5分でわかるイタチの生態!大きさや臭いの特徴や、退治の方法を解説!

更新:2021.11.14

日本に数多く生息していて、地方に行くと野生の姿も見ることができるイタチ。かわいらしい顔をしていますが、実は獰猛な性格をしています。この記事では、そんな彼らの生態や種類ごとの特徴、臭いの秘密、害獣被害を受けた際の対策などを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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イタチの生態は?大きさなど特徴を紹介

 

ネコ目イタチ科イタチ属に分類される哺乳類です。全部で18の種が存在し、そのうちの70%ほどが日本に生息しています。

もっとも有名なのが、「ニホンイタチ」。全国に分布していて、特に自然が豊かな地方では、探さなくても道を横切る姿を見ることができます。大きさはオスが25~35cm、尾まで入れると50cmほどで、メスは一回り小さいサイズです。

夜行性ですが、昼夜問わず活発に活動することが多いそう。木登りが得意なことにくわえ、手足の指先には小さな水かきもついているため、泳ぎも達者です。

雑食性で、なんでも食べます。カエルやトカゲなどの爬虫類、バッタやカマキリなどの昆虫類、リスやネズミなどの哺乳類も標的に。一方で天敵はワシやフクロウなどの猛禽類です。

生まれてから1年で成体になり、長く生きても寿命は2年ほどだといわれています。

イタチの主な種類の特徴

 

では種類ごとに特徴をみていきましょう。

まずニホンイタチ。日本の固有種です。体の色は山吹色や褐色で、鼻の周りが白くなっています。目の周りは黒くなっていて、この色分けがはっきりしていると成獣と考えて間違いありません。

北海道や本州、四国、九州、南西諸島など全国に生息しています。

そんな二ホンイタチの存在を脅かし勢力を拡大しているのが、チョウセンイタチです。よく似た見た目をしていますが、体毛の山吹色が全体的に濃く茶色っぽいのが特徴です。

両者とも性格は獰猛で、人間が安易に近づくと攻撃されてしまいます。その気性の荒さゆえ、顔立ちはかわいらしいですがペットには不向きでしょう。

一方で、同じイタチ科のなかでもペットとして親しまれているのがフェレットです。頭もよいため大切に育てると飼い主によくなつきます。芸を覚えることもあり、従順でフレンドリーな性格をしているため好まれているのです。

ただ怖い物知らずなところもあり、自分よりも体の大きな犬などにも平気で近寄っていきます。イタチならではの気の強さは健在だといえるでしょう。

イタチは驚くほど臭い!

 

木登りが得意で水中を泳ぐこともできる器用なイタチですが、彼らの最終兵器は強烈な悪臭です。

「イタチの最後っ屁」という言葉もあるほどで、敵に襲われた際など身を守る時に肛門にある臭腺から放たれます。また縄張りを主張するためのマーキングとして使われることもあるようです。

この悪臭攻撃を人間がくらってしまうと、3日ほどは嗅覚に異常をきたし、他の臭いを感じられなくなるそう。命にかかわるものではないですが、この臭いは敵意をもって放たれるものなので、ひるんだ隙に攻撃を受けて怪我をする恐れがあります。野生の個体は病原菌をもっている可能性もあるので、安易に近づかないようにしましょう。

ちなみにイタチ自身も他の動物と比べてかなり嗅覚が発達していますが、自身が臭いの影響を受けることはないようです。

イタチ退治の対策は

 

残念ながら害獣として認識されているイタチ。その理由として、身体能力が高いことと、頭がよいことが挙げられるでしょう。農家の作物を荒らしたり、家の中の屋根裏などに住み着いて繁殖をくり返したりすることも珍しくありません。時には家の柱の素材をはがして巣づくりをすることもあるようです。

学習能力があるので、人間が対策を施すと別の手を考えて侵入してきます。中途半端なやり方ではまさに「いたちごっこ」。たとえ1匹を駆除しても一時的な効果しかないので、大切なのは侵入経路を確実にふさぐことです。

また彼らの鋭い嗅覚を利用し、忌避剤や木酢液の臭いなどイタチが嫌うものを使うのも効果的。これらを侵入口に置いておくとよいでしょう。また夜間は2点の小さなライトを設置すると、天敵である狼の目を模すことになり、警戒して近寄ってこないこともわかっています。

実害が大きい場合は、専門の業者に依頼するのも手段のひとつでしょう。

動物と人間のドタバタ行動学

著者
小林 朋道
出版日
2009-07-09

 

イタチを見つけること自体はそれほど難しいことではありません。しかし彼らは大変すばしっこいので、近づこうとするとすぐに逃げられてしまいます。そんなイタチをコミカルに「追う」感覚を楽しませてくれるのが本書です。

自然に囲まれた大学で起こる、動物と人間のドタバタエッセイ。ひとつひとつのエピソードがおもしろく、それでいて行動学にもとづいた視点で生態を解説してくれているのが特徴になっています。人間と同じように動物たちも思わぬ行動をとることがありますが、理論づけの分析が明確なことに脱帽です。

野生動物たちの生き生きとした姿を感じてみてください。

イタチのことを好きになれる絵本

著者
内田 麟太郎
出版日
2011-06-01

 

本書は、イタチと「アザミ」という花をめぐる物語を描いた絵本です。ある日イタチは、毎日とおる田んぼのそばの道に生えているアザミに恋をしました。しかし雨の降らない日が続き、アザミはだんだんと枯れていきます。

そこでイタチは祠に参拝して、みずがみさまにお祈りをするのですが……。

恋物語と並行して、水不足を心配する人間の姿も描かれています。本来イタチは獰猛な性格をしていますが、本書を読むと彼らの優しさを感じることできるでしょう。害獣として認識している人も、好感を抱くきっかけになるのではないでしょうか。

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