適。答えがわかると晴れやかな気持ちよさを感じることができるでしょう。

インターネットの正しいあり方を考られる『パスワードに気をつけて new』

 

団長のネロとメンバー5人は、チームワークも良好で、楽しい毎日を過ごしていました。

しかしある日突然、探偵団の「電子捜査会議」を覗き見る謎の人物、ドクター・クロノスが現れます。一体その正体と狙いは何なのでしょうか。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2012-06-15

 

1997年に刊行された「パスワード」シリーズの第3巻。「new版」は2012年に発表されました。

探偵団の設立当初は、ネロの出す問題に答えるだけだったマコトたち。本作では自分たちでパズルを考えるなど、成長した姿を見せてくれます。

ドクター・クロノスという人物をとおして、パソコンを使いこなす難しさを学ぶこともできるでしょう。「new版」になって小学生でもインターネットを使うことが当たり前の時代になりましたが、謎解きだけでなく正しい付き合い方を考えさせてくれる一冊です。

 

初めての合宿へ!「パスワード」シリーズでも人気の一冊『パスワード謎旅行 new』

 

マコトたち電子探偵団は、「ミステリー合宿」と称して東北旅行へ出かけることにしました。行先は、座敷童や河童が出ることで有名な夢野市というところ。また謎解き攻めにあうという「五つの謎の館」もあるといいます。

メンバーは初めての旅行を楽しんでいましたが、またしても驚きの事件が発生し……。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2013-03-15

 

1997年に刊行された「パスワード」シリーズの第4巻。「new版」は2013年に発表されました。

本作では、マコトとみずきが些細なすれ違いでケンカをしてしまいます。進展しそうでなかなか進まない関係に読者もハラハラ。小学生の甘酸っぱい青春を感じることができるでしょう。最終的には無事に仲直りできるので、安心してください。

またこの巻から、小学生に人気のアイドル、ノハラが登場。飛鳥が夢中になってしまいます。旅先で出題されるパズルも面白く、「パスワード」シリーズのなかでも人気の一冊です。

 

マコトのライバル登場で「パスワード」シリーズは新たな展開に『パスワードとホームズ4世 new』

 

電子探偵団のなかでも随一のひらめきと推理力を誇るマコト。そんなマコトの前に、ある日強力なライバルが出現します。

愛咲英知と名乗る彼は、なんと世界一の名探偵、シャーロック・ホームズの子孫でした。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2014-02-14

 

1998年に刊行された「パスワード」シリーズの第5巻。「new版」は2014年に発表されました。

テレビのクイズ番組に出場することになった電子探偵団。ネロに鍛えられた彼らは、番組でも大活躍します。しかしその途中でまた事件が発生してしまうのです。

本作の魅力は、やはりマコトと愛咲英知ことアイザックのライバル関係。アイザックは、名探偵の子孫らしくずば抜けた観察眼をもっています。しかもみずきは、彼のことが気になるよう。推理合戦では五分五分の2人ですが、恋の争いはどちらに軍配が上がるのでしょうか。

事件の犯人たちの正体や目的も明かされず、謎は次巻に続きます。

 

「パスワード」シリーズの魅力が詰まったホームズ事件の謎解き編『続・パスワードとホームズ4世 new』

 

世界一の名探偵、ホームズの子孫アイザックと協力し、誘拐されたまどかを救出した電子探偵団。しかし肝心の事件は未解決のままです。

前巻から続く大事件の謎解き編で、マコトが大活躍します。

 

著者
["松原 秀行", "梶山 直美"]
出版日
2014-03-14

 

1998年に刊行された「パスワード」シリーズの第6巻。「new版」は2014年に発表されました。

作中で出される謎を解いていくと、なんとシャーロック・ホームズも絡んだ真実が明かされるという読みごたえのあるストーリー。ミステリー小説好きにはたまらない展開で、大人が読んでも楽しめるでしょう。

まどかと瓜二つの少女も登場し、物語はさらなる盛り上がりを見せていきます。謎解きあり、宝さがしあり、難しい暗号解読ありで、「パスワード」シリーズの醍醐味を堪能できる一冊です。

 

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