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特集!あの人の本棚
287.

近藤麻理恵   (片づけコンサルタント)


世界的ベストセラー著者・近藤麻理恵さんが、大好きな「片づけ」を仕事にするまで【インタビュー・前編】

近藤麻理恵
世界で累計800万部の大ヒットを巻き起こしている『人生がときめく片づけの魔法』の著者で、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん。2015年には米『TIME』誌にて、「世界で最も影響力のある100人」に選ばれました。現在は世界で片づけを広めるべく、アメリカに家族で移住し活躍されています。

今回はそんな近藤さんに、全2回にわたりインタビューを企画。前編では、5歳の頃から大好きな「片づけ」を、どのように仕事にしていったのかお話を伺いました。最後には、好きなことを仕事にしたいと考えている読者に向けてメッセージもいただきました。
世界的ベストセラー著者・近藤麻理恵さんが、大好きな「片づけ」を仕事にするまで【インタビュー・前編】

5歳の時、片づけに目覚めた理由

ーー近藤さんが片づけに目覚めたのは、なんと5歳の時。なぜそんな幼い頃から、片づけに興味を持たれたのでしょうか?

近藤麻理恵(以下、近藤) 実は母の影響がとても大きいんです。母は専業主婦で、いつも楽しそうに家事をしていました。あまりにも毎日幸せそうに働いていたので、気になった私はある日、その理由を聞いたことがありました。

すると、「専業主婦ってすばらしい仕事なのよ。私がこうやってご飯を作ったり家を整えることで、お父さんは仕事を頑張れるし、子供たちも元気に学校に行けるんだから。すごく社会の役に立っているの」と答えたのです。

その時、主婦ってすごくいい仕事なんだなぁと思いました。そこで、私もいいお嫁さんになれるよう、片づけだけでなく料理、掃除、洗濯、裁縫など家事全般に興味を持ち、母が購読していた『ESSE』や『オレンジページ』などの主婦向け雑誌を読んで花嫁修行を始めました。

しかし、料理や掃除、洗濯、裁縫などはやればやるほど上手くなっていくのに、片づけだけはやってもやっても3日後にはまた元通りになってしまう。これだけは、どうしても上達しない。「どうやったら片づけが上手にできるようになるんだろう」と問題意識を持って取り組むようになったんです。

15歳で本格的に研究を始め、高校2年生の時「ときめく物を選ぶ」という理論が確立

近藤 それから、片づけに関して試行錯誤の日々だったのですが、15歳の時に当時ベストセラーだった『「捨てる!」技術』という本を読んで衝撃を受けました。その本には、物を捨てることの重要性が書かれていたので、早速自分の部屋で試してみたところ、45リットルのゴミ袋が8袋分も出て、部屋の空気がガラっと変わってしまいました。

『「捨てる!」技術』

近藤 その時、「これまでずっと片づけを頑張ってきたけれど、そもそも自分が持つ物について考えないといけないんだ」と気づきました。

以来、これを極めようと思い本格的に研究を始め、日本で刊行されている片づけの本は全部読んで、学校から帰ってきたらずっと片づけをするという生活をしていました。中学3年から高校の3年間は、暇さえあれば、片づけをしているか、片づけの本を読んでいましたね。

しかし、ただ1つ問題がありました。当時の私は『片づけ=捨てること』だと考えていたので、常に家の中から捨てる物を探す毎日。でも捨てても捨てても、自分の心は満たされない。次第に身も心も疲弊していき、高校2年生の時に片づけのし過ぎで失神してしまったのです。

この経験を通して、「片づけって捨てることじゃなかったんだ。大事なのは捨てることではなく、残すものを選ぶこと、好きなものを選ぶことなんだ」と気づきました。そこで生まれたのが、「ときめく物を選ぶ」という現在の理論でした。

大学生の時に、趣味が高じて片づけコンサルタントとしてデビュー

ーー近藤さんはいつから片づけコンサルタントとしてお仕事を始めたのですか?

