ジョセフ・マーフィーにまつわる7つの逸話!「潜在意識の法則」提唱者を知る

更新:2021.11.10

多くの自己啓発書で目にするジョセフ・マーフィーの成功法則。でも、その思想のルーツは意外に知られていないのではないでしょうか?その真髄に迫る本をご紹介します。

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ジョセフ・マーフィーとは

ジョセフ・マーフィーは、1898年にアイルランドで生まれました。父は学校の校長で、ローマ・カトリック教徒として育てられ、イエズス会に所属していました。

20代の頃、ニューヨークに移住して薬剤師になります。ここで彼はディヴァイン・サイエンス教会の一派であるヒーリング・クライスト教会に参加していました。

19世紀末から20世紀初頭のアメリカでは、ニューソート運動という思想運動が広がっていました。ニューソート派はキリスト教カルヴァン主義への反発から生まれたといわれ、聖書の内容を再解釈しようとする思想です。

この思想では、神は普遍的かつ全能な本質、精神は究極の存在、人間の真の自我は神から与えられたもの、とされていました。病の本質は自己意識に対する無知が原因で、「正しい考え」はヒーリングの効果があるとしています。「ポジティブ・シンキング」という言葉とともに普及しました。

マーフィーが参加していたディヴァイン・サイエンス教会は、1880年代にサンフランシスコで発足したニューソートの一派で、当時のニューソートのリーダーたちに大きな影響を与えました。

その教義では、神はどこにも平等に存在し、目に見える物質全体は神的なものであるとされています。病などの邪悪なものは、人間が信じる範囲においてだけ存在するとしています。また、他のニューソート派と同様にヒーリングを非常に重視し、キリストのおこないを模範としました。

1940年代半ば、マーフィーはロサンゼルスに移住し、宗教科学の創設者アーネスト・ホームズに出会います。そして1946年にホームズによって宗教科学の叙階を受け、それ以来、ニューヨークとロサンゼルスでその教えを説きました。

ディヴァイン・サイエンス教会のアーウィン・グレッグと出会ったことで、彼は再びディヴァイン・サイエンスの叙階を受け、1949年にはロサンゼルスのディヴァイン・サイエンス教会の牧師になります。彼はここを国内のニューソート派の大きな集まりのひとつに育てあげました。

南カリフォルニア大で心理学の博士号を取得したマーフィーは、本格的に執筆活動を開始します。彼は発表した著書のなかで、潜在意識の利用について説き、「潜在意識の法則」を提唱しました。

その後カリフォルニア州ラグナ・ヒルズの牧師になり、そこで1981年に亡くなります。

ジョセフ・マーフィーにまつわる7つの逸話!

1:ヒンドゥー哲学に造詣が深い

マーフィーはインドに旅行したことがあります。その間多くの時間を、インドの賢者と交流し、ヒンドゥー哲学を学ぶことに費やしました。後に彼は、アメリカでヒンドゥー思想の新しい教会を設立しています。

2:さまざまな学位を持っている

マーフィーは薬剤師として活動するまでに化学の学位を取得していました。その他にも、神学、法学、哲学、心理学など多数の学位を持っています。

3:聴講者は毎週1000人を超えていた

マーフィーがロサンゼルスの教会で毎週日曜日に行っていた講話は、1300人から1500人もの人が出席していたといいます。また、彼が出演していたラジオも、非常に人気がありました。

4:伝記が嫌いだった

マーフィーは、彼の伝記を出版したいという要望を断っていました。そこには、自分の人生は自分が書いた本にこそ見いだされるべきだ、とのポリシーがあったようです。彼は30冊以上の本を執筆しています。

5:簡素な暮らしだった

マーフィーは講演活動や執筆で成功をおさめますが、妻によればその暮らしは簡素だったといいます。彼はほとんどの時間を、仕事と読書に費やしていたそうです。

6:他の人の潜在意識にも働きかける

一般的にマーフィーの潜在意識の利用について語られるときには、自分の潜在意識をどう利用するか、自分の潜在意識に向かってどう働きかけるべきか、に主眼が置かれています。

