2019年のイースター(復活祭)はいつ?意味や起源をわかりやすく解説!

更新:2021.12.3

近ごろ日本でも少しずつ話題になっているイースター。カラフルな卵やうさぎのイメージが強いかもしれませんが、その意味や起源はご存知でしょうか。今回は概要や食事について解説し、おすすめの関連本もご紹介していきます。

ブックカルテ リンク

イースター(復活祭)って?

 

キリスト教においてもっとも重要な祭りとされているイースター。十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、3日後に復活したことを記念するもので、日本では「復活祭」とも呼ばれています。

もともと太陰暦に従って日付けが定められており、「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」におこなわれる移動祝日です。

2019年のイースターは、カトリックやプロテスタントなどの西方教会は4月21日、東方教会は4月28日です!

ちなみに英語では「Happy Easter」という挨拶が交わされますが、ロシアでは「キリストは復活した」という意味の言葉、フランスでは「美しいイースターを」という意味の言葉が交わされるなど、各国で異なる挨拶が存在します。

 

イースターの起源や由来は?

 

名前の由来は、ゲルマン神話の春の女神「Eostre(エオストレ)」からきているという説や、春の月名「Eostremonat(エオストレモナト)」からきているという説があります。

起源についても諸説あるのですが、なかでも有力なのが「テウトネス族の祭り」というもの。テウトネス族は古代ヨーロッパに存在した部族で、彼らには春の女神「エオストレ」を讃える祭りの習慣がありました。

キリスト教が伝播したことによって、この祭りの習慣も諸外国に伝わります。しかし異国でエオストレが失われるのを恐れた彼らは、「キリストの復活」と形を変えて各地に祭りが根付くようにしました。

現在では、十字架にかけられて処刑されたキリストが3日後の日曜日に復活したことをお祝いする、復活祭の要素が強くなっていますが、これらは後付けの理由だといわれています。

 

イースターは何をする日?うさぎと卵は象徴!食事も紹介

 

イースターの楽しみ方はさまざまありますが、そのなかのひとつに料理があります。とくに「卵」は、「生命が生まれる前の段階」のため、キリスト復活を彷彿とさせるもの。

カラフルに色を塗られた卵もよく見かけるのではないでしょうか。当初は死を象徴して真っ赤に色づけられていましたが、時とともに専用のペンを使ってカラフルな模様を描くようになりました。

また、卵を使ったゲームもおこなわれます。卵を隠す「エッグハント」や、スプーンに乗せて運ぶ「エッグレース」、イギリスやドイツなどヨーロッパ諸国では丘の上から転がす「ローリングエッグ」と呼ばれるものもされているようです。

イースターといえばもうひとつ有名なのが、「うさぎ」です。うさぎは豊穣の女神エオストレの象徴で、子どもをたくさん生むことから生命をイメージするとして親しまれてきました。

このほか当日には、ラムのロースト、十字架模様のあるレーズンパン、ローストハムなどを食べます。ラムやチキンの丸焼きにはお祝いの意味があるため、卵とともに肉料理が食卓に並ぶことが多いのです。

 

イースターは日本で定着する?

 

日本でもイースターの認知度はあがってきていて、大手テーマパークでも定番のイベントになっています。

また製菓の分野でも、うさぎやカラフルな卵をあしらったパッケージのものが4月から5月中旬ころまで販売されるようになりました。

ただ、ハロウィンほどの定着度はありません。その理由として、日本のお花見の時期と重なっていることと、移動祝日であることがあげられるでしょう。毎年日付けが変動することは、新しく定着させるのには向いていないのかもしれません。

また年度の変わり目で忙しく、時間を割きづらいこともあげられますね。その分今後の伸びしろは大きいので、この時期の街の様子が変わることも、そう遠くないかもしれません。

 

イースターを子どもに教える絵本

 

うさぎのエレンのドキドキの冒険を追いながら、イースターという行事について学べる一冊。基本的な知識から日本ではあまり知られていない豆知識まで、分かりやすくまとめられています。

エレンはエッグハントをしている最中、虹色の卵を探すあまり、深い森に迷い込んでしまいました。そこで卵のありかを知っているというキツネに出会うのですが……。

 

著者
ますだ ゆうこ
出版日
2017-03-21

村の村長がエレンにイースターについて教える、という形をとっているので、読者も彼と一緒に楽しく学ぶことができます。

巻末には料理紹介のページもついているので、これ一冊で大満足の内容です。
 

挿絵を楽しみたいならこの本

作者のターシャ・テューダーは、アメリカの絵本画家かつ人形作家。「アメリカ人の心を表現する」と絶賛されるその絵は、ホワイトハウスのポスターとしても使われています。

本書はそんなターシャが、イースターをテーマに書いた絵本です。

著者
ターシャ テューダー
出版日
2002-04-01

イースター前日から当日までの子どもたちの様子を、繊細で優しいタッチで描いています。子鹿やひつじなどの動物たちは、まるで芸術品のよう。

物語は、「よい子どもはよい夢を見れる」ということを軸に展開。ワクワクする気持ちを読者に体験させてくれるでしょう。

イースターの基礎知識だけでなく、心に根付いている宗教観も伝えてくれます。素敵な挿絵と優しい語り口を楽しんでみてください。

イースターなどキリスト教の年中行事がわかる!

本書は、キリスト教の四季の物事や年中行事を日本人に分かりやすくまとめた一冊。キリスト教の「祝祭日」を軸にして、長い歴史を整理していきます。

著者
八木谷 涼子
出版日
2016-12-10

イースターやクリスマスなどの祝祭日の由来を、西方教会や東方教会の立場から解説。同じ行事でも教派によって祝い方や意味合いが違うことを学ぶことができます。「なんとなく」キリスト教を理解していた人は、その多様性に驚くことでしょう。

なぜイースターがこれほどまでにキリスト教国で重視されているのかも、理解することができます。
 

イースターの概要や由来、卵やうさぎについてご紹介しました。知ることは楽しむことの第1歩。ぜひ関連本もお手に取って、当日を楽しんでみてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る