近藤 実は大学生の頃から、この仕事を始めました。大学入学を機に一人暮らしを始める友達が多かったので、そんな友達を見つけては「片づけしてもいい?」とお願いして、部屋をキレイにさせてもらうのが当時の私の趣味だったのです。

このように最初はただの趣味としてやっていたのですが、やっていくうちに「こんまりちゃんが家に遊びに来ると、部屋がめちゃくちゃキレイになるらしいよ」と噂になるように。すると「お金を払うので、私の家も片づけてもらえませんか?」と知らない人からもメールが来るようになり、仕事になってしまったのです。

5歳の時に片づけに目覚めて、高校2年生の時に今の理論ができて、大学生の時に初めて人に伝えるための技術を身につけ、仕事として磨き上げていった。実は、片づけコンサルタントになった経緯はすごく長いんです(笑)

片づけをするだけで、人生までも輝きだす!?

ーー近藤さんのコンサルを受けたお客様は、実際どんな風に変わっていったのでしょうか?

近藤 お部屋がキレイになることで、「私って、こんなステキな空間で暮らすのに相応しい人間なんだ」とセルフイメージが上がり、みなさん自分をより好きになっていきました。

さらに仕事や恋愛、人間関係などのあらゆるシーンで、「これは本当に自分を幸せにしてくれるだろうか?」と考えられるようになり、自分がときめく選択肢を選べられるようになっていったんです。

私のレッスンを受講された方の中には、本当にやりたいことが見つかって、勤めていた会社を辞めて起業した方もいましたね。逆に、それまでは自分の仕事があまり好きではなかったけれど、自分のときめきがわかるようになって、「やっぱり私はこの仕事が好きだったんだ。会社の仕事が嫌だと思っていたのは、ただ単に労働時間が長くて体が疲れていただけなんだ。」と気づいて、働く時間を見直した方もいました。

本当に自分がやりたいことは何なのか、じゃあ自分はどうしたらいいのか、という方向性がクリアになることで、そこに自分の時間とエネルギーを思いっきり注げる。だから人生までも輝きだす。それが、片づけのすごい効果ですね。

ーーー私も近藤さんの著書を読ませていただいて、片づけって「心を整えること」でもあるんだなと思いました。自分に本当に必要なものがわかり、人生の選択もクリアになって、生きやすくなったという感覚があります。

会社員をしながら副業で片づけの仕事を続け、のちに独立

ーー大学を卒業後は、会社に就職されました。最初から片づけで独立しようとは思わなかったのでしょうか?

近藤 その時は、まさか片づけで起業できるとは思っていなかったので、周りの学生と同じように就職活動をして、会社に就職しました。ただ私は片づけ以外、特に趣味がなかったですし副業が可能な会社だったので、会社員時代も土日に片づけの仕事を続けていました。

しばらくすると、土日だけでなく平日の朝7時から9時まで経営者向けのデスクの片づけレッスンをしてから、9時半に会社に出社するという生活を始めました。

ーー平日の朝も!? 経営者向けのレッスンを始めた経緯は何だったのでしょう?

近藤 本業では採用コンサルの営業をしていて、中小企業の社長さん相手にお仕事をしていました。ある時、打ち合わせの雑談で週末に片づけレッスンをしていると話したところ、「ちょうど片づけをしたいと思っていたんだよ」と言われたことがきっかけです。

このレッスンが好評だったので、その社長さんが他の経営者の方も紹介してくださり、どんどんお客様が増えていきました。また、採用コンサルの方でも、色んな社長さんを紹介してくれたので本業でも助かりました。

ーーー本業、副業ともにいい循環があったんですね。でもその分、忙しかったのではないですか?

近藤 そうですね。片づけの仕事がどんどん増えていき、本業との両立が物理的に難しいと感じるようになりました。採用コンサルの仕事も好きだったのですが、私は片づけの仕事をした方が世の中の役に立つのではないかと思い、2年間働いた会社を辞め、起業しました。

独立当初は、睡眠3~4時間で朝から晩まで働いた

ーー独立して大変だったことはありますか?

近藤 起業して最初に厳しさを感じたのは、一般向けのセミナーを開催した時です。それまでずっと紹介制で仕事をいただいていたのですが、初めて一般向けのセミナーを開催したところ、4名様のお申し込みがあったのですが、当日2人ドタキャンがあり、参加者が2名になってしまったんです。もちろん、おふたり参加してくださっただけでも有難いのですが、やっぱり自分でビジネスをするって大変なんだなと痛感しました。

しかし地道にコツコツ続けていったら少しずつお客様が増えていき、独立してから1年半後には、お客様の待ちリストが6ヶ月先まで埋まるようになりました。

するとお待ちいただいていたお客様たちから「近藤さんの片づけメソッドを本にしてほしい」と言っていただくように。しかし、どうやって本を出していいか分からなかったので、ある作家養成講座に参加しました。幸いにもその講座で行われた単行本の企画コンペで優勝し、初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』を出版することができました。

『人生がときめく片づけの魔法』

ーーすごい!独立してから、とんとん拍子ですね!