しかし、マーフィーは人を説得するときに相手を暗示にかける方法についてなど、他の人の潜在意識に働きかけることについても語っていました。

7:思想の原点は自分の体験だった

潜在意識の利用について多くの著作を残したマーフィー。その思想形成の出発点は、自身がサルコーマという悪性腫瘍を患った際の体験といわれています。マーフィーはフィニアス・クインビーなどが用いた「潜在意識への呼びかけ」による心理的療法によって、この悪性腫瘍を完治しました。

ジョセフ・マーフィーの代表作

心の姿勢がもたらす影響が、非常に多いことを教えてくれる本書。牧師として活躍していた著者が紡ぎだす言葉には、潜在意識に語りかけるような深い意味が込められています。

著者
ジョセフ・マーフィー
出版日
1989-11-01

1963年にアメリカで発表されたジョセフ・マーフィーの代表的な作品である本書。一見すると抽象的な表現が多いのですが、だからこそ、言葉のひとつひとつについて自分でじっくりと考えることができます。

人間の幸福とは何か、幸せになるためには何が必要か。本書はそれらについて考え、行動する絶好の契機になるのではないでしょうか。

自分の運命を決めているのは、もうひとりの自分?

潜在意識はあなたの誕生の瞬間から命が尽きる時まで、人生をコントロールする力をもっている、と説くマーフィー。その存在を知ることで、自分の人生を思いどおりにできるかもしれません。

著者
ジョセフ・マーフィー
出版日

似たような境遇にいながら、幸せになれる人と幸せになれない人がいる……両者の違いはどこにあるのでしょうか?

マーフィーは、潜在意識の存在を知っていて、その力を信じて引き出し、自分の人生に反映させることができるかどうかだといいます。潜在意識を「人類史上最大の発見」とするほど重要視している彼の考えが端的に書かれた一冊です。

潜在意識で成功を引き寄せる

マーフィーが唱えた潜在意識の利用。それをどのように実践し、どう現実に生かすのかが書かれた一冊です。

著者
大島 淳一
出版日
2001-04-01

潜在意識は自分が意識できていないだけで、すでに誰もが持っているものです。では、どうすればそれを利用できるようになるのでしょうか?

どのように潜在意識の力を生かせばよいのかが書かれています。まさに、マーフィー理論のエッセンスが凝縮された内容です。

ジョセフ・マーフィーが易占いを解説

潜在意識の利用について多くの著作を残したジョセフ・マーフィー。その彼が易占いについてやさしく解説しています。

著者
ジョセフ マーフィー
出版日

7章から構成される本書は、そのうちの4章を64種類ある卦の解説に充てています。易占いのことをまったく知らない人でも、理解しやすいよう分かりやすく書かれています。

そもそも、マーフィーが易占いの本を書いた、というと意外性を感じるかもしれません。占いと潜在意識とはちがうものではないか、と多くの人が思うでしょう。ですが本書によれば、「易占い」は占いとは称していても、各人の「潜在意識」が心の奥底で知っていることを提示するものらしいのです。

当たるも八卦当たらぬも八卦。易占いを試してみたい、という方は本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ジョセフ・マーフィーの思想のルーツを探る

ジョセフ・マーフィーが牧師として所属していたディヴァイン・サイエンス。この一派は、ニューソートの思想的潮流の中でどのように位置づけられているのでしょうか。

著者
マーチン・A. ラーソン
出版日

13章からなる本書は、大きな思想的潮流となったニューソートの思想の流れと各流派について書かれた一冊です。各流派がどのように影響を受け、また与えてきたのか、どのように位置づけられるのかが書かれています。

マーフィー自身もフィニアス・クインビーやアーネスト・ホームズに影響を受けていますが、その背景を思想史をとおして知ることができます。彼の思想のルーツを探ることができる、読みごたえのある一冊です。

いかがでしたか?ただの自己啓発では終わらない思想の深さが、ジョセフ・マーフィーの人気の理由かもしれませんね。

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