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特集!あの人の本棚
87.

くだん書房   (少女漫画専門の古書店)


そこは、レトロデザインの宝庫。少女マンガ専門古書店・くだん書房に聞く、ひらめきを生む本

くだん書房
世界一の古書店街・神保町に店を構える古書店の店主たちに「ひらめきを生む本」を選んでいただく企画『発想の窓 ひらめきを生む本』。選んでいただいた本は、神保町の「HASSO CAFFÈ with PRONTO」に展示し、チラシと合わせて紹介しています。今回は少女マンガ専門古書店・くだん書房の店主・藤下真潮さんにお話を伺いました。
そこは、レトロデザインの宝庫。少女マンガ専門古書店・くだん書房に聞く、ひらめきを生む本

少女マンガやレトロデザインに彩られる店内

少女マンガファンのための古書店が神保町にある。そんな噂を聞いて辿り着いたのは薄暗い雑居ビルでした。しかも目的地は3階。看板が置いてありますが、ここで本当に合っているのでしょうか。そんな不安を抱えながらどうにかビルの3階まで昇ると、ビルの雰囲気とは似ても似つかぬ、ファンシーな表紙に埋め尽くされた「くだん書房」がありました。

くだん書房は、2002年創業の古書店。はじめは自宅の蔵書からスタートし、一時期は少女マンガではなく和本や宇宙関連書を取り扱ったこともありました。しかし神保町はさまざまな得意分野をもつ古書店がひしめく街。現在は少女マンガに特化した品ぞろえが「くだん書房」の特徴です。特に1980年代のマンガ雑誌が多く、『ベルサイユのばら』第1話が掲載された「週刊マーガレット」を取り扱ったこともあるそうです。

お話を伺うなかで興味深かったのが、貸本マンガの仕入れです。実は、1960年代はじめまで販売用のマンガは少なく、ほとんどが貸本屋で借りて読まれていました。水木しげる氏など、昔のマンガ家はほとんど貸本マンガを描かれています。そのような貸本マンガは50年以上も前の貴重なものなので、入荷してもすぐに売れてしまうとのこと。しかし時折入荷するので、お店に並んでいるようです。もし訪問時に出会えたらラッキーですね。

このお店を訪れるお客さまには、子供のころに読んだマンガをもう一回読みたい、という方が多いよう。一方で、「いまでは見ないようなデザインや絵柄に惹かれて来店する若い方もいます」とのこと。確かに「こだま」の表紙なんていまではなかなか見かけませんが新鮮に映る絵柄・デザインです。惹かれるのも分かります。とにかくマンガ好きな店長・藤下さんは、「懐かしいものをお客さんに渡せたら」という気持ちで同店を続けているそうです。


くだん書房が選ぶ「ひらめきを生む本」

―― さて、そんな藤下さんに「ひらめきを生む本」を選んでいただきました。今回は、いったいどんな考えから、本を選ばれたのでしょうか。

店主・藤下真潮さん(以下、藤下) コンテンツ自体ではなく装丁やデザインに着目して選びました。「こういう手があるんだ。こういう表現方法があるんだ」という発見を求めている若い方、特に高校生や大学生に、読むことでひらめくような体験をして欲しいという想いからです。「本というある程度の制約がある状況の中で、自分のコンテンツをいかにおもしろく伝えられるか」という製作者の意図が強く感じられる本ばかりですね。

―― たしかに、1冊目の本から特徴的な装丁ですね。

藤下 1冊目の『NASA/GRUMMAN APOLLO LUNAR MODULE』は、アポロ計画の宣伝用冊子です。普通だったら紙でつくるところを透明なシートの上にカラーで月面着陸船の構造が描かれています。透明なので一枚一枚めくるごとにどんな要素が詰め込まれているのかが分かるようになっている。航空宇宙関係の本を取り扱っていたときに仕入れたのですが、装丁やデザインがとてもおもしろい一冊です。

―― ほんとうだ、シートが重なっているんですね。一見すると複雑そうな月面着陸船の構造が分かりやすく示されているデザインなんですね。次のこの本は……三角の本ですか?

藤下 2冊目の『TRI-TRY』は同人誌即売会で販売されていた冊子です。とても小さい冊子(一辺5cm程度)ですが、このように蛇腹を複雑にしたようなデザインになっています。「紙をめくって読む」という体験を楽しんでもらうための作品です。同人誌は自分で本自体を製作されている方も多く、こういった変わったデザインの冊子も多いんですよ。

―― 見たことのない本です。こんなデザインもありなのか、と驚きました。

藤下 3冊目の『解体人形 吉田良人形作品集』は、表紙が目を引くので選びました。球体関節人形の写真集で、ダークな世界観を持ったこの本の内容を見事に表した表紙ですね。

―― 本棚にあっても表紙から世界観が伝わってきますね。インパクトがすごい。

藤下 先ほども申し上げましたが、今回選んだ3冊は「コンテンツの面白さをいかにデザインで伝えるか」のヒントになりそうな本です。当店の少女マンガもデザインに注目すれば、現在の本にはない魅力があります。ぜひ若い方にこそご来店いただきたいです。

―― ありがとうございました。

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プロフィール

くだん書房
くだん書房
少女漫画専門の古書店

神田神保町にある少女漫画専門の古書店。

営業時間:AM11時~PM7時(土曜PM6時半閉店)
定休日:日曜、祭日
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目34高瀬ビル301
TEL:03-3233-2020
E-mail:shop@kudan.jp

ライターについて

Writer 7
和氣正幸

リアル本屋開業を目指す本屋好き。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。本をキーワードに様々な分野で活躍中。

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少女漫画専門の古書店

神田神保町にある少女漫画専門の古書店。

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定休日:日曜、祭日
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目34高瀬ビル301
TEL:03-3233-2020
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