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特集!あの人の本棚
212.

ハナエ   (シンガー)


ランジェリーという一番肌に近い鎧(ハナエ インタビュー)

ハナエ
さまざまなプロフェッショナルの考え方・作られ方を、その人の本棚、読書遍歴、本に対する考え方などから紐解いていくインタビュー。今回は「ガーリー」をキーワードに独自のスタンスで活動を続けるポップシンガー、ハナエさんの登場です。
ランジェリーという一番肌に近い鎧(ハナエ インタビュー)

アート、カルチャー、ファッションの領域を行き来するガールポップシンガー、ハナエ。今年でデビュー5周年を迎えた彼女が、HANAE 1st ZINE「Under The Dress」を発表する。11月13日に東京・北参道ストロボカフェで開催される「♡HANAE 1st ZINE発売記念イベント♡-マチネ-/-ソワレ-」で発売開始となるこのZINE。以前からZINEカルチャーに慣れ親しんでいたハナエの世界観が冊子というフォーマットに凝縮され、写真、詩、デザインが一体となって「Under The Dress」という作品を構築している。愛読家でもある彼女に今回はメールインタビューを敢行。おすすめの本も挙げてもらった。

主軸はずっと「女の子であることの喜びと葛藤」

―― 「Under The Dress」というタイトルを付けた狙いは?

ハナエ わたしは音楽を中心に様々な表現で、女の子であることの喜びと葛藤を発信し続けてきました。ZINEを制作するにあたっても主軸は変わりません。「女の子のぐちゃぐちゃとした感情を肯定したい」という想いと、「わたしの剥き出しの感情を表現したい」という想い。このふたつを表現したいと考えた時に、「Under The Dress」という言葉がぴったりだと思いました。ドレスの下に隠しているもの。それはランジェリーという一番肌に近い鎧であり、更にその奥には誰にも言えないような感情が息を潜めているのです。

―― スタッフの人選はどのように決めていったんでしょうか?

ハナエ 単純に、その人のクリエイションが好きだな、一緒にお仕事がしたいな……と思っている人にお声がけをしました。そうしたら自ずと、強い女の子を表現することに長けた方々が集まってくださいました。初めてお仕事をしたのはヘアメイクの榎本悠乃さん。友人のミュージシャンのヘアメイクをしているのを見たり彼女のInstagramに載せている写真を見たりして、趣味が合いそうだと勝手に思っていたのですが、実際その通りだったのでヘアメイクを施してもらっている間の会話も楽しかったです。

―― いろんな表現のアプローチがあるなか、ZINEを選んだ理由は?

ハナエ ZINEカルチャーは以前より注目していました。学生の頃からそういった自分発信の紙媒体メディア(当時はZINEというより、リトルプレスという呼び方が主流だったと記憶しています)の作り方の本を読んだりして、いつかわたしも出そうと思っていました。今ZINEを出しているモデルさんなどは多数いますが、その流れを汲むというよりも、90年代のライオットガールムーブメントの一環として刊行されていたZINEの流れを汲むのが狙いのひとつでもありました。

好きなZINEは、海外ならBeth Sivyerの「Girls Get Busy」。ロンドンのフェミニストシーンのリーダー的存在の彼女が作るZINEは、フェミニズムという堅苦しく捉えられがちなテーマを、まるでプリクラ帳のような手作り感たっぷりのページで表現しています。わたしにも何かアクションを起こせるかもしれない、という勇気が湧いてくるようなZINEです。日本だとTeam Lanjeri-tokyoの「ニューランジェリーマガジン」。日本の新たなランジェリーカルチャーを発信するプロジェクトチームである彼女たちのZINEは、グラマラスな方からスキニーな方まで様々な女性が奔放にランジェリーを楽しんでいる様子が表現されていてとても素敵です。

―― 今回、自分でZINEを作ってみて「編集」のどういうところが楽しかったですか?

ハナエ 以前よりクレジットには載らなかったものの、写真セレクトから構成、色味の調整や文字の配置など作品作りの中で編集には携わっていたので、今回が初めてではありませんでした。ただ今回はコンセプトから撮影場所などほぼすべてを監修し、自分ではできない部分を信頼できるプロの方にお任せする……といった形での作業だったので、作業量は多かったのですが、より頭の中にあるイメージを忠実に再現できたのが楽しかったです。

HANAE 1st ZINE「Under The Dress」より

―― ハナエさん自身はこのZINEをどんな人に見てもらいたいですか? 「ここに注目して見て欲しい」というポイントは何かありますか?

