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特集!あの人の本棚
135.

hontoビジネス書分析チーム   (本と電子書籍のハイブリッド書店)


仕事の成果を分かつのは、このシンプルな思考法!  『超・箇条書き』と『Q思考』を戦略コンサルや起業家が使いこなすワケとは

hontoビジネス書分析チーム
丸善とジュンク堂は、ビジネスパーソンや各界の専門家を主な利用者とする大手書店グループです。その購買データを分析すれば、ビジネスパーソンにとって「いま注目の本」が見つかるのではないか、というこの連載。今回は、7月の「経営学・経営戦略」分野に絞り、売れ筋のランキングとトレンドを読み解いてみました。
仕事の成果を分かつのは、このシンプルな思考法!  『超・箇条書き』と『Q思考』を戦略コンサルや起業家が使いこなすワケとは

毎月、売れ筋のTOP 10は数冊しか変動がないものなのですが、7月は新刊が6冊もランクインしました。注目したのは、1位、2位の本がいずれも「シンプルな思考法」について述べていること。今回は、この2冊に絞って、人気の理由を紐解きたいと思います。

丸善・ジュンク堂 「経営学・経営戦略」書籍ランキング 2016年7月

シリコンバレーの投資家が実践する「伝える技術」とは

まず注目するのは、7月ランキングで初登場1位をかざった『超・箇条書き』です。6月20日に発売された後、人気を博しています。本書の著者・杉野幹人氏は、世界的に有名な戦略コンサル会社、A・T・カーニーでマネージャー職を務める方です。現在、戦略コンサルとして活躍する杉野氏が「伝える技術」を記した本書ですが、今までの類似の本とは、いったい何が違うのでしょうか。

超・箇条書き

『超・箇条書き ――― 「10倍速く、魅力的に」伝える技術』 杉野 幹人

実は杉野氏、前職のNTTドコモ時代に、シリコンバレーで働く優秀な起業家500人以上のプレゼン資料を徹底的に分析した経験があるといいます。その際、杉野氏が気づいたことは、シリコンバレーの起業家たちのプレゼンは、その内容もさることながら、伝え方がなにより魅力的なこと。そしてその伝え方に、共通する要素がある、ということでした。

その共通要素こそが本書のキモ、「箇条書き」です。それまでは特に意識せず使っていた箇条書きですが、実は、端的かつ魅力的に物事を伝える技術と、その威力があることに気づいた杉野氏。その後も箇条書きをフル活用して、戦略コンサルとして活躍していきます。

物語性や背景を大事にする傾向のある日本人にとっては、箇条書きという表現は、なんだか素っ気ない気がしませんか。しかし世界一流の人たちは、ダラダラと的を射ない説明はせず、箇条書きでスパッと明確に主旨を伝えるのです。おそらく、私たちが普段思い描いている箇条書きと、この本に書かれている箇条書きとは、なにかが本質的に違うのでしょう。だから本のタイトルも「超・箇条書き」。いったい、どんな方法が書かれているのでしょうか。

そのスキルは、自分の頭のなかも整理する

ひとつ、例を本書から抜き出してみましょう。
例えば「イントロづくり」というスキルがあります。イントロというのは、箇条書きにおける最初の文のこと。どんな文章でもそうですが、出だしの一文で引き込まれないと、続きには興味がわかないものです。箇条書きも同様であり、続く一文一文を分かりやすく印象づけるためにも、何をはじめに伝えるべきなのか、どの順で箇条書きを並べるべきなのかが、非常に重要になります。

では、まず何を伝えるべきなのか。それは、「相手が期待していること」です。ただしこれは、相手や相手が置かれているコンテキスト(文脈)次第で変わります。そのため本書では、「企業での採用面接のケース」など、簡単な事例を用いて、具体的に、どんなケースで、どんな回答をイントロに用いるべきかを教えてくれます。

ひとつの例だけを示しましたが、この例だけを見ても、箇条書きのもつ「読み手や聞き手の情報処理の負荷を減らす」という役割が見て取れます。もちろん、なんでも箇条書きにすればいい訳ではなく、箇条書きに適する場面、正しい箇条書きの仕方、内容を魅力的に伝える方法などがあります。その事例も本書では、たっぷり語られています。

箇条書きの技術を活かせる場面は、ビジネスシーンに多く、例えば、以下のシーンはその一部です。

①投資家や経営者へのプレゼン資料
②上司やチームメンバーへの企画書・報告書
③同様に上司やチームメンバーへ送るメール
④会議中の意見をまとめた議事録

箇条書きに適する場面は限られる、といいつつも、ビジネスでは多くのシーンで活躍するスキルです。なるほど、業務の全体像を把握し、ポイントを抑えながらスピーディーに情報をまとめる技術の真価は、たしかに、日々の業務でこそ活躍するでしょう。