近藤 そう言っていただくこともあるんですが、実際はそんなに華やかなものではなく、当時は死ぬほど働いていましたね。

私の片づけレッスンは1回約5時間なんですが、そのレッスンを1日3件やっていました。朝7時から12時まで1レッスンして、午後13時から18時まで2つ目のレッスンをして、最後のレッスンは夜19時から23時。深夜まで働き、本の出版が決まってからは家に帰って執筆もしていたので、毎日3~4時間睡眠でした。

ーー独立して1年半後にはビジネスが軌道にのって、すぐに出版も決まってさらに後にベストセラーになったということだけ聞いてしまうと、羨ましいなぁと思うけれど、実はそんな過酷なスケジュールでお仕事をされていたんですね。

近藤 自分が働かないと収入が入ってこないので、とにかくできる限り仕事を入れて必死に働いていました。その頃は20代だったということもあり、若かったんでしょうね。今は絶対、同じ生活はできません(笑)。

ーーもちろん若さもあると思いますが、近藤さんにとって片づけが本当に好きなことだったから乗り切れたのでしょうか?

近藤 もちろん好きだったというのもありますが、片づけの仕事を心から信頼していたから、というのも大きいと思います。片づけは人の役に立つし、人生を変える。これが広がることで、世の中のためになると心の底から信じていたので、頑張れたんだと思います。

「好きなことを仕事にしたい」と思う人に向けてメッセージ

ーー近藤さんのように、好きなことを仕事にしたいと思う読者の方も多いと思います。そんな方にアドバイスするとしたら、どんな言葉をかけますか?

近藤 仕事にするということは、人から求められること、社会に貢献すること。もし好きなことを仕事にしたいのであれば、そのスキルを磨いて突き詰めておくことです。

あとは、何かに挑戦する度に、必要なものが出てきます。例えばセミナーを開きたいと思ったら、自分の見せ方や集客のノウハウを学ばなければなりませんよね? その都度その都度やるべきことを一つ一つ着実に地に足をつけてやっていく。それが、自分が本当にやりたいことへ近づく、大きなステップになると思います。


5歳の時に片づけに目覚めて以来、研究と努力を積み重ね、片づけコンサルタントとしてデビューした近藤さん。インタビュー後編では、なぜ著書『人生がときめく片づけの魔法』をはじめ、近藤さんの本が世界で800万部のベストセラーになったのか、その理由に迫りました。

 

▼後編はこちら
シリーズ800万部の大ヒット!なぜ近藤麻理恵さんの片づけ法は、世界中で支持されているのか!?

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プロフィール

近藤麻理恵
近藤麻理恵
片づけコンサルタント

幼少時代より、『ESSE』などの主婦向け情報誌を愛読し、片づけの研究を続ける。学生時代に片づけコンサルティング業を開始し、「こんまり流ときめき整理収納法(こんまりメソッド)」を完成させる。著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)が世界的に大ヒットし、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出される。現在、夫、娘2人とアメリカに在住。世界に向けて発信を続けている。生活情報誌『ESSE』にて、片づけ相談を連載中。

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ライターについて

Writer 13
鮫川佳那子(さめこ)

NY在住ライター/ニューヨーク女子部♡主催。青山学院大学フランス文学科卒業後、サイバーエージェントに入社し広告制作・メディア編集・イベント企画運営に携わる。2015年より夫の海外転勤で渡米し、現在はニューヨークの新聞をはじめ様々な媒体でコラムや、海外で活躍する日本人のインタビュー記事を執筆。またNY在住の20~30代女性が約600名所属するコミュニティ「ニューヨーク女子部♡」を主催し、イベント企画運営も行っている。

プロフィール

近藤麻理恵
片づけコンサルタント

幼少時代より、『ESSE』などの主婦向け情報誌を愛読し、片づけの研究を続ける。学生時代に片づけコンサルティング業を開始し、「こんまり流ときめき整理収納法(こんまりメソッド)」を完成させる。著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)が世界的に大ヒットし、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出される。現在、夫、娘2人とアメリカに在住。世界に向けて発信を続けている。生活情報誌『ESSE』にて、片づけ相談を連載中。

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