ハナエ 表紙を見たファーストインプレッションで少しでも気になった人すべてに見てもらいたいです。またZINEはもともとインディペンデントな表現なので、「自分で何かを表現したい」と思っている人にも。注目して欲しいところは、わたしのうっすら割れた腹筋です(笑)。

読書はわたしの心をニュートラルな状態に戻してくれる

―― 読書はハナエさんに何をもたらしてくれるものなのでしょう?

ハナエ 読書は好きですが、自分の表現のためのインプット源としては捉えていません。読書もそうですが、音楽を聴くことも映画を観ることも、アートに触れるときにはいつでもニュートラルな気持ちでいることが作品に対しての誠意だと思っています。そういった意味から、読書はわたしの心をニュートラルな状態に戻してくれるものです。

―― ハナエさんの読書の嗜好はどういう変遷を経て今に至るのでしょうか?

ハナエ 幼少の頃は、実家の本棚に並ぶ「世界少年少女文学全集」を読んで育ちました。漫画も、手塚治虫作品や大友克洋作品をはじめ実家にたくさんあったので、それを読んでいました。小学校中学年からは伊坂幸太郎作品や舞城王太郎作品など若手の勢いのある作家の作品を、学校の休み時間の暇つぶしに気ままに読んでいました。小学校高学年~中学生は澁澤龍彦作品や三島由紀夫作品や嶽本野ばら作品に傾倒し、漫画も楠本まきさんや三原ミツカズさん、中村明日美子さんなど耽美な作風を持つ方の作品に惹かれていきました。また、スタジオヴォイスや夜想、トーキングヘッズといった雑誌を購読し、サブカル中のメジャー(語弊を生みそうな言い方ですが……)な作品を片っ端から読んでいました。仕事をはじめた高校生ぐらいからは、意外と村上春樹作品などメジャーどころを読んでいないことに気付き、著名な作品を意識して読んでいました。ここ2、3年は好きな人(周囲の人やアーティスト)の好きな本を読んで、好きな作家を見つけたらその人の本を手当たり次第読む……といったことをしています。

―― 絶対に欠かせない作家さんって誰かいますか? ハナエさんの人格形成に大きな影響を与えた作家さんというか、文学でも漫画でもジャンルは何でもいいのですが。

ハナエ 嶽本野ばらさんです。人生で一番好きな本は『エミリー』で、この本を超える本にはもう出逢えないと思っているので、今の読書生活は余生のような気すらしています。それくらいわたしにとって特別な一冊です。

エミリー

『エミリー』 嶽本野ばら

―― ハナエさんの本棚の中からおすすめの本を4冊選んでもらえますか? せっかくなのでZINEと絡めたセレクトでもOKです。

ガール・ジン「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア

『ガール・ジン「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』 アリスン・ピープマイヤー

ハナエ フェミニズムの歴史とZINEの歴史を追うことのできる本です。今ZINEと言うと手頃な値段で買える写真集のような印象がありますが(それはそれでも良いのですが)、ZINEというものがどういったものなのか、どういった特性を持ち、どういった人たちに作られてきたのかを知ると、また深いところでZINEを楽しめると思います。

HANAYO アーティストブック +81 Recommendation

『HANAYO アーティストブック +81 Recommendation』 花代

ハナエ 写真家の花代さんは芸妓修行をしていたこともあり、和テイストにシュールさやキッチュな可愛さを入れ込むセンスが素晴らしいです。今回わたしのZINEに掲載しているコラージュはわたし制作で、イラストも一部を除いてわたしが担当したのですが、この本はとても参考になりました。また、この本との出会いは小学生の時に地元の図書館でしたが、そのまま返却し本のタイトルを失念してしまい、二十歳の時に偶然通りがかった本屋さんで見つけたという思い出の本でもあります。

とんがって本気

『とんがって本気』 加賀 まりこ

ハナエ わたしのミューズ、加賀まりこさん。“媚びない女優”加賀まりこが、つんのめるようにして生きてきた軌跡を追った一冊です。その痛快な生き様に、何度もはっとさせられます。表紙の、裸にまとった簡素な下着と豪華なギャップにもぐっと来ます。

