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特集!あの人の本棚
90.

矢口書店   (古書店)


「ひらめきは、チームワークで生み出すもの。」映画・演劇専門の矢口書店が選ぶ、ひらめきを生む本

矢口書店
世界一の古書店街・神保町に店を構える古書店の店主たちに「ひらめきを生む本」を選んでいただく企画『発想の窓 ひらめきを生む本』。選んでいただいた本は、神保町の「HASSO CAFFÈ with PRONTO」に展示し、チラシと合わせて紹介しています。今回伺ったのは映画・演劇・シナリオ・戯曲の専門店、矢口書店。ここには古書店のイメージとはまったく違う親しみやすい方々がいました。
「ひらめきは、チームワークで生み出すもの。」映画・演劇専門の矢口書店が選ぶ、ひらめきを生む本

映画や演劇の世界にひたれるお店

神保町駅A6出口より徒歩3分。店舗の外側一面の本棚がめだつ矢口書店は、大正7年創業の老舗です。店舗のなかに入ると所狭しと本が並べられており、これぞ古書店といった趣き。ところが、店主の矢口哲也さんは「気軽に声をかけてほしい店」だと話します。「厳しい・怖い」といった古書店のイメージは過去のもの。いまでは分からないことがあれば気軽に答えてくれるような方々ばかりのようです。

「見に来て楽しいお店」がモットーの矢口書店は、映画や演劇が専門。ですがそれだけに留まらず、演芸・戯曲・落語・シナリオ・テレビ、さらに相撲に関する本もあります。「はじめは落語の本を扱っていたけれど落語好きなお客様が相撲の本も”矢口書店なら……”と言って売ってくださって、相撲の本も扱うようになりました」と話す矢口さん。お客様と一緒に育っているようなお店なんですね。

お店の楽しみ方を尋ねると「例えば、神保町シアターで古い映画を観た後に、ウチに寄っていただくと楽しいと思います」とのこと。たしかに、13時と17時などの上映時間に映画を観て、そのあと映画の舞台裏を描いた本や関連の話題をお店で楽しむのは、映画の楽しみが倍増しそうです。お店だけでも多様なエンターテイメントにあふれていますが、神保町という街と合わせて楽しむのも味わいがあります。「映画や演劇については、読むものだけでなく観て楽しめるポスターなど扱っています」という矢口書店は、ふらりと訪れて映画や娯楽の世界にひたる楽しさがありそうです。


チームワークが、ひらめきの元

―― さて、そんな親しみやすい古書店・矢口書店が選ぶ「ひらめきを生む本」。いったいどんな視点から、本を選ばれたのでしょうか。

店主・矢口哲也さん(以下、矢口) 映画や演劇、テレビもそうですが一人で完成するものではありません。チームでああでもないこうでもないとアイデアを出し合って良い物をつくっていくものです。いまの言葉で言うとブレインストーミングですね。そうやってみんなで新しいものを生み出していきます。そこで、当店では「ひらめきの本」として、チームワークが感じられる本を選びました。

―― チームワークから生まれるひらめき。おもしろい視点ですね。1冊目はどんな本でしょうか。

矢口 1冊目に紹介するのは『キネマ旬報別冊 第10号 二人の日本人 黒澤明・三船敏郎』です。これは、黒澤明監督が「赤ひげ」を三船敏郎と撮影していく様子を密着取材したもので、シナリオも載っていますし、セットの様子もわかります。ただ映画を観ただけじゃわからないことっていっぱいあるじゃないですか。もしこれを片手に「赤ひげ」をご覧になれば、チームで撮影していく映画の全貌を楽しめるんです。

―― 黒澤明チームによる映画づくりの舞台裏は、ひらめきに満ちていそうですね。

矢口 2冊目は『桂小米朝改め五代目桂米團治襲名披露公演 パンフ 手拭 扇子 チラシ 袋 一括』です。これは、2015年3月に亡くなられた桂米朝さんの息子・桂小米朝(襲名後は5代目桂米團治)の襲名披露公演のパンフレットとグッズです。なぜこれを選んだかというと、落語はひとりでする芸ですがその裏には師匠がいていろいろなひとたちが関わっているものだから。襲名披露にしても多くの方が関わっているわけじゃないですか。自分ひとりで生きてるんじゃないんだってことを考えさせてくれるので選びました。

―― ひとりでする芸だからこそ、チームの視点で見た気づきがあるのですね。

矢口 映画、落語と来ましたので3冊目は演劇です。井上ひさしは『ひょっこりひょうたん島』などを書かれた劇作家です。演劇もひとりではできない世界。脚本を書く人と演じる人でもちろん違いますし、ほかにも裏方がたくさんいます。井上ひさしの関わりの中から「人と人との関係で何かが生まれる」ということを感じていただければと思って選びました。

―― 3冊ご紹介いただきましたが、「チームワーク」という観点からひらめきを生む本を選んでいただいたことは新鮮でした。

矢口 ウチもチームですから。古書店には「頑固親父がひとりで」ってイメージがあると思いますが、実際はそんなことはありません。働いてくれるスタッフやお客様と一緒に、という気持ちで成り立っているのが古書店なんです。

―― たしかに、親しみやすい雰囲気を感じました。チームワークが良いからこその矢口書店の雰囲気なのですね。本日はありがとうございました。

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プロフィール

矢口書店
矢口書店
古書店

住所:千代田区神田神保町2-5-1
営業時間/休日:10:00~18:30(金・土~19:00)/なし、年末年始
TEL:03-3261-5708
FAX:03-3261-6350
メールアドレス:yaguchi@mbk.nifty.com
ホームページ:
http://homepage3.nifty.com/yaguchi/
http://yaguchishoten.jp/

ライターについて

Writer 7
和氣正幸

リアル本屋開業を目指す本屋好き。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。本をキーワードに様々な分野で活躍中。

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TEL:03-3261-5708
FAX:03-3261-6350
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