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この世の全部を敵に回して (小学館文庫)

この世の全部を敵に回して (小学館文庫)

作者 白石 一文
出版社 小学館
出版日 2012年04月06日

白石一文が問う、00年代「人間失格」の書
人間は、どこから来て、どこに向かうのか--。生きがたい思いを漫然と抱く
すべての人に、作者から突き付けられた八万文字分の言葉の爆弾。



白石一文さん:『この世の全部を敵に回して』を刊行 深めた人生観を吐露
生きる意味や社会のあり方を真正面から問いかける作風で知られる作家、白石一文さんが12冊目の本になる『この世の全部を敵に回して』(小学館)を刊行した。物語をつくらず、日常に考えていることを一人称で吐露した異色の一冊になっている。
「アンコだけの小説です。皮も何もない。読者に面白くないと思われても、知ったことか、という思いでした。今、自分が何を考えているのか、自身で確認したかった」
小説の全体は、心筋梗塞(こうそく)のために53歳で急死した男が遺(のこ)した手記という設定になっている。彼には妻と2人の子供がいた。大手の商社員だったが、43歳で脱サラし、コーヒー豆の輸入販売会社を起こした。
<人間には、別の人間を信ずるという能力が最初から欠落している>
<霊能者や教祖たちは、実際には私たち一人一人が抱える根源的な苦しみや渇きを何一つ癒(いや)してはいない>
<死を恐怖の対象と捉(とら)え、その恐怖が愛の力によって斥(しりぞ)けられると語る者を信用してはならない>
粘り強い思索から、さまざまな言葉が生み出される。わかりやすく、たとえ話を交えながら、まっすぐに人生は何のために、と問いかけるのが特徴的だ。
「小説を書いていると、自分が何かを考えているような錯覚に陥る。でも、本当はどうなのか。哲学用語など、難しい言葉を使うことは避けました。特に仏教の言葉を使うと、とても物事を説明しやすい。でも、それは禁じて、借り物の思想ではなく、自前の人生観を語りたかった。それはすべての作家の最低限の義務だと思います」
物語を書くことの難しさを「今の時代に全体を理解することの困難」に結び付けて解説した。
「個別的なものを具体的に追求すればするほど、レポートになってしまう。それぞれの細部の情報はパッケージ化されている。そこに入っていくと、詳しくなるのだけれど、全体をつかめなくなる。そしてパターンに陥りやすい。そうじゃない書き方がいかにして可能なのか。探すしかないのが、今の作家が置かれている状況でしょう」
白石さんは再び、物語の海へ歩みを進めるのだろうか。一人称による告白を経て、今後の展開が楽しみになった。【重里徹也】(毎日新聞社08年6月11日付け朝刊)

--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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ハッカドロップス

愛知県春日井市出身 。大学に進学したものの、在学中に音楽の道を目指し、上京。音楽系の会社でデスクとしてアルバイトをしながら、楽曲制作などを手伝う日々を送る。そんな中、制作現場でプロデューサー・多保孝一氏と出会い、意気投合。ソロプロジェクト、ハッカドロップスがスタート。YAMAHA SG7 を肩にかけ、懐かしさと新鮮さの共存するサウンドで平成の世にハッカ飴を投じるべく活動中 。2016年4月、シングル「衝撃リバイバル」にてメジャーデビューを果たした。
http://www.hakkadrops.net/

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