5分でわかる日用品業界!海外進出は既定路線。マーケティング重視の企業など業界を解説!

更新:2021.4.8

日用品業界はトイレタリー業界と同じと見なされたり、より広範囲の消耗剤を含んだりする業界です。現代人の生活に合わせた商品や、潜在需要を掘り起こす商品などが話題となり、今後は海外展開にも注目が集まっています。 本記事では狭義の日用品=トイレタリーに着目し、業界の特徴や話題のニュースについて解説します。外資系が多い業界でもあるので、さまざまな働き方が可能です。記事の最後には、日用品業界で働く上で身に付けたいマーケティングスキルを学べる書籍を紹介しています。マーケティングの基礎から本質まで、実践を通して身に付けたい方は書籍にも目を通してみてくださいね。

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目次

日用品業界とは

日用品業界の範囲をどう定義するかは考え方によってさまざまです。最もよく見られるのはトイレタリー業界と同義だとするものですが、それ以外の業種を含むこともあります。

この章では日用品業界について簡単に説明していきます。

トイレタリー・化粧品業界

トイレタリー業界=日用品業界と言われても、トイレタリーという言葉そのものになじみがない方も多いのではないでしょうか。

英語の「toiletry」は化粧品という意味ですが、日本では化粧品に加えて洗剤・入浴用品・その他の掃除用品などをトイレタリーと呼びます。主にドラッグストアで買うことの多い日用消費財だと思えばだいたい間違いありません。

一般消費財を含む定義も

「日用品・生活用品」もしくは「消費財」というくくりで業界を定義することもあります。この場合はトイレタリーだけではない日曜的な消耗品も含まれてきます。電池や電球などの電化製品や、文房具・事務用品などが当てはまります。

トイレタリー業界の特徴

日用品業界のくくりには、いくつかの種類があることを解説しました。これ以降、本記事では特に就職活動でまとめてエントリーされることの多いトイレタリー業界に絞って詳しく見ていきます。まずは業界の特徴を知っていきましょう。

外資系の参入が強い

P&G、ユニリーバ、ロレアル。トイレタリーに関心がある方はもちろん、普段消費財にあまり目を向けない方でも一度は社名を見たことがあるような有名企業です。この3社の共通点は「外資系である」ということ。日本の消費生活にしっかりと根を下ろしたブランドが多数展開されています。

一方、ドメスティックな企業としては花王、ユニ・チャーム、ライオンや各製薬会社があります。これらも有名な企業で、ロゴマークをぱっと思い浮かべられる方も多いでしょう。

マーケティング重視の企業も珍しくない

2020年、ユニリーバジャパンは「#性別知ってどうするの」というキャンペーンを始めました。求職者の履歴書から顔写真と性別欄をなくし、性別や外観から無意識におこなってしまう判断のバイアスをなくす取り組みです。

キャンペーン名はハッシュタグ付きになっており、SNSでの発信・拡散が可視化される仕組みです。著名人にハッシュタグを付けたSNS投稿を依頼し、それを広告として流してもいます。

このキャンペーンは、就職活動中の学生にとっては「自分を正当に評価してくれる会社かもしれない」と期待を抱かせます。直接は採用に関係がなくても、性別や外見で不利な扱いを受けた経験があれば、このようなキャンペーンに好感を持つ方は多いでしょう。

仮に取り組みそのものに反対意見がある方でも、SNSなどでキャンペーンに言及することで、企業としては拡散効果を狙えます。

ユニリーバに限らず、トイレタリー業界はメディアを有効に活用したマーケティング戦略を重視する傾向が見られます。ユニリーバ以外では、たとえば「P&Gマフィア」という言い回しがあります。P&G出身者は他業界に転職してもマーケティングに強いため、「まるでギャング集団のようだ」として呼ばれる名前です。