TOMMY FEBRUARY6 + HAWAII

『TOMMY FEBRUARY6 + HAWAII』 Tommy february6

ハナエ Tommyさんがハワイに行き、ハワイの可愛い場所を訪ね、ハワイの美味しいものを食べ、ハワイでお買い物をする姿を、可愛い写真とTommyさんのゆるいイラストと文(“かわE”などといった言葉遣いがゼロ年代初頭っぽくて最高!)で紹介する本。可愛いから可愛いって言う! 美味しいから美味しいって言う! 楽しいから楽しいって言う! シンプルに素敵です。

―― ZINEの発売に続いて、12月24日にはクリスマスライブを開催。SNSを見るとギターの練習にも精力的に取り組んでいますが、今後のアーティスト活動について何か決まっていることがあれば教えてください。

ハナエ 今は新たな楽曲制作とクリスマスライブの準備を並行して進めています。ギター弾き語りでのライブは、ミュージシャンとしてひとりで魅せる表現を磨かなければと思って始めましたが、また普段のライブとは違った面を見せられるので今後も続けていきたいなと思っています。常々新しい悪だくみをしているので、愉しみにしていてほしいです。

本と音楽の一覧 インタビューの一覧

プロフィール

ハナエ
ハナエ
シンガー

1994年2月27日生まれ、福岡県出身。可愛さと中毒性をあわせ持つ歌声が魅力のガールポップシンガー。13歳の時にGreat Hunting(現ユニバーサルミュージック新人発掘育成セクション)担当者の目に留まり、2011年6月「羽根」でメジャーデビュー。TVアニメ『神様はじめました』第1期・第2期のテーマソングとなった3rdシングル「神様はじめました / 神様お願い」、7thシングル「神様の神様 / おとといおいで」が国内外で話題となる。2015年3月には2ndアルバム『上京証拠』をリリース。この作品は全世界251カ国でも配信された。2016年3月には作詞をすべて手がけた3rdアルバム『SHOW GIRL』をリリースした。http://ameblo.jp/hanae-officialblog/

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「♡HANAE Christmas Reqest Live♡~2016年のクリスマスイブは喜んでハナエに捧げます。~」
・日程:2016年12月24日(土)
・場所:サラヴァ東京
・時間:19:00 open&start
・チケット:前売り¥4000(1drink付)/ 当日¥4500(1drink付)
・予約:11月13日(日)にサラヴァ東京のHPにて予約開始
http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20161224.php
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ライターについて

Writer 5
ホンシェルジュ編集部・芸術/芸能班

音楽、映画、アイドル、その他の芸術/芸能に詳しいライターによる班。もちろん皆が本好きだが、そのレベルや守備範囲はさまざま。日本のエンタテイメントのトップランナーを通じて、本/読書の楽しみへの入り口をつくりたい。あるいは本/読書という切り口を通じて、トップランナーの新たな一面を引きだしたい。

プロフィール

ハナエ
シンガー

1994年2月27日生まれ、福岡県出身。可愛さと中毒性をあわせ持つ歌声が魅力のガールポップシンガー。13歳の時にGreat Hunting(現ユニバーサルミュージック新人発掘育成セクション)担当者の目に留まり、2011年6月「羽根」でメジャーデビュー。TVアニメ『神様はじめました』第1期・第2期のテーマソングとなった3rdシングル「神様はじめました / 神様お願い」、7thシングル「神様の神様 / おとといおいで」が国内外で話題となる。2015年3月には2ndアルバム『上京証拠』をリリース。この作品は全世界251カ国でも配信された。2016年3月には作詞をすべて手がけた3rdアルバム『SHOW GIRL』をリリースした。http://ameblo.jp/hanae-officialblog/

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「♡HANAE Christmas Reqest Live♡~2016年のクリスマスイブは喜んでハナエに捧げます。~」
・日程:2016年12月24日(土)
・場所:サラヴァ東京
・時間:19:00 open&start
・チケット:前売り¥4000(1drink付)/ 当日¥4500(1drink付)
・予約:11月13日(日)にサラヴァ東京のHPにて予約開始
http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20161224.php
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