5分でわかる食生活アドバイザー!仕事、試験内容、おすすめテキストなどを解説

更新:2021.11.23

食が心と体に与える影響は、科学的にも明らかにされています。孤食や生活習慣病など、日本も食生活にまつわるさまざまな問題を抱えているなかで注目されているのが、「食生活アドバイザー」という資格です。この記事では、資格の特徴や仕事への活かし方、試験の内容や難易度などをわかりやすく解説していきます。またおすすめのテキストや問題集も紹介するので、チェックしてみてください。

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食生活アドバイザーとはどんな資格?

 

食生活アドバイザーはFLA(Food&Lifestyle Adviser)ネットワーク協会が試験を実施している検定のひとつ。食を大切にする風潮が高まるなか、仕事だけでなくプライベートにも活かせると注目の集まっている資格です。

FLAのWebサイトには次のように記されています。

『食生活アドバイザー®』は、広い視野に立って食生活をトータルにとらえ、健康な生活を送るための提案ができる食生活全般のスペシャリスト。

単に「食」に関連したことのみのアドバイザーではなく、自己責任時代の生き方や働き方、そして食へのこだわりをそれぞれの立場にあった視点でアドバイスできる人のことです。

現代日本では、食生活が乱れがち。またダイエットをしていても、正しい知識がなければ体調を崩してしまうこともあります。さらに食品偽装問題などで食の安全に関心を高めている人も多いでしょう。アレルギーや食中毒に対応するため、安全な食材選びや調理に興味をもつ人も増えました。

食生活アドバイザーは、栄養と健康の関係、食品学、調理法などさまざまな知識を学び、「食」と「生活」を見直しながら、よりよく生きるための見識を得られる資格なのです。

 

食生活アドバイザーはどんな仕事に活かせる?

 

食生活アドバイザーが活躍する代表的な仕事として、料理教室や食育関連の業務が挙げられるでしょう。そのほか飲食店、介護や医療の現場、そしてもちろん家庭でも役立てることができます。

・料理教室

SNSが普及したことで、見映えのよい料理を習いたいと料理教室に通う人も増えています。ただ近年では見た目だけでなく、低糖質や塩分控えめなど、健康志向もあわせもった料理を求める人が増えました。

指導者に求められるのは、従来のよう調理のコツだけでなく、健康につながる食材知識や調理法なども一緒に教えられること。食生活アドバイザーで得られる知識がおおいに役立つでしょう。

・食育の現場

2005年に「食育」の基本的な理念を示した「食育基本法」という法律が制定されました。バランスの乱れた食生活による健康問題が浮き彫りとなった状況を改善するための対策です。国民ひとりひとりが食への意識を高めて、健全な食生活で心身を培うこと、そして豊かな人間性を育むことを目的としています。

しかし、どのように改善すればよいのかわからない人も多いのが現状です。食生活アドバイザーは、公共機関や企業活動、講座などで食育の普及を図ることが求められています。

・飲食店

食生活アドバイザーの知識をもとに、メニューやレシピの提案ができるでしょう。また試験では、衛生管理や食に関するマーケットについても学ぶため、運営や管理にも関わることができます。

・介護 医療
 

介護施設や医療施設に入所している方にとって、体力の回復や健康維持のために食事は非常に重要です。味はもちろんですが、食生活アドバイザーとして栄養面や衛生面にも配慮した食事の提供が求められます。

・家庭

食生活アドバイザーの知識は、もちろん家庭でも活かすことができます。生活習慣病の予防には日々の食事が重要。栄養、調理法、献立など、毎日の食生活を健康で豊かなものにすることができるでしょう。

 

食生活アドバイザー試験の内容は?3級、2級それぞれ紹介

 

食生活アドバイザーは、FLAネットワーク協会が主催する民間の検定試験です。例年7月と11月に試験が実施されます。特別な受験資格は必要ありません。

3級と2級の2種類がありますが、出題範囲は共通。科目は次のとおりです。

  • 栄養と健康(栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養など)
  • 食文化と食習慣(行事食・旬・マナー・配膳・調理・献立など)
  • 食品学(生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物など)
  • 衛生管理(食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性など)
  • 食マーケット(流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売など)
  • 社会生活(消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規など)

出題形式や配点、合格基準は3級と2級で異なります。

3級では、消費者の立場で食生活を見直すことを目的にした内容が問われます。

  • 試験時間:90分間
  • 形式:マークシート選択式問題50問
  • 配点:各2点
  • 合格基準:100点満点中60点以上で合格

2級では、食を提供する立場で実務に即した内容が問われます。

  • 試験時間:90分間
  • 形式:マークシート選択式問題42問、記述式問題13問
  • 配点:選択問題各2点、記述問題各3点
  • 合格基準:123点満点中74点以上で合格

 

食生活アドバイザー試験は独学で合格できる?合格率や難易度を解説

 

FLAネットワーク協会によると、食生活アドバイザー試験の合格率は、3級が平均で65%、2級が平均で40%とのこと。

初学者であっても、ポイントを絞った学習をすれば独学での合格も可能です。FLAネットワーク協会は試験対策講座を開講しているので、こちらを受講してみるのもよいでしょう。

また社会問題や時事問題なども、食生活アドバイザーとして必要な知識になります。日々のニュースに目を向けることも重要です。

 

食生活アドバイザー試験におすすめのテキスト&問題集①

著者
一般社団法人FLAネットワーク®協会
出版日

 

食生活アドバイザー試験を主催するFLAネットワーク協会が発表した、公式のテキストと問題集です。

もっともベーシックな対策本で、試験の内容に沿って出題範囲ごとに分けた構成がされているのがポイント。それぞれの章末には実際に過去に出題された問題にもとづき練習問題が掲載されていて、巻末には全範囲の用語が収録されています。

インプットとアウトプットを一冊でまかなえるおすすめ本です。

 

食生活アドバイザー試験におすすめのテキスト&問題集②

著者
["ユーキャン食生活アドバイザー®検定試験研究会", "ユーキャン食生活アドバイザー®検定試験研究会"]
出版日

 

本作の特徴は、重要な論点が目立つように、文字の大きさや色使いを工夫した構成になっていること。イラストも多用し、ビジュアルで理解を早められるようになっているので、初めて食生活アドバイザーについて学ぶ人にもおすすめです。

基本のテキストは、項目ごとに確認テストがついているので、勉強したことをすぐに実践的に確認できるのも嬉しいでしょう。

模擬試験が2回分ついているほか、別冊として切り離せる「一問一答&ポイント集」もついているため、隙間時間も無駄にしません。試験の直前まで持っていたい一冊です。

 

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