Loading 81b424ebf5b28b6979c5bfbadb4fe3d86654abdce81e3c0259cc91c3ecd00497
Img balloon 99952a8b514b3cc0e73db059a2d3e6b545ae31ddd254b8b304003180873034f5
ファンベース (ちくま新書)

ファンベース (ちくま新書)

作者 佐藤 尚之
出版社 筑摩書房
出版日 2018年02月06日

人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、
新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。
生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に
必要だ。それは、ファンを大切にし、ファンをベース
にして中長期的に売上や価値を上げていく考え方であ
り、その重要性と効果的な運用の方法を、豊富なデー
タや事例を挙げて具体的に紹介する。
『明日のプランニング』に続く、さとなおの最新マーケ
ティングの必読書。
<目次> はじめに ファンベースは、あなたが思っているより、たぶん、ずっと重要だ
第一章 キャンペーンや単発施策を、一過性で終わらせないために
第二章 ファンベースが必然な3つの理由
ファンベースが必然な3つの理由
(1)ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから
(2)時代的・社会的にファンを大切にすることがより重要になってきたから
(3)ファンが新たなファンを作ってくれるから
第三章 ファンの支持を強くする3つのアプローチ~共感・愛着・信頼
「共感」を強くする
A ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする
B ファンであることに自信を持ってもらう
C ファンを喜ばせる。新規顧客より優先する
「愛着」を強くする
D 商品にストーリーやドラマを纏わせる
E ファンとの接点を大切にし、改善する
F ファンが参加できる場を増やし、活気づける
「信頼」を強くする
G それは誠実なやり方か、自分に問いかける
H 本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
I 社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする
第四章 ファンの支持をより強くするる3つのアップグレード~熱狂・無二・応援
「熱狂」される存在になる
J 大切にしている価値をより前面に出す
K「身内」として扱い、共に価値を上げていく
「無二」の存在になる
L 忘れられない体験や感動を作る
M コアファンと共創する
「応援」される存在になる
N 人間をもっと見せる。等身大の発信を増やす
O ソーシャルグッドを追求する。ファンの役に立つ
第五章「全体」をどう組み合わせ、構築するか
全体構築の3つのパターン
(1)中長期ファンベース施策のみで構築する
(2)短期・単発施策でファンをゼロから作っていくところから始める
(3)ファンベース施策を軸に、短期・単発施策を組み合わせていく
第六章 ファンベースを楽しむ(もしくは実行の際のポイントの整理)
あとがき
[巻末URL集]

レビュー

■読んだ期間
 2018/11/29-2018/12/12

■要約

 序章:
 
 【point】売上を拡大するためにはファンが重要

  ファンベースとは:
   ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方
 
  ファンとは:企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人
  支持とは :他のブランドや商品が数多くある中、強く惹かれ、愛用し、思わず友人に薦めたブランドや商品のこと
 
  ファンは売上の安定に直結している。
   ・少数のファンが売上の大半を支えている
   ・今いるファンを大切にしてLTVを上げていくことで収益の安定・成長に直結する。
 
 【point】単発施策の価値が薄れてきている

  ▼情報が溢れ返っている

  過去:
   値下げやタレントを起用したキャンペーン等の短期施策を繰り返することが王道だった。

  現在: 
   ・世の中に情報も商品もエンターテインメントも溢れかえりすぎていて、キャンペーンがとても届きにくくなった。
   ・キャンペーン自体が一過性かつ主観的風速的で、あっという間に忘れ去られてしまう。

  ▼単発施策等の新規顧客へのリーチを狙った施策は効きづらくなっていく

  ・人口急減により、顧客自体が物理的に減り続ける。
 
  ⇒売上の大半をファンに支えてもらって、それをベースに短期施策で連動して新規顧客を増やしていくという全体構築が重要

 【point】企業の本業は誰かの負を解消していること=価値に繋がる

 第1章:

 【point】
 単発的に終わらせるのでなく、
 リーチして認知を獲得したあとにどうするのか。
 どうやってその気持ちを継続させ、ファンにしていくのか。
 どうやってLTVを上げていくのか。等をあらかじめ構築したうえでリーチすることが縦横。
  
 第2章:

 ファンベースが必然な理由
 1)ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから
 ⇒コアファンとファンだけで、売上の9割を担っている。パレートの法則はあながち間違っていない。

 2)時代的・社会的にファンを大切にすることがより重要になってきたから
 ⇒①日本社会の変化:毎年100万人が減っていくことで物理的に新規アプローチできる数は減る
           高齢化社会の突入(=保守的で新規に手が出しづらい)
           独身が増える(ライフステージ変化の需要が減る)
  ②超成熟市場  :物が増えてきている(人は選択肢が多いほど選ぶのをやめてしまう。
           UPS等の他者との差別を明確にした商品もすぐ真似されてしまう。
  ③情報環境の過酷:情報が届きやすくなったため、自分に関係ない情報を記憶から消去するようになった
           SNSユーザーの約20%が総利用時間の80%を占めている。短期施策はリーチしにくい。逆にファンベース思考にはうってつけである。

