Loading 81b424ebf5b28b6979c5bfbadb4fe3d86654abdce81e3c0259cc91c3ecd00497
特集!あの人の本棚
222.

hontoビジネス書分析チーム   (本と電子書籍のハイブリッド書店)


5分でわかる、今年のビジネス系書籍のトレンドとは。 大手書店販売数から見る2016年の年間ランキング

hontoビジネス書分析チーム
丸善とジュンク堂は、ビジネスパーソンや各界の専門家を主な利用者とする大手書店グループです。その購買データを分析すれば、ビジネスパーソンにとって「いま注目の本」が見つかるのではないか、というこの連載。今回は、1-11月のほぼ1年間のデータを集計し、ビジネスパーソン向け「全ジャンル*」から、売れ筋のランキングとトレンドを読み解いてみました。(*文芸、マンガ、写真集、学習参考書などは除いています)
5分でわかる、今年のビジネス系書籍のトレンドとは。 大手書店販売数から見る2016年の年間ランキング

年間ランキングということで、期間を約1年間と長くとり、かつジャンルも幅広くとっているため、普段から本へのアンテナを張っている方々にはお馴染みすぎる「なるほどね」という本ばかりが名を連ねたランキングかもしれません。しかし、よく見てみると興味深い傾向も見られるものです。今回はランキング上位本の「共通項」にも目を向けてみました。

一方、普段はなかなか本へのアンテナを張っていない人にとっては、年末年始に今年の傾向を確認しておくいい機会かもしれません。当然なことにどれもが「売れていた」本のため、未読の方はこの機に、興味あるものをチェックしてみてください。

丸善・ジュンク堂 年間ランキング*(ビジネスパーソン向け)

(2016年1月1日~2016年11月30日までのデータを集計、文芸、マンガ、写真集、学習参考書などは除く)

力強い、「る勇気」シリーズ

ランキングのワンツーを飾ったのは、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』。ご存知のかたは多いと思いますが、いずれも、アルフレッド・アドラーによる心理学を対話形式で分かりやすく解説した本です。それまで意外にも知られていなかった「アドラーの心理学」に光を当て、アドラーブームを起こすきっかけとなったのが『嫌われる勇気』。その続編として2016年に発売されたのが『幸せになる勇気』です。

『幸せになる勇気』は2016年発売のため、ランキング上位に来るのは理解できます。けれど、2013年に発売された『嫌われる勇気』がその数を上まわり、未だに売れ続けていることは驚異的です。それほどに多くの人の関心をつかんだ「アドラーの心理学」とはどんなものなのか。端的に言うならば、「すべての悩みは対人関係にある」という立場から「悩まない自分」になるための考え方です。

職場、学校、家庭など、あらゆる場面で「対人関係」の悩みは尽きません。その悩みへの向き合い方について、新たな示唆を与える本であること、そして読みやすい文章構成が、人気の理由だったのでしょう。アドラーブームに便乗し、数多くのアドラー本が出版されました*が、年間を通じて改めて、『嫌われる勇気』の力強さを感じました。
(*データからだけでも2016年に40タイトル以上のアドラー本が確認できました)

さて、続編の『幸せになる勇気』ですが、この本のテーマは、ほんとうの「自立」と「愛」。そこから、「どうすれば人は幸せになれるのか」という根源的な問いに、向き合います。答えを得られる本というよりも、思考実験の支えとなる本、として使うと、自分の人生を「どうすれば幸せにできるのか」についての示唆が得られることでしょう。

嫌われる勇気

『嫌われる勇気』 岸見一郎,古賀史健

https://honto.jp/ebook/pd_26006173.html?cid=eu_hb_bizb03_092

幸せになる勇気

『幸せになる勇気』 岸見一郎,古賀史健

https://honto.jp/ebook/pd_27670586.html?cid=eu_hb_bizb03_092

「超」「一流」から学ぶ「最強」のXXX「力」

以前から人気のあるタイトルではありますが、今年のビジネス書には、「超」「一流」「最強」「最高」の文字が目立ったように思います。「突き抜けたい!」という気持ちに訴えかける本は、思わず読みたくなってしまうもの。ですが、なかでも上位の顔ぶれをみると、「集中力」「働き方」「すぐやる」「やり抜く力」「習慣力」など、「自らのパフォーマンスを高める」本が人気を得た傾向も見て取れます。

