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特集!あの人の本棚
93.

Saku   (ミュージシャン)


勇気を与えてくれる「物語」の力(Saku インタビュー)

Saku
さまざまなプロフェッショナルの考え方・作られ方を、その人の本棚、読書遍歴、本に対する考え方などから紐解いていくインタビュー。今回は2ndシングル「春色ラブソング」を2月にリリースした女性シンガー・ソングライター、Sakuさんに登場して頂きました。
勇気を与えてくれる「物語」の力(Saku インタビュー)

映画『ビリギャル』の劇中歌「START ME UP」でメジャー・デビューを飾り、10代の学生を中心に支持を集めるSaku。待望の2ndシングル「春色ラブソング」は、春らしい王道の恋愛ソングに仕上がっている。淡い情景が浮かんでくるようなメロディと歌詞。今回のインタビューでは、その背景にある本を挙げてもらった。最近はマンガ喫茶に足を運び、「3時間のレディースパックでマンガを読んだりします(笑)」と語るように、マンガ熱が上昇中の彼女のオススメ本とは?

Sakuがセレクトした「春色ラブソング」とリンクする本

orange

「orange」高野 苺

Saku 10年後の自分から主人公に手紙が届くんですけど、そこには後悔がギッシリと綴られてるんですよ。その後悔の念とともに、その発端となった出来事を防ぐための指示がいろいろと書かれてるんです。具体的に日付まで書いてあって、「こういうことをしちゃダメだ」とか教えてくれる。最初に私がいいなと思ったのは、手紙を書くということ。今の時代、手紙で気持ちを伝えることって減ってるから、その設定が新鮮でした。

タイムスリップ系の作品がもともと好きなんですよ。映画だと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか。人は誰しも後悔って抱えてると思うんです。それをリセットできるチャンスがあるっていうのが、タイムスリップ系のSF作品の魅力かなと。しかも『orange』の場合は未来の自分が助けてくれる。現実だったら絶対にないことですよね。でも、昔を振り返って気づかされるというか、過去の自分に助けられることはあるわけじゃないですか。そういう意味で、リアルな日常と非日常的な部分がシンクロしていて、そのバランス感がすごくいいんです。

四月は君の嘘

「四月は君の嘘」新川直司

Saku 主人公の男の子はピアノを小さい頃から習っていて、友達と遊ぶ時間も許されず、母親から厳しい音楽教育を施されてきたんです。母親はピアノの先生だったんですけど、主人公が小学生の時に亡くなってしまって。その後、彼がどうやってピアノと向き合っていくのかが描かれてるんですが、音楽が題材なので、ついつい自分と重ね合わせて見てしまいます。夢を本気で追いかければ追いかけるほど、好きだったものが嫌いになりそうな瞬間があったり。その人のことが大好きなのに、深く関われば関わるほど、イヤだなって思う部分が見えてきてしまったり。そういった複雑な感情描写を見て、えぐられるというか。『orange』『四月は君の嘘』の両方に言えることなんですけど、思春期独特の葛藤をしっかり捉えていると思います。

夜のピクニック

「夜のピクニック」恩田陸

Saku 学校の行事で、一日中歩くだけの催し的なものがあって、登場人物たちが歩きながらいろんなことを話すーーそれだけの作品なんですけど、自分も一緒に歩いているような気持になるんです。目的地に向かって進んで行くだけなのに、不思議な感覚にさせてくれる。歩き続けることによって、登場人物たちの本音がどんどん出てくるんですね。私は『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』って映画が、恋愛映画のなかで一番好きなんですけど、男女が歩きながら会話をしているシーンが多くて。座って話すよりも、ゆったり歩きながら会話をすることで、意外と大事なことが喋れたりするのかなって。

時生

「時生」東野圭吾

Saku 東野圭吾さんの作品は昔からいろいろと読んでるんですが、『時生』は爽やかな読後感があります。“ときお”って読むんですけど、時生くんという難病の男の子が、過去のお父さんに会いに行くんです。今のお父さんは女性関係とか身の回りのこととか、結構ダメな感じなんですね。で、それを正すためにタイムスリップして、息子ということは隠して会いに行く、まさに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』っぽい感じがあるんです。