また、箇条書きで上手に情報をまとめられるということは、読み手への分かりやすさばかりではなく、自身の頭の整理もできているということです。したがって、仕事ができる人かどうかは、箇条書きを見ればわかる、といっても過言ではありません。

身近にありながら、想像以上に重要なスキルであった「箇条書き」。いま、その重要性を指摘し、具体的な学び方を記した本書がビジネスパーソンの注目を集めているのも、分かる気がします。

超・箇条書き

『超・箇条書き ――― 「10倍速く、魅力的に」伝える技術』 杉野 幹人


優れたアイデアは、常に「疑問」から生まれている

次に注目するのは、初登場2位にランクインした、『Q思考-シンプルな問いで本質をつかむ思考』です。

本書はアメリカの年間ベスト5(IDEO社長兼CEOティム・ブラウン選出)や、思想的リーダーのためのベスト5(ジェフリー・デイヴィス選出)などに選ばれた他、ニューヨークタイムズ紙を始めとした全米各紙で絶賛され、世界的で刊行された大ベストセラー。従って日本でも、発売前から期待が高かった1冊です。そこには、グーグルやIDEO、パタゴニアなど、名だたる企業が採用する、まったく新しい思考法が書かれています。

Q思考

『Q思考 ―― シンプルな問いで本質をつかむ思考法』 ウォーレン・バーガー

著者のウォーレン・バーガー氏は、デザイン思考、イノベーションといった領域に強みを持つジャーナリストです。日本ではまだ無名ですが、海外ではハーバード・ビジネス・レビュー誌、ワイヤード誌などの有名ビジネス雑誌に多数寄稿しています。

その寄稿のために、世界トップクラスのイノベーターや起業家、クリエイティブシンカーなど、何百もの創造性に富む人たちに取材をしてきた著者。彼は取材の過程で、そのとび抜けた活躍をする人々に共通する思考法に気がついたと言います。世界の様々なジャンルで活躍する人々の多くは、あらゆる物事に疑問を抱き、質問をすることが抜群にうまい人たちだったのです。

その気づきから生まれたのが、本書『Q思考-シンプルな問いで本質をつかむ思考』の構想でした。「優秀なビジネスパーソンは優れた質問力で相手の懐に飛び込み、他の人が知り得ない情報を集めることに長けている」。これは周知の事実ですが、「どうしたらそんな質問をできるようになるのか」、そして「今すぐ現場で使える質問法はあるのか」ということについて取材し、まとめた本は、今までほとんどありませんでした。

世界のルールを変えるほどの偉業を成し遂げた人たちは、日頃どのような疑問を抱き、質問を重ね、独創的なアイデアをつかみ、問題解決しているのか。100人を超える科学者や芸術家、デザイナー、エンジニア、映画製作者、教育者、社会起業家を訪問取材してまとめたのが本書だという訳です。

日々の中で質問をし続けることは、果たして損なのか

本書がベストセラーになった後、現場の凝り固まった思考をほぐし、ブレイクスルーさせる「たった1行の質問」が全米で大流行したそうです。イノベーションを起こすことが苦手で、クリエティブな人材がなかなか輩出されない日本では、本書から学べることが、とりわけ多いのではないでしょうか。

質問する、ということを思ったとき、他人に勉強不足だと思われてしまったり、反抗的な態度だと思われてしまったりと、デメリットにばかり目がいってしまっていませんか。しかし実は、質問によって得られることは多いのです。前述のとび抜けた成功者たちも質問上手でしたが、たしかに質問する多さと出世のスピードは比例するとの調査もあるとのこと。

では、どうしたらまず一歩を踏み出せるのでしょうか。本書では、単に質問するのではなく、「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」の3つのアプローチを理解し、使いこなせることが、優れた質問家になるための第一歩だと述べています。さらに、本書の具体的な事例で仮想トレーニングを積むことで、質問力が上がり、ビジネス現場で一目置かれる人に近づくことでしょう。

Q思考

『Q思考 ―― シンプルな問いで本質をつかむ思考法』 ウォーレン・バーガー

仕事の成果を分かつのは、これらシンプルな思考法

さて、いかがでしたでしょうか。7月に注目を集めた2冊は、いずれもそれぞれ「シンプルな思考法」。しかも大きな成果を上げる人々が心がけている、シンプルな思考法でした。

シンプルでありながら、それぞれが1冊の本になるほど、実は奥深い思考法。その細かな部分まで身に着けてしまうことが、物事の成果を分けるのかもしれません。

さて、今月の「経営学・経営戦略」分野の注目本は以上です。8月以降、また新たな注目本がありましたら、ご紹介いたします。楽しみにお待ちください。

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