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特集!あの人の本棚
38.

クラリスブックス   (下北沢にある古本屋)


下北沢の古本屋「クラリスブックス」が選ぶ「下北沢っぽい本」 - シリーズ「本屋さんの本棚」

クラリスブックス
本棚のプロフェッショナルである本屋さんに本棚をつくっていただこうというインタビュー企画。下北沢の古本屋「クラリスブックス」に選んでいただいたのは「下北沢っぽい本5冊」です。なぜ下北沢に開店したのかも含めて、伺っていきます。
下北沢の古本屋「クラリスブックス」が選ぶ「下北沢っぽい本」 - シリーズ「本屋さんの本棚」

和氣(聞き手、以下は和氣と表記) さて、前回は「クラリスブックスをあらわす5冊」をお聞きしましたが、今回は「下北沢っぽい本5冊」をお尋ねします。本の紹介に入る前に、まず、独立して開店するにあたり、なぜ下北沢という場所を選んだのかをお聞きしたいと思います。

高松店長(以下、高松) まず、自分が住んでいる場所だということが大きいです。勝手知ったるといいますか、やっぱりこの街が好きなので。

和氣 地元というのは大きいですか。

高松 それに、最近はこの街に本屋の数が多くなってきていて、クラリスブックスも加わっていけばもっと楽しくなりそうだと思ったのもあります。

和氣 なるほど。下北沢在住のライター・仲俣暁生さんが、下北沢本屋論のような文章で「本屋が多くなってきている」と同じようなことを書いていらっしゃいました(雑誌『kotoba 2013年春号』)。

下北沢には、新刊書店ではB&Bやヴィレッジ・ヴァンガード、三省堂書店。古本屋では、ジュライブックスや古書ビビビ、古書ほん吉、気流舎など、どんどん魅力的な本屋が増えてきていますね。散歩するといろいろなお店があって楽しいです。

高松 神保町もそうなのですが、本屋があつまると周遊効果と言いますか。「あの店には無くてもこの店にはあるかも」といった感じで本屋巡りをしてくださるお客さんが増えると思うんですよね。

下北沢には魅力的なカフェもたくさんあるので、歩き疲れたらそこで休めばいい。小さいながらもいろんな個性を持った本屋が集まることで、街としての魅力が高まるんです。

和氣 わたしも、下北沢は本屋好きとしては外せない街になってきたと感じています。では、そんな「下北沢っぽい本」とうことですが、この5冊を選んだ理由をお聞かせいただきたいです。

高松 下北沢って聞いたときにどんなことを思い浮かべますか? ぼくは「若者の街」とか「小さいお店がたくさんある」とか「旅」とか「音楽」、「映画・演劇」、「古着屋が多い街」とか、そういったイメージが思い浮かびます。

まだ開店してようやく一年経ったくらいの当店が言うのも変かもしれないですが、今回選んだ5冊は当店にあった本のなかから、このような下北沢から連想するイメージに合いそうな本を選びました。

和氣 確かにぼくも似たようなイメージがあります。小さいけれど個性的なお店が多くて、若者が実験的なことをやったりしているイメージですね。それでは、一冊ずつ聞いていきます。まず、この大判本が気になりますね。イラストがカワイイ。

高松 『DINERS』は洋書で、John Baederというひとが著者です。この著者は、普段はファインアート(現代アートに対して、伝統的な芸術のこと)をつくられている方なのですが、この本ではアメリカのDINERのイラストを書いています。DINERというのは、個人が経営しているような小さい店ですね。小さい店ばかり出てくるので、そこが下北沢っぽいと思いまして選びました。あと絵がカワイイ(笑)。

和氣 ホントにカワイイですね(笑)。 次の選書である『メンズウェア100年史』というのは、古着というイメージからですか?

高松 その通りです。古着屋で「何か良いものはないか」と探していると、「なんだこれは?」という服に出会うことがありますよね。そういうときにこの本を読んで知識があると、また違った楽しみ方ができると思い選びました。

和氣 ジャック・タチ『ぼくの伯父さん』はとっても下北沢っぽいですね。ミニシアター好きはかならず観ていそう(笑)。

高松 そういう人が下北沢には多いかと思っています。『耳をすます旅人』の著者・友部正人はご存じですか?

和氣 いえ、不勉強ながら知りません。帯に「歌いながら旅する詩人」とあるので、旅する詩人なのかとそのまま思ってしまったのですが、どんな人なんですか?

高松 フォークシンガーです。『さよなら人類』のたまと共演したり、『さくら』の森山直太朗やTHE BLUE HERTSのギタリスト・真島昌利などに影響を与えている音楽業界では有名な人なんですね。ミュージシャンで詩人で旅もする。まさに下北沢的じゃないですか?

和氣 ホントだ(笑)。ということは『HOSONO百景』もはっぴいえんどの細野晴臣が著者だからでしょうか。友部正人と同じように細野晴臣も多くのミュージシャンに影響を与えていますよね?

高松 この方は有名ですよね。仰るとおりの理由です。 はじめに言ったように下北沢って若い人たちが実験的な小さい店を次々に開いたり、演劇をやってみたり音楽をしてみたりできる場所なんだと思うんですよ。だからこそ、それを面白いと思って若者がさらに集まる。

もちろん浮き沈みは激しいですが残るものは残っていますし、そういう店だからこそ間違いない場所だったりする。今回おすすめしたこの5冊から下北沢により興味を持っていただければ選んだ甲斐があります。

和氣 ぼくもこのインタビューを読んでくれた方が下北沢に興味を持ってくれたり、下北沢のことをもっと好きになってくれると嬉しいです。本日はありがとうございました。

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プロフィール

クラリスブックス
クラリスブックス
下北沢にある古本屋

東京都世田谷区、下北沢にある古本屋。神保町にある老舗書店から独立した三人により、2013年に設立。

主な取り扱いジャンルは、哲学思想・文学、キリスト教、オカルト、アート、ファッション、写真、デザイン、SF、サブカルチャー関係。古書の買取も随時受け付けている上、古本の探求も受けている。

ライターについて

Writer 2
東海林真之

honciergeを運営する会社の代表。出版社に勤める両親のもとで生まれ、本に囲まれて育つ。 本屋をうろつき衝動買いをするのが趣味だが、書店員に限らず「人のおすすめを通じた本との出会い」は出会いの体験を豊かにするはず!という思いからhonciergeを開始。より多くの幸せな本との出会いを、みなが感じられるように、試行錯誤中。

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東京都世田谷区、下北沢にある古本屋。神保町にある老舗書店から独立した三人により、2013年に設立。

主な取り扱いジャンルは、哲学思想・文学、キリスト教、オカルト、アート、ファッション、写真、デザイン、SF、サブカルチャー関係。古書の買取も随時受け付けている上、古本の探求も受けている。

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