過去にいるお父さんは、その男の子と接していくうちに影響を受けて、だんだん変化していく。これも『orange』『四月は君の嘘』と同じように、誰しもが持つ後悔みたいなものが主題になっていて、それを人と人との「繋がり」で再生していく。どこか救われる感覚がありますね。

ビリギャル

「ビリギャル」坪田信貴

Saku この本のタイトルを見たときとてもインパクトがありました。これがフツーの成績の女の子で、ストーリーもフィクションだったら「ふーん」で終わりそうなのに、学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應義塾大学に合格したんだから凄いですよね。当事者の小林さやかさんの「絶対に受かってやる!」という強い意志があって、そういったことが実現できたわけで。この話を最初読んだとき、自分もすごく救われたんです。夢を一つずつ形にしていくのって、結構時間がかかると思うんです。その夢に少しずつ賛同してくれる人が増えていって、たとえ賛同されなかったとしても、まずは自分の中に強い意志さえあれば、夢に近づくことができる。そういう部分で勇気をたくさんもらいました。映画になった時に劇中歌(「START ME UP」)を書かせていただいたんですが、自分の気持ちと照らし合わせて作りましたね。

本を読むと、忘れてしまった気持ちが、ふと蘇ってくる

―― 挙げて頂いた本を見てみると、学生時代の成長を描いたものが多いですね。

Saku そうですね。成長の道のりというか。私の学生時代はもう終わってしまったんですけど、今でもその時の気持ちが、ふと蘇ってくる。これらの本にはそういう効き目があります。今回の新曲「春色ラブソング」でも歌っているんですが、恋する気持ちに年齢や偏差値とか関係ないなと思っていて。高校生の頃、大人になった今、いわゆる恋愛偏差値みたいなものって、あまり変わってない。なので、大人の方が聴いたら昔の気持ちに自然と引き戻されるような、そんなタイムカプセルみたいな曲になってほしいんです。

Photographs by Motoki Adachi

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プロフィール

Saku
Saku
ミュージシャン

広島県生まれ・横浜出身、23歳の女性シンガー・ソングライター。2015年4月、SPACE SHOWER MUSICより1stアルバム『FIGHT LIKE A GIRL』と、有村架純主演・映画『ビリギャル』劇中歌「START ME UP」のメジャーシングル、2作同時発売で異例のメジャー進出。ポップなメロディに個性的なヴォーカルが乗った楽曲が評判を呼び、同年夏には大型フェス「ROCK IN JAPAN FES 2015」、北海道「JOIN ALIVE 2015」に出演を果たす。10代学生を中心にファンが増加中で、2月には最新シングル「春色ラブソング」をリリース。
http://sakumusic39.com/

ライターについて

Writer 5
ホンシェルジュ編集部・芸術/芸能班

音楽、映画、アイドル、その他の芸術/芸能に詳しいライターによる班。もちろん皆が本好きだが、そのレベルや守備範囲はさまざま。日本のエンタテイメントのトップランナーを通じて、本/読書の楽しみへの入り口をつくりたい。あるいは本/読書という切り口を通じて、トップランナーの新たな一面を引きだしたい。

プロフィール

Saku
ミュージシャン

広島県生まれ・横浜出身、23歳の女性シンガー・ソングライター。2015年4月、SPACE SHOWER MUSICより1stアルバム『FIGHT LIKE A GIRL』と、有村架純主演・映画『ビリギャル』劇中歌「START ME UP」のメジャーシングル、2作同時発売で異例のメジャー進出。ポップなメロディに個性的なヴォーカルが乗った楽曲が評判を呼び、同年夏には大型フェス「ROCK IN JAPAN FES 2015」、北海道「JOIN ALIVE 2015」に出演を果たす。10代学生を中心にファンが増加中で、2月には最新シングル「春色ラブソング」をリリース。
http://sakumusic39.com/

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Sakuがセレクトした「春色ラブソング」とリンクする本

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