他の年では「伝え方」「話し方」「プレゼン」「問題解決の技術」など、より具体的なHOW TOやスキルを求める時もありました。しかし近年は、具体的なスキルよりも、より汎用的に使える「自己を高める力」を、意識的にか無意識的にか求めているのでしょう。(「雑談力」だけが、スキル寄りで今年人気のあったテーマです)

また、『血流がすべて解決する』、『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』も同じ文脈で捉えることができそうです。自己を高める方法として注目する、血流。そして(血流を含めた身体コントロールとしての)食事。来年に向けて、年末年始に自己を高めるのも、いいかもしれません。

血流がすべて解決する

『血流がすべて解決する』 堀江昭佳

https://honto.jp/ebook/pd_27781586.html?cid=eu_hb_bizb03_092

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー

https://honto.jp/ebook/pd_27462689.html?cid=eu_hb_bizb03_092

2016年ランキングからは他にも…

他にも、『一流の育て方』『学力の経済学』からは、 この少子化の時代に(むしろ、だからこそ)注目される「教育法」として、「正しい方法」を知りたいという欲求が透けて見えます。時代が急速に変化する今の時代に、従来の教育法は通じるのか。その問いに対して、「一流の方法を知りたい」、「経験則ではなく、データとして正しいものを知りたい」という意識が、一風変わった教育本の購買に結びついたのでしょうか。(偏った読解かもしれませんが)

また、10月に発売されたばかり(集計期間は2ヵ月弱!)にも関わらずトップ10に食い込んできた『住友銀行秘史』も注目です。が、一冊一冊を語ると長くなるため、この本については別の記事(戦後最大の不正会計事件「イトマン事件」。なぜ今、その真相が暴露されたのか!?)をご参照ください。

住友銀行秘史

『住友銀行秘史』 國重 惇史

https://honto.jp/ebook/pd_28098354.html?cid=eu_hb_bizb03_092

以上、年末ならではの、約1年間のデータを用いた読み解きでした。 さて来年は、どのような本が世に出てくるのでしょうか。(まだ少し早いですが)本年も、おつかれさまでした。

ビジネスの一覧 インタビューの一覧

コメント

コメントを書く・見る 0

プロフィール

hontoビジネス書分析チーム
hontoビジネス書分析チーム
本と電子書籍のハイブリッド書店

本と電子書籍のハイブリッド書店「honto」による、注目の書籍を見つけるための分析チーム。

ビジネスパーソン向けの注目書籍を見つける本チームは、ビジネス書にとどまらず、社会課題、自然科学、人文科学、教養、スポーツ・芸術などの分野から、注目の書籍をご紹介します。

丸善・ジュンク堂も同グループであるため、この2書店の売れ筋(ランキング)から注目の書籍を見つけることも。小説などフィクションよりもノンフィクションを好むメンバーが揃っています。

ライターについて

Honto logo 2
hontoビジネス書分析チーム

本と電子書籍のハイブリッド書店「honto」による、注目の書籍を見つけるための分析チーム。ビジネスパーソン向けの注目書籍を見つける本チームは、ビジネス書にとどまらず、社会課題、自然科学、人文科学、教養、スポーツ・芸術などの分野から、注目の書籍をご紹介します。

丸善・ジュンク堂も同グループであるため、この2書店の売れ筋(ランキング)から注目の書籍を見つけることも。小説などフィクションよりもノンフィクションを好むメンバーが揃っています。

プロフィール

hontoビジネス書分析チーム
本と電子書籍のハイブリッド書店

本と電子書籍のハイブリッド書店「honto」による、注目の書籍を見つけるための分析チーム。

ビジネスパーソン向けの注目書籍を見つける本チームは、ビジネス書にとどまらず、社会課題、自然科学、人文科学、教養、スポーツ・芸術などの分野から、注目の書籍をご紹介します。

丸善・ジュンク堂も同グループであるため、この2書店の売れ筋(ランキング)から注目の書籍を見つけることも。小説などフィクションよりもノンフィクションを好むメンバーが揃っています。

hontoビジネス書分析チーム さんの本棚

注目記事

月間ランキング