参考:ユニリーバ・ジャパンが履歴書から顔写真などを排除。採用活動で性別への偏見をなくす | Business Insider Japan 

日用品業界で注目の話題とは

続いてはトイレタリー・日用品業界のニュースにまつわるトピックを見ていきましょう。

グローバル展開の必要性

消費財はグローバル展開が比較的しやすい商品です。日本国内にも外資系メーカーが参入していますが、逆に考えると、国内メーカーも販路を拡大するためには海外展開が必須になってきます。国内だけに留まっていると、各国のメーカーが次々と市場に参入してくるためです。

ただし、どのくらい積極的に海外市場を開拓していくかでは各社で方針が異なっています。

たとえば花王は非常に慎重派として知られていますが、同じ国内メーカーでもユニ・チャームはアジアへ幅広く展開しています。外資系はもとよりグローバル志向が強く、P&Gではほぼ間違いなく海外勤務を経験することができます。

内需の減少

海外展開の必要性と共に考えなくてはならないのが、日本国内での需要減少です。少子高齢化も原因のひとつですが、日用品そのものが市場として成熟し、行き渡ってしまったことも忘れてはいけない点です。既存の商品をどんどん売っていこうとするなら、需要に供給が追いついていない市場を探さなくてはならないのです。

潜在需要を掘り起こす高付加価値商品の開発

海外展開以外に各社が積極的に取り組んでいるのがマーケティングを活用した商品開発です。

たとえば花王は有名な洗剤「アタック」開発の成功体験を持っています。もともと家庭用洗濯洗剤は重く大きいものでした。子育て中の親がひとりで買い物に行ったついでに購入するのが難しいことに目を付けた花王は、それまでよりもコンパクトで洗浄能力の変わらない洗剤を開発しました。これがアタックです。

こういった、消費者自身も気づいていない需要を掘り起こして付加価値とする取り組みが日用品業界の商品開発では必要です。各社が独自にノウハウを持っているので、マーケティングに関心がある方はそれぞれの特徴を調べてみるとより関心のある企業を見つけることができます。

参考:花王における3つのイノベーション : 「アタック」・「ヘルシア」・「クイックルワイパー」の開発に携わって | 京都産業大学 学術リポジトリ 

マーケティングについて学ぼう

著者
音部 大輔
出版日

P&G出身のマーケターである著者が、マーケティングの観点から仕事の仕方について解説した本です。「そもそもマーケティングとは何か」、「どのようにして商品開発をしていくのか」を知りたい方の入門書としておすすめです。

抽象度が高い内容のため、どんなフィールドでも実践できるはずです。マーケティングに関するノウハウを数時間で学びたい方におすすめできる1冊です。

より良い生活を求めて。マーケティングの本質を知る

著者
["クリフ・クアン", "ロバート・ファブリカント", "尼丁 千津子"]
出版日

マーケティングとは、究極的には「気づかれてはいないが、よりよい生活のためには解決されるべき潜在的な課題」を解決することだとも言われます。この課題のことを「JOB」と呼ぶマーケターもいます。

これまでJOBはどのように発掘され、解決されてきたのか。産業史の観点から「ユーザーフレンドリー」をキーワードに紐解くのが本書です。

拡散性の高い、消費者の口コミが欠かせない業界

著者
嘉徳, 土方
出版日

ユニリーバが「#性別知ってどうするの」キャンペーンをSNS上で展開したように、現代の市場では消費者の口コミや拡散性のある情報が必須になっています。

企業は相互性の高いSNSの機能に着目し、ただの広告ではない情報の出し方を研究しています。実際に運用して得られる知見はもちろん、本書のような専門書を読んでデータから得られる知見を持つことも大切です。

自分の適正年収をアプリで診断

日用品業界、そのなかでもとくにトイレタリー業界に着目し、業界の特徴や話題のニュースについて解説しました。

マーケティングを重視する企業では、研究・技術職でなくても商品開発や販売に深く関わっていくことができます。各社ごとの特徴も知って、自分に合った進路選びの参考にしてください。