 3)ファンが新たなファンを作ってくれるから
 ⇒価値観が近い人が愛用しているものは自分も愛用する可能性が高い。
  友人は自分の価値観が近い。そのため、友人からのリーチが最も効果が高い。
  友人等が誰かから言わされたのでなく、自分の言葉で紹介等して他の友人に届くことをオーガニック・リーチ。
  このオーガニック・リーチこそ一番、情報を受け取ってくれる。
  そして、リーチを受けた友人はファンになり、ファンがファンを呼ぶ構図が出来上がる。
  このオーガニック・リーチをしたくなる仕掛けや環境づくりが重要になる。
  (ちなみに、オーガニック・リーチはSNS等のウェブだけでなく、リアルでも効果がある)  

 第3章:

  ファンとは少数。ファンベース施策で間違えがちなのは、全員をファンになってもらうことを考えてしまうこと。

  ファンベース施策は大きく2つ

  ・ファンの支持を強くするアプローチ   = ファンのLTVをあげて、新たなファンを育てていく
   ※基本、すでにファンの人向けのアプローチで、価値をあげることでファンの入口にいる人にも効果がある。
  ・ファンの支持をより強くするアプローチ = ファンをコアファンにしていく

  ファンの支持を強化するためには、
  ①ファンが感じている価値自体をアップすること ⇒ 「共感」を強くする
  ②ファンが感じている価値を他に代えがたいものにすること ⇒ 「愛着」を強くする
  ③ファンが感じている価値の提供元の評価・評判をアップすること ⇒ 「信頼」を強くする

  ・「共感」を強くするとは
   ①ファンの言葉に傾聴し、フォーカスする
    ⇒ファンミーティング等を実施して、企業や商品目線でない、「ファンが感じている価値観を知る」ことが大事
   ②ファンであることに自信を持ってもらう
    ⇒ファンは基本的に自信が無い。自信を持たせるためには、他のファンのオーガニックな言葉を読むこと。
    そのために、ファンやユーザーの声、有識者のインタビューの声を下記のようにしてあげることが大事
    ・アクセスしやすく(探しやすく)、リンク元にしやすく(シェアしやすく)、より自信が持てるように(共感しやすい)
    また、マス広告(CM等)で流れて、あのCMだよ!と周りに言いやすくすることも重要
   ③ファンを喜ばせる。新規顧客よりも優先する。
    ⇒ファンは全体の20% 新規顧客のフォーカスにするよりも20%のファンにフォーカスすることが大事。

  ・「愛着」を強くするとは
   ①商品にストーリーやドラマを纏わせる
    ⇒友人からのプレゼントが嬉しい理由は、プレゼントよりも、自分のための「想い」、使った「時間」、考える「努力」が嬉しい
     企業の創業ストーリーや商品開発の背景、努力等が大事。モノの背景にいかに「人」がいることを感じさせられるかが大事。
   ②ファンとの日常的な接点を大切にし、改善する
    ⇒接点を忘れられない(=真実の瞬間)を大事にする。SNSは毎日の接点をもってもらうために重要。(他に代えがたい愛着を持たせることが出来る)
     店舗やコールセンターなどはそのまま記憶に残る「体験」になる。あらゆる接点でファンは見抜かれてしまうので、全て「誠実」に向き合うことが大事。
   ③ファンが参加できる場を増やし、活気づける
    ⇒ファンが気軽に参加できる場所を増やし、想いを共有し、体験を増やすことは愛着に繋がる。
     ただし、必ず商品ではなく、価値にフォーカスして場を作る事と、むやみにコミュニティを作るのではなく、
     まずは、価値をきちんと理解することが先に必要

   ・「信頼」を強くするとは
    ①それは誠実なやり方が自分に問いかける
    ⇒失敗や不祥事をきちんと見せることや、本当にファンのためになっているか問いかける
    ②本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
    ⇒商品力や品質の根拠となる研究開発や製造工程をきちんと見せること
    ③社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする
    ⇒社内はほとんど社外。社内での話が外に漏れることは現状では避けられない。その分、オーガニックリーチも起きやすい。

 第4章:

 第5章:

  短期施策とファンベース施策(中長期施策)の組み合わせのパターンは以下の3つ
  ①中長期ファンベース施策のみで構築する
   最初から中長期的にファンを増やしていく施策
   強力なブランド力かそれなりにファンが獲得できている場合の他に、
   キャンペーン等をする予算が無い場合や小規模な企業や地域密着な企業なども多い。
  ②短期・単発施策でファンをゼロから作っていくところから始める
   無名の商品や新商品、知名度が無いベンチャー企業が当てはまる
   短期施策で認知を増やし、ファンを増やしていく方法
  ③中長期ファンベース施策を軸に、短期・単発施策を組み合わせていく
   ファン大切にして、LTVをあげていきながら、短期・単発施策を組み合わせて相乗効果を狙う

 

■示唆

■アクション

この本が